夕暮れがしのび寄る

         作詞 椎名恵 作曲 佐藤健 編曲 見良津健雄
解説 椎名恵さんの13thアルバム『GAMBARE』の9曲目に収録されている。別れの寂しさの去来を「夕暮れがしのび寄る」背景になぞらえて皮肉っぽく綴っている。
 まず注目したいのは「別れのカード」「ほんの遊びのつもり」でやったカード占いから「別れのカード」が出てきて、主人公本人は悪い冗談、とばかりに笑い飛ばしていたのが、「本気で別れようと 勝手に決め」ていた「あなた」には嫌なタイミング心底を見透かされた様で、それが「とまどう顔を隠すあなた」となって現れていたのは想像に難くない。
 もちろん後になると主人公にとっても悪いジョークが現実になったようで「こんな別れのカード 空にむけて飛ば」して当たりたいほどバツの悪いものとなっているところに凄まじいまでのもどかしさを感じる。
 次に注目したいのは解説冒頭にも書いた「夕暮れ」を利用した寂しさの描写である。「夕暮れを追いかけて よく海へ行った」楽しい想い出が、寂しさという名の「夕暮れが忍び寄る」形となり、耐えられなくなった別れである「夕暮れに背を向けて 恋人が去って行く」−同じ「夕暮れ」が様々な局面を与えてくれているのが興味深い。
 出きるなら夜明けまで見たかったというのが、この曲に対する唯一の心残りである。そう思わせる寂しさがこの曲の最大の特徴というべきか。
 

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