カラスの女房

作詞 荒木とよひさ 作曲 堀内孝雄 編曲 川村栄二

解説 べーやんの41thシングル曲で、平成一六(2004)年に48thシングルとしてのニューバージョンが「はぐれ刑事純情派」Part17の主題歌に使われた。そして元々この曲は元モーニング娘。のリーダー・中澤ゆう子さんのソロでのデビュー曲としてべーやんがつんく♂と供にプロデュースしたものである。
 年増好みのダンエモンが唯一拝聴するモー娘関連曲と言っていい。

 ダンエモンはこの曲を故テレサ・テンの名曲「愛人」の和風版と見ている。つまりは妻子ある男性と恋仲にある女性が子供の待つ家庭に帰るのを淋しがりつつも、自分の元に来てくれる時間を心待ちにし、そんな世を忍ぶ恋に決意を固める内容になっている。
 そしてそんな「一生このまま 待つだけ」の女と「七つの子」が待つ古巣の間を飛び続ける「あんた」の姿に「カラス」が託されている。

 主人公の置かれた立場は決して大っぴろげにできるものではなく、想い人である「あんた」「七つの子供が 恋し」くて「どこかへ帰る」存在であり、恐らくは本妻と別れる気はないのだろう。そしてその背景から来る「一生このまま 待つだけ」という立場への決意が何とも物悲しい。
 「今度生まれりゃ」という現世への諦観も本来望ましい物ではないのだが、例え今の立場のままでも一生想い続ける事への決意の表れなのだろう。これまた悲しくも強い決意である。

 注目したい歌詞は「この世のどこかへ 逃げたって 夕やけ小やけは ついてくる」の歌詞である。
 実際の所、この歌詞を完全に理解している自信はないのだが、ダンエモンはこの歌詞に二つの意味を推論している。
 一つは、主人公が愛人の立場で常時一緒に居られない恋であることを疎ましく思い、別の新たな恋に逃げたがっているのだが、本音は偽れず、例え愛人であっても「あんた」と完全に離れるよりはマシと考えているのでは?というものである。
 もう一つは「カラス」が巣に帰る「夕やけ 小やけ」が毎日必ずやって来る様に、「カラス」の如く飛んでいく「あんた」が定期的に自分の元に飛んで来て欲しいとの願いを託したものでは?とのものである。

 「カラス」とは一般に嫌われる事の多い鳥だが、自然の一環を為す立派な存在で、知能に優れ、時に益鳥でもある。そしてそこに心があることも見逃したくない。
 だが、世を忍ばざる恋は歌のみに楽しみたい物である。「カラス」より鴛鴦が望ましいのは言うまでもない。道場主は燕になりたいらしいが……ぐええええええぇぇぇぇぇぇぇええええ(←道場主の送り襟締めが炸裂中)。
 注:↑この一人ボケ一人ツッコミの意味がわからない人は辞書か何かでそれぞれの鳥が持つ意味を調べて下さい。

 

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平成一八(2006)年七月二五日 最終更新