忘れないで

         作詞 椎名恵 作曲 和泉常寛 編曲 勝又隆一
解説 椎名恵さんの10thアルバム『蒼の時刻』の4番目に収録されている。岡本真夜さんの歌に同名のものがあるが全くの無関係(苦笑)。
 主人公と「あなた」の現状が些か不鮮明なのだが、どうも恋人同士でありながら両者の間には距離があるようである。そしてタイトルにもあるように「忘れないで」と呼びかけているところから、下手をすると自然消滅しかねない危うさが窺える。
 勿論タイトルが主人公の意思であり、「あなた」との縁をつなぎとめようとして「初めて私を 抱いた夜の肌のぬくもり」「初めてあなたに 抱かれた夜こぼした涙」といった思い出を訴えて、愛し合う日々を取り戻そうとしているのだと思うが、この表現はかなり艶かしく、正直、道場主は初めて聴いたとき意味も無くうろたえたものである(苦笑)。
 呼びかけだけでなく、「くちびる重ね合わす 時間のために 私は生きてる」「会えない理由じゃなく 欲しいのはあなただから」と言った歌詞にも艶かしさや求める心の強さが表れている。
 そして主人公は上記のような求心力だけが強いのではない。サビの「忘れないで 乱されてもただ愛している 女が居るわ 忘れないで どんな事もただ許している 私が居るわ」とある様に、「あなた」を受け入れる包容力にも主人公は強いものを持っている。
 曲の流れはどこか寂しげながら、その曲調の中に潜んだ根の強さ………ダンエモンはこういう女性の包容力に極めて弱い(苦笑)。
 だが、それに(「応」か「否」かは別として)答えようとしない奴は同じ男として許せない。そんな風に思ってくれる恋人は一生に何人もめぐり合えるものじゃない事を認識せず、その有り難味を理解しない人間にはなりたくないものである。


恵の間へ戻る