夢の続き

         作詞 大黒摩季 作曲 大黒摩季 編曲 葉山たけし
解説 アルバム『BEST OF BEST』に収録されている。もっとも発売される半年も前からロッテのCMのBGMに使われたり、ライブでのエンディングに流されたりしていたので、ファンとしては随分焦らされたものである。
 さて、「夢の続き」というタイトルのこの曲はタイトルにある如く、起きながらに夢を見続けているようなのどかさがある。
 物静かな秋の夕暮れを「ヤシの葉を黄に染める陽」「散ったはなびらの数だけ ふくよかな実をつけ」といった歌詞が感じさせ、「絶え間無く流れて行く」時の流れの中の一時の安らいだ空間を思わせてくれる。「忙中暇あり」といったところだろうか?
 別の視点から見るとこの歌には落ち行く夕陽に様々な願いが込められている。「夢の続きを見て行こう」という歌詞からも夢=願いが込められているのがうかがえる。皆の幸せを願う心の中で最も強く願っていると思われるのが、「この愛は 今その胸に 確かに届いていますか…」だろう。
 思うに主人公とその恋人は愛し合いつつも離れた場所にいて主人公は日々恋人のことを想い続けているのだろう。たまにしか会えず、日々抱く愛が確かなものか心細いのは「抱き締めたぬくもりよりも わけを気にしてたり…」からもうかがえる。
 熱さや激しさに魅力を持つことの多い摩季ソングの中で静かさやゆったりした雰囲気を楽しませてくれるこの歌だが、一つわからないことがある。主人公の性別である。「僕達」という歌詞や「抱き締めた」という能動的な動詞から十中八、九は男と思うのだが、「あなた」というニ人称を使っているのが気になる。恋人が年上で「あなた」と呼称しているのだとしたら主人公はダンエモンと同じ趣味だな(笑)。

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