影法師

作詞 荒木とよひさ 作曲 堀内孝雄 編曲 川村栄二

解説 べーやんの30thシングルにして、リリースの1ヶ月後には同名のアルバムもリリース、平成5(1993)年『はぐれ刑事純情派』Part6の主題歌でもある。同番組で道場主が初めてべーやんの歌として認識した曲である(厳密には「都会の天使たち」を先に知ったが、同番組の主題歌と知ったのはかなり後の事)。

 歌詞の内容は別れた相手(多分女でしょう)に対し、自分と同じように過去を引きずっているであろう様に想いを馳せる内容である。
 主人公が「お前」と会いたくて会えない様を示す歌詞はこれでもかと云うほど出てくる。「人の優しさ 恋しい晩は 男泣きする 切ない胸が」「想い出だけが 心のねぐら」「夢がちぎれて ひとりでいても」といった歌詞がそうであるが、加えて主人公の孤独も哀れなまでに表している。

 個人的に注目する歌詞は「心の傷なら 酒でもくらって 詫びたい人なら この手を合わせて」である。この歌詞を始め、主人公はかなり暗い現状にありそうだが、そんな状態にあって「詫びたい人」を想うのは、恐らく主人公は「お前」と想われる人に「過去」においてひどい仕打ちをし、それでも「お前」は主人公を愛してくれていたのだろう
 だから惨めな現状にあって後悔と罪悪感と、我が身に降りかかっての実感から「心の傷」「酒」で癒したり、「涙で洗っ」たりする中に「過去をひきず」りながら中に、「淋しさこらえ」ながら生きる過去の想い人の「影法師」を追うのだろう。

 タイトルと歌詞のバランスはなかなか難しいのだが、ラストにしか出てこない「影法師」がタイトルとなる事に文句為しの見事さをこの曲には感じられた。

 

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令和五(2023)年九月一二日 最終更新