アンバランス

作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 葉山たけし


解説 15枚目のシングルで世に登場し、アルバム『POWER OF DREAMS』、そして『BEST OF BEST』にも収録されている。

 唐突だが、ダンエモンは自分自身を「アンバランスの塊のような男」と見ている。運動能力的にも、人格的にも、精神的にもとかく「中庸」に欠ける男なので、この題名は身に摘まされるものがある。
 この歌で歌われている「アンバランス」は活発で期待と興奮に溢れた人生を求める一方で、ただ二人でいるだけで虚無的な日々を費やしている実際の行動との矛盾−「思っていることとやっていることが違うぞ」状態を指していると思われる。独り者なので、シチュエーションはいささか異なるが、思考と行動が一致しないことはダンエモンの身にも覚えのあることである(全く自慢にならんが)。

 云うまでもなく、歌詞は思考と行動のアンバランスを指摘するだけではなく、そのアンバランスの解消を自分自身及び相手に呼びかけているわけだが、勿論行動を思考に近付けようとしているのである。
 そこで注目されるのが、アンバランス解消の為にどうしろと云っているのか?である。一言で云えば「初心に帰れ」である。
 歌詞の中にそういう詞がある訳ではないのだが、「笑顔で無意識にずっと二人でクリアーしてきたね」「そばにいるだけですべてが幸せに生まれ変わると信じてたから」「ハダカになろう 欺まんと虚飾に満ちた日々を一枚残らず脱ぎ捨ててみよう」、と云う歌詞が二人でいることを基本としつつ、すべての事を二人で当たって来た事を強調し、アンバランス解消の為に素の二人に戻る事の重要性を説いているのがうかがえる。

 先の「Get Ready Yes,I'm ready ハダカになろう欺まんと虚飾に満ちた日々を一枚残らず脱ぎ捨ててみよう」はこの曲のダンエモンが最も好む部分の一つである。
 摩季ソングにはよく「裸」「裸の心」といった歌詞が出てくるが、この曲では特に力がこもって歌われているところが聞き逃せない(元々力強さに溢れた曲だが、この部分は最も力が入っているのだ)。
 ちなみにこの曲を初めてじっくり聴いたのは摩季ネェファンになって二ヶ月経つか経たないかぐらいの頃と記憶している。根が下品な男・ダンエモンはかつてなら「ハダカになろう」と聴けば、顔をにやけさせただろうが、この曲を初めて聴いたときは「ハダカ」という歌詞が摩季ソングにおいて初めて聴いたにもかかわらず、その意味するところが素直に感じられ、イヤらしい想像をしなかったのが今を持って印象に残っている。
 これはダンエモンが二ヶ月で摩季ネェワールドにドッポリはまっていたことによるものだろうか?

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令和四(2022)年六月五日 最終更新