VOLAGE

         作詞 椎名恵 作曲 竹沢好隆 編曲 戸塚修
解説 椎名恵さんの7thアルバム『VOLAGE』の5曲目と15thアルバム『S』の3番目とに収録。一言で警告の歌と言うのは過言だろうか?  ストーリー的に見て「あなた」はかなり自惚れが強そうで、主人公に対して「自由に できる」「別れを切りだしても 取り合わ」ずに済む、という風に物事を軽く考えているようである。
 それに対して主人公は「今ここで誰かに 声かけれれたなら きっと後を ついて行くわ」とか「本気なのよ」とか「危険にさせる夜だわ これもあなたのせいだわ」という風に明らかに責めにかかり、不安を与えている。
 単純に見れば思い上がりの激しい「あなた」に主人公が愛想を尽かそうとしている別れの決意に見えるが、ここはもう一考察必要だろう。男女差別するわけじゃないが、女性は男として意識してない相手には恐ろしく冷淡である。本当に愛想をつかされていたら愚痴すら出ない!勿論個人差はあるし、感情を表に出す人とそうでない人もいるが、少なくとも不安を煽る台詞は不安を感じて欲しいからこそ出る台詞であり、相手に不安を感じてもらう必要などなく、ただ別れたければ「取り合」おうと「取り合」わまいと関係なく目の前から去るだけである。勿論そこに「誰かに 声をかけられ」る必要などない。
 漠然とした「誰か」が出てくるところに主人公が何を求めているかを見るべきである。道場主も幼少の頃、周囲の大人達、そして恥ずかしながら初恋の人にまで「叱られている内が花」という言葉をかけられたことがある。「心だけがさまよっている」内に気付くかどうか?この「VOLAGE」という歌に続きがあるなら主人公が「あなた」に次はどんな「あなたのせい」を着きつけるか?そして「あなた」がそれにいつ気付くかが興味深い。
 やはり恋愛は相思相愛、可不可のない平等が一番だということをこの歌は教えてくれる。


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