WE ARE THE LOVE 〜dedicated to J & L〜feat.TOUMA ROSE

作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 Yohey

解説 摩季ネェの15thアルバム『PHENIX』の9番目に収録されている。歌詞はオール・イングリッシュで、當間ローズ氏とのデュエットで歌われていて、ダンエモンも一度摩季ネェのライブでゲスト出演した當間氏を見たことがある。
 アルバムの歌詞カードには日本語訳も付記されているが、歌詞を為す英文はかなり分かり易い。「英語なんてちんぷんかんぷんだよ!」というほど苦手意識を持つ方には厳しいかもしれないが、一応英会話が出来るダンエモン(←こういうと自慢げだが、文法的には中学生レベルである)が注意深く聞けば何とか大意が掴める。ただ、歌詞カードに添付されている日本語訳は直訳ではなく、少々意訳されている。

 まずタイトルの「WE ARE THE LOVE」だが、直訳すれば「私達は愛」だが、日本語訳には「私たちは愛そのもの」としている。定冠詞・「THE」がつく程唯一無二の大切なものとしているのだろうか?
 ともあれ、歌詞の大意は共にいることを、愛し合うことを喜び、その力があれば世界を素晴らしい物に変えられるとまで叫んでいる。些か聞いている方が恥ずかしくなりそうだ(苦笑)。

 歌詞の中に「La la la I was here You are my dream and future」というものがあり、日本語訳では「ずっとここで待っていた そう あなたは私の夢 そして未来」としているが、「was」だけでは「いた」というだけで、普通は「I waited」としないと分からない。思うに、「You」と出逢えたことで世界と未来が変わる程の衝撃と喜びを感じ合っている主人公は只その場にいたことが、待ち続けていたに等しいのだろう。
 対照的に「La la la You were here You are my sweet heart and soul La la la stand together」と云う歌詞があり、「ずっとここにいたよ 君は僕のいとしい人 心と魂 共に立ち上がろう」という役を当てているが、ここでも「were」とあるだけなのに「ずっと」という役が付け加えられている。
 恋愛関係にあって、単純な物云いに言外の含みを持たせるのは世界共通という事だろうか?直後にある「It’s a wonderful world, it’s a beautiful world」が実現するかは主人公たち次第なのだろうけれど、二人が共に「in this whole new world」にあるのだけは間違いない。

 そして歌詞全体を通じて感じるのは純粋さである。『PHENIX』収録曲には、「純粋な人」というそのものずばりな曲もあるが、この曲の直前に収録されている「PHOENIX」も純粋さに溢れている。そしてこの曲も「Life is tough Mother Never forget When I was young and innocent You show me light and hope Life is not easy not easy」と母親に育てられて来た思い出に触れ、「Thank you for loving me This is our destiny lalala…」というふうに、あたかも子が生まれた時点で親が無上の愛を注ぐ如く、対面している愛を「destiny」=運命と云い切っている。本来ダンエモンは運命と云う言葉が人生における強要された境遇のように思えて好きではないのだが、この曲における歌詞の様に、愛を何物にも動かされないことの象徴として「destiny」としているのなら、嫌いな単語もすんなり受け入れられそうである。

 ともあれ、愛し合うことを喜び合う純粋さと希望に溢れた歌詞は静かで、穏やかで、アップテンポの少ない歌詞ではありながら何物にも冒されない動かし難い強さに満ちているのが心地良い。日本語訳をそのまま朗読すればかなり歯が浮くが(苦笑)、それも純粋さ故だろう。


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令和六(2024)年一一月一日 最終更新