ゆらゆら

         作詞 岡本真夜 作曲 岡本真夜 編曲 森俊之
解説 フォースアルバム『Hello』の3番手に収録。新たな恋に踏み出した主人公は前の相手を忘れられず、新たな恋にかける想いに自信が持てないでいる様がコアとなっている。
 興味深いのは時間の流れが「杯目のカクテル」という形で表現されていることである。舞台が「週末のSHOT BAR」である以上、当然杯を重ねれば酔いが回り、思考もタイトルの如く「ゆらゆら 揺れ」ることになるだろう。
 この曲も他の真夜ソングによく見られるように矛盾した二つの想いの狭間で揺れ動いている。「一人でいたくなくて あの人を忘れたくて」と言う想いがある一方で、その為に新しい相手とアルコールの力を必要としていることで明らかに忘れられない想いがあることが語られている。勿論そのことは主人公が一番理解していて、「"寂しさを埋める恋なんて 本当の恋じゃない" わかってるのに…」と示している。
 もう1つ主人公が揺れ動いているのは「寂しさを埋める恋」を良くないものとする一方で、「あなたのそのやさしさ」にも引かれているわけである。正しく「ゆらゆら」というタイトルは的を得ている。 
 歌詞を見る限りは前の恋がどのような物だったのかは不明である。不明である以上曲を聴いている立場として主人公に願うことははっきりしている。きっちり過去の思い出を整理して「あなたのそのやさしさ」にわだかまりを抱くことなく甘えて欲しいものである。主人公が勝手に過去の想いを引き摺っているわけだから「あなた」が介在できる余地は少ない。主人公ががんばるしかないのである。この曲は過去の恋を引きずる人に恋のリスタートをきることを勧めるいとが託されていると見るのは穿った物の見方だろうか?


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