初めに これは宝島社の「怪獣VOW」のパクリです

菜根版 怪獣VOW

呆れた対策
 遠大な理想や目標を掲げつつも正義のヒーローに邪魔され決して到達することの無い悪の組織。
 勿論、敗北するから失敗に終わるわけだが、ハナから「こりゃあかん。」と思わせるアホな作戦が多いのも事実。このコーナーではそんな悪の組織の稚拙な一面を紹介する。
何処が特殊だ。
仮面ライダー(スカイライダー)
第36話 「急げ一文字隼人!木にされる人々を救え」
 ネオショッカーの怪人キギンガーを追って百鬼村に乗り込んだ一文字隼人(佐々木剛)。その村の食堂で山菜の天婦羅定食を食った一文字は十万円の勘定を要求され(ボッタクリバーじゃあるまいに…)、笑い飛ばしてこれを拒否。
 店の親父が「食い逃げだ。」と叫ぶと間髪入れず野次馬と警官が駆け付けて一文字は無銭飲食の現行犯で逮捕される。もっとも、百鬼村にネオショッカーが入り込んでいるのを先刻御承知の一文字は「手回しの良いこった。」とだけ呟いて抵抗もせず手錠をかけられた。
 一文字に手錠をかけた警官二人組は一文字を留置所に投獄するとアリコマンドの姿に戻り、「驚いたか、一文字隼人。」と云い放った(←見え見えの茶番劇で騙すのに成功した気でいることの方が驚きである)。
 手錠を引き千切った一文字は牢を破ろうと壁にパンチ、キックを放つが壁はびくともしない。「無駄だ。仮面ライダー用の特殊合金用の牢だ。」と云って一文字を嘲笑うアリコマンド。しかし、仮面ライダー2号に変身した一文字はあっさり牢を破る。正確には壁ではなく、扉の鉄格子を破ったのだが、「仮面ライダー用」が聞いて呆れると云うものである。


もったいない……。
仮面ライダー(スカイライダー)
第47話 「スカイライダー最大の弱点!0.5秒の死角をつけ」
 ネオショッカー怪人アブンガー。こいつはなかなかに優秀でスカイライダーを後一歩のところに追い込んでもいる。その信条は完璧な準備と作戦にあり、例え臆病者と罵られようと相手のことを調べ尽くし、勝算を見出すまでは戦いを仕掛けなかった。
 事実、魔神提督(中庸介)に罵られてもアブンガーは2週間もライダーの観察に徹し、登場3週目、遂に彼は作戦を練り上げ、対ライダーの対戦シミュレーション映像を魔神提督に披露すした。
 彼の作戦はスカイライダーのスカイキックを紙一重で回避し、エネルギーを使い果たした所を掟破りのスカイキックを放ち、かつてこのキックのために命を落とした数々の同胞の恨みに報いんとするもので、発想自体は面白く、それまでアブンガーを馬鹿にしていた魔神提督を感心させていた。
 ところがこのシミュレーション映像が笑えるのである。映像のアブンガーの前に一人のアリコマンドが黄色いマフラーと変身ベルトを装備して現れるところから始まる。
 そしてアブンガーが解説して云うには「あれなるアリコマンドは特訓に次ぐ特訓を重ねてスカイキックをマスターしたアリコマンドであります。」とのこと。
 そしてそのアリコマンドのキックを回避したアブンガーはスカイキックを放ち、アリコマンドは爆死した
 感心する魔神提督……ちょっと待てい!スカイキックが使えるアリコマンドなんて下手な改造人間よりよっぽど強いやないけ!あっさり殺すなよもったいない……。巨額の費用を投じて改造人間を作るよりアリコマンド全員にスカイキックをマスターさせた方がええぞ!!


誰が信じるかい!
仮面ライダーストロンガー
第23話「地底王国の魔王」
 仮面ライダーストロンガー抹殺に命を懸けてきた百目タイタン(浜田晃)。人質を取ったり、部下を捨て駒にしたりなど日常茶飯事。ジェネラル・シャドゥ(声:柴田秀勝)が呆れるほどの悪辣ぶりで兎に角手段を選ばない典型的且つ理想的な悪役である。

 そんな彼にも遂に最期の時が来た。根城としている地底王国での最終決戦前にパワーを30倍に強化する手術を受けて臨んだが、無理に体にエネルギーを詰め込んでいることをストロンガーに看破され、両肩にダブルキックを受けエネルギーが流出し、己の死期を悟ったタイタンは活火山の噴火口にストロンガーを道連れに飛び込もうとした。
 噴火口に立ったタイタンは追って来たストロンガーを見据えた。ここまではいいのだが、ストロンガーを死出の道連れにするために誘引する台詞が笑える。
 「ストロンガー…私の負けだ…君は強い…最後の握手を…。」…。
 散々汚い手を使ってきてよく云えたものである(笑)。当然、立花藤兵衛(小林昭二)にまで「何かあるに決まっている。」と断言され、お人好しにも握手に応じたと見えたストロンガーにもあっさりと振りほどかれ一人噴火口に落ちて行く百目タイタンだった。
 虎口を脱した城茂(荒木茂)は一言「タイタン…敵ながら大した奴だった…。」と褒めていたが、皮肉かどうかは分からない。後に残ったのは百目の内の一つの目で、シャドウがしげしげと見つめていた。


そんなんで死ぬか!
仮面ライダーX
第10話「GOD秘密警察アポロガイスト」
 アポロガイスト(打田康比古)をして「瞬間湯沸器」と云わしめたGOD神話怪人の一人アキレス。初めてXライダーを破ったりとなかなかに強いのだが、アポロガイストの指摘にもあるように短気で、如何せん器が小物であった。

 敗北の辛酸を舐め、打倒アキレスを目指し猛特訓をする神敬介(速水亮)に催眠状態にした女の子を使者に送り込んだアキレスはその娘を人質に敬介を縛り上げた。
 再び優位に立ったアキレスは上機嫌で敬介の処刑を宣言したがその方法は何と、簀巻きにした敬介をローラースケートをはいた四人の戦闘工作員に引きずらすだけのもの。
 「こんなん改造人間は愚か、普通の人間も殺せんぞ。」と思った。結論を云うと敬介を引きずって一回りしてきた筈の戦闘工作員が引きずっていたのは丸太でしかも戦闘工作員はバタバタと倒れ、調べたアキレス曰く「死んでる…。」
 執行人と受刑者はあっさりと入れ替わってましたとさ。


本末転倒
仮面ライダーV3
第45話「ライダーマンよどこへゆく?」
 デストロン最後の大幹部にして最も残忍な男ヨロイ元帥(中村文弥)。
 自分の地位を奪われることを恐れて科学者グループのリーダー結城丈二(山口暁)に裏切りの濡れ衣を着せ、処刑しようとしたためにライダーマンという一人の(弱いが)厄介な敵が生まれたのは周知の事実である。

 この第45話でヨロイ元帥はヨロイ一族の中でも恐らく最強と思われるサイタンクを出動させていた。サイタンクはサンタクロースに化け、クリスマスパーティにやって来た子供達を攫った。攫われた子供達を返して欲しければV3を倒せと結城丈二に迫るサイタンク。
 不承不承、承諾した結城。2人してV3を土砂の生き埋めにすることに成功したが、当然と云うか結城は捕らえられ、約束も反故にされた。

 嫌味ったらしく囚われの結城の前に現れたヨロイ元帥。「子供達をどうするつもりだ。」と問う結城にヨロイ元帥は胸を張って曰く、

 「あいつ等はデストロンの幹部候補生だ。」

 をひをひ幹部の地位を護るために結城を殺そうとしてるのに将来自分の地位を脅かしかねない奴を大量に揃えてどうすんじゃい!


「そう云えば結城丈二が悔しがると思ったから…。」(ヨロイ元帥談)


場所を選べ
仮面ライダー
第81話「仮面ライダーは二度死ぬ」
 ゲルショッカーは新組織結成とともに前身であるショッカーの戦闘員を全員抹殺し、科学者達も牢獄に監禁した。
 科学者達の処刑をいつ行うのか?と問う首領に「釈放します。」と云うブラック将軍(丹羽又三郎)。勿論命を助ける気は毛頭無く、彼が云うところの「私のやり方での釈放」とは単に新兵器の実験に供する事であった。

 牢獄の中で「釈放」の報を聞き、歓喜に沸くショッカーの科学者達。しかし青年医師の峰信太郎(佐々木功)だけ用心し、防毒マスクを隠し持った。
 バスで送られる途中、案の定ゲルショッカー怪人・サソリトカゲスは実験を行ったが峰に逃げられ、仮面ライダーに弱点まで教えられた。
 車内とは云え、わざわざ逃げ道が四方八方にある屋外に連れ出さずとも、牢獄内で実験しても変わらないと思うのだが…


 「ブラック将軍が糠喜びさせてがっかりさせるのが好きな性格で助かりました。」(峰談)






正体バレバレのヒーローBest10
 特撮ヒーローの多くはその正体を隠す。周囲の知人を争いに巻き込まない為、人間として生きる事をモットーとして土壇場まで変身しない者、周囲の人間がヒーローに頼りきりにならないように、etc。そして大概は最終回にその正体を明かすが、ストーリー上において正体バレバレの行動をとる奴等がいるのである。
 否、変身しているときには当然主人公はいないときばかりなのだからばれない方が遥かにおかしいのだが、知人は愚かその場にいただけの人にもバレバレの奴がいるのだ。ここにその10人を紹介する。

第10位
ウルトラマンレオ = おヽとりゲン(真夏竜)
 同僚の白戸淳隊員(松坂雅治)にレオの悪口を云われ殴り掛かろうとしていた。


第9位
ウルトラマン = ハヤタ(黒部進)
 ベータカプセルの存在を星野少年に知られてる。
 しかも通りすがりの子供がウルトラマンに関係する物である事を知っており、この二つから正体を知っている奴はかなりいると思われる。


第8位
帰ってきたウルトラマン = 郷秀樹(団次朗)
 「怪獣の一匹や二匹なんですか!」と調子に乗った発言をして怪獣に攻撃して失敗して謹慎を食らうが、このテープにはこの後「ようし、こうなったらウルトラマンに変身してやる。」と云う台詞が録音されている筈。


第7位
パーマン = 諏訪光夫
 パーマン変身時用のコピーロボットが頻繁に皆の前で元の姿に戻っている。


第6位
仮面ライダーアマゾン = 山本大介(岡崎徹)
 劇中では常に「アマゾン」と呼ばれている。
 そしてベルトと攻撃パターンは変身前後で変化しない上に一度野生児として警察に保護されテレビにまで報道されている。もはやバレバレ。


第5位
仮面ライダースーパー1 = 沖一也(高杉俊介)
 バイクの背面部に「KAMENRIDER SUPER1 KAZUYA OKI」変身前と変身後の両方の名前が併記された形でエンブレムされている。


第4位
ウルトラマンA = 北斗星司(高峰圭二)
 クリスマスに孤児院に慰問に行き子供達とフルコーラスでウルトラマンAの歌を歌う。勿論「今だ!変身!北斗〜♪」の部分も(笑)。
 しかもこのことを誰も気にしていなかったからか、北斗は「よーし、上手いぞー、次、2番行ってみよー。」と能天気にいっていた(笑)。


第3位&第2位
仮面ライダーV3 = 風見志郎(宮内洋) 仮面ライダーX = 神敬介
 立花藤兵衛が多くの子供達の前で1号からXまでの5人の仮面ライダーの講演を実名入りで行う。
 その直後に現れたGOD怪人に対し、風見志郎と神敬介が初めて共闘。その前に呑気に互いの自己紹介をしていた。
 勿論大勢の子供達が見ている。

(以下、その時の会話を一部抜粋)

 神「俺の名前は神敬介、先輩の事はオヤっさんからよく聞いています。」
 風見「俺は風見志郎だ久しぶりに暴れさせてもらうぜ!」
 立花「さあ、みんな逃げるんだ。」)


第1位
仮面ライダーBLACK = 南光太郎(倉田てつを)
 国会議事堂や町のビル街で大暴れする大怪人ダロム(声:飯塚昭三)、バラオム(高橋利道)、ビシュム(好井ひとみ)が覚醒したシャドームーン(堀内孝人)の命を受け、日本国に宣戦布告の証として暴虐の限りを尽くす。
 逃げ惑う一般大衆や大怪人に翻弄されつつも懸命に戦う警察官達の間隙をぬって現れた南光太郎はその場で変身。
 多くの一般民衆や警官は勿論見てるし、しかもこの大怪人達の暴動はニュースで報道までされていた。もはや全国的に正体バレバレ………。



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令和三(2021)年六月一一日 最終更新