笑える掛け声の怪人Best15 大抵の怪人は独自の掛け声を持っている。戦闘員達も然りである。掛け声は気合いを入れた<り、自己のアイデンティティをアピールしたり、相手を威嚇したりと非常に重要な物であるが、それらの重要性を粉々に打ち砕く情けない掛け声や笑ってしまう掛け声が存在する。
ここでは特に笑える掛け声を十五種紹介しよう。デストロンの合成怪人やデルザー軍団は特に笑わせてくれるぞ。
第15位 モグラ獣人(仮面ライダーアマゾン)
「チュチュ〜」
モグラに鳴き声がないからって鼠と同じなのはどうかと思う。アマゾンの味方となり、死ぬまで共闘したモグラ獣人だが、その迫力に欠ける容姿と声のためか、戦闘シーンは殆どない。
第14位 黒十字軍戦闘員(秘密戦隊ゴレンジャー)
「ホイ〜」
力が抜ける声である。数が武器の戦闘員だが一斉にこんな声を上げていたのでは数が多いほどやる気が失せるだろう。
第13位 岩石男爵及びその戦闘員(仮面ライダーストロンガー)
「イワ〜」
戦闘員は重そうな容姿に反して軽そうな声で情けなく叫んでいる。これもやる気が失せるだろう。
第12位 ドクロ少佐戦闘員(仮面ライダーストロンガー)
「ホネ〜」
これも聞くとやる気が失せそう。岩石男爵に比べ、声だけでなく見た目も軽そうなので見事に失笑してしまう。
第11位 ドクバリグモ(仮面ライダーV3)
「ガンマ〜」
イマイチ声の由来が分からない。
第10 ゲドン赤ジューシャ(仮面ライダーアマゾン)
「ヒャア〜」
ゲドンの戦闘員・赤ジューシャはすべて女である。この声で行動するには女を捨てる必要があると思う。
第9位 ハサミジャガー(仮面ライダーV3)
「シーザ〜」
鋏の英語名シーザーを使っているが、シルバータイタンは栄えあるデストロン怪人第1号でもあり、「風見志郎の家族皆殺し」と云うハクを背負っているから「カエサル=シーザー」から採っていると思っていたのにぃ……。
こんなのに殺された風見の家族も浮かばれまい…。
第8位 カメバズーカ(仮面ライダーV3)
「ズーカ〜」
第2話でライダー1号・2号とともに体内の原子爆弾で海の彼方に消えるという、ストーリーに大きく貢献した存在。
しかしこんなアホみたいな声を出す奴と心中したのでは死んでも死にきれまい。1号、2号の後の復活は当然の成り行きである。
第7位 ガラガランダ(仮面ライダー)
「ガ〜ラァ〜」
ショッカー最後の改造人間にして地獄大使(潮健児)の正体でもある重要な怪人。もっとマシな掛け声はなかったの?
第6位 鋼鉄参謀(仮面ライダーストロンガー)
「スティール」
デルザー改造魔人の先陣を切ったキャラ。いきなりストロンガーを苦戦に陥れるし、戦歴も5戦2勝1敗2分と輝かしい。
藤岡弘、氏行方不明時の仮面ライダーの声も務めた事のある、市川治氏が発する掛け声もイントネーションは勇ましいのだが、内容が「スティール(鋼鉄)」……何てそのまんまなんだ…。
第5位 ウニデーモン(スカイライダー)
「ウニ〜」
いかにも恐ろし気な容姿と情けない掛け声のギャップが笑える。
第4位 サソリトカゲス(仮面ライダー)
「ソ〜リィ〜、サソ〜リィ〜」
謝ってる(sorry)様にしか聞こえない。
第3位 カブト虫ルパン(仮面ライダーX)
「ルパルパルパルパルパ……」
名前に忠実なのはいいのだが無茶すんな。
第2位 ヒトデヒットラー戦闘工作員(仮面ライダーX)
「ヒトデ〜ヒットラー!!」
ヒトデヒットラーは一っちょ前に独自の戦闘工作員(←「秘密警察」と呼んでいた)を率いて、ナチの格好をさせている。
「ハイル・ヒトラー」のパロディーなのは分かるが、何だかなぁ……。余談だが、ヒトラーのフルネームを「ハイル=ヒトラー」と思い込んでいる若者が多いらしい。
もちろん正解は「アドルフ・ヒトラー」なのだが、戦国時代に尾張の足軽達が、主君の前で、「織田信長ー!!」と叫んでいたかどうかかを考えはしないのだろうか?
第1位 ヨロイ騎士とその戦闘員(仮面ライダーストロンガー)
「カッチュウ、カッチュウ」
お待たせしました。やはりこいつ等でしょう。「カッチュウ」→「甲冑」→「鎧」、と一瞬頭を使わせてくれる上にそのまんまを避け、且つ間抜けさが笑わしてくれる。大野剣友会の皆様及び池水通洋氏、ご苦労様でした!!
笑える名前の怪人Best10
「名は体を表す。」という言葉がある。空想科学の世界では怪人・怪獣ほどその傾向が顕著であり、また名前ならずとも性格や特性を表していたり、全くの洒落や間に合わせもある。
ここでは原因は色々あれど笑える名前の怪人・怪獣を10体集めてみた。
第10位
キングジョー(ウルトラセブン)
「えっ、何でこいつが…。」と思う人も多いだろう。キングジョーはその戦闘力はセブンを凌駕する上に、名前も「キング」が付き、悪くないどころかなかなかにカッコいい。
しかしその名前の由来に笑える一面がある。作中、「キングジョー」の名は一度も出ない(2週も登場しているのにである。ちなみに1999最終章6部作に登場したキングジョーU世は初めからキングジョーと呼ばれていた)。
後から制作関係者の故金城哲夫氏からとって、「キングジョー」になったのである。
第9位
メタヘビー(仮面ライダーBLACK RX)
クライシス帝国の機甲隊長・ガテゾーン(北村隆幸)率いる怪魔ロボットの一人。
千度の高温に耐えられる以外にこれといって特徴もなく、「ヘビメタから採ったの?」と云いたくなる。
第8位
ガイナマイト(仮面ライダーBLACK RX)
クライシス帝国の海兵隊長・ボスガン(藤木義勝)率いる怪魔獣人の一人。怪魔獣人はすべて頭に「ガイナ」と付く。
だからってダイナマイトと間違えそうなこの名前はどうもなあ…、しかも名前ほど強そうに見えんし。
第7位
ベロン(ウルトラマンタロウ)
「酔っ払い怪獣」の肩書きを持つ。「ベロンベロンに酔う。」と云う表現から安直に名付けたのだろう。そして全くその通りとしか云いようのない怪獣なのである。
三十数年前、この怪獣をウルトラマンカードで見た道場主の母は「酔っ払い怪獣?お父さんみたいな怪獣ね。」と云っていた。
やはり道場主=シルバータイタンの酒好きは遺伝である。
第6位
ガロン&リットル(ウルトラマンレオ)
兄弟怪獣。レオ・アストラ兄弟が初めて2人で対決した事もあり、第1話2話登場のブラックギラス・レッドギラスの双子怪獣と並んで有名である。
兄がガロンで、弟がリットルという、共に容積の単位に因んでいることが一部の笑いを誘っている。安直と云おうかいい加減と云おうか…。宝島社の「帰って来た怪獣VOW」では「妹怪獣がいれば『シーシー』か?」と書かれていた。
第5位
ロンリーウルフ(仮面ライダースーパー1)
直訳すると「淋しい狼」………………何て情けない名前なんだ…(苦笑)。
ドグマ怪人の中でも出来が悪いらしく、メガール将軍(三木敏彦)にも「三等兵怪人」と呼ばれ、任務は帝王テラーマクロ(汐路章)に名刀をただ届けることだった(つまりはパシリ)。
しかしその名刀が呪われた刀だったため、目出度くスーパー1と対決出来た(目出度くないか…)。
第4位
オニメンゴ(仮面ライダースーパー1)
ドグマ怪人。性格は大人しく、オニメンゴの「メンゴ」からして「御免」を連想させ、やっていることも子供から一輪者を奪って乗りこなせずに悔しがるなど、その情けなさはロンリーウルフとともにドグマにおける情けない怪人の二大双璧を為す。
第3位
ヒトデヒットラー(仮面ライダーX)
再登場のGOD悪人軍団の一人。
キングダークは歴史上の悪人(盗賊、独裁者、軍人など)の血を引く物に動物の能力を植え付ける改造手術を施した・GOD悪人軍団ライダーに送り込んでいたが、ヒトデとヒットラーをくっ付けたのは全くの洒落としか云いようがなく、他の軍団員に比して、こいつはヒトデの特性を全く発揮せず、ヒトラー似の性格(というか云い回しと直属部隊の編制)だけが目立った。
第2位
アリカポネ(仮面ライダーX)
GOD悪人軍団の一人。云うまでもなく、戦前「夜の大統領」と呼ばれたアル=カポネのパロディーである(この際断言しよう)。
余りの馬鹿馬鹿しさにこれ以上コメントする気にならない。
第1位
バイブ星人(ウルトラマンレオ)
物凄いインパクトを持った名前である。『ウルトラマンレオ』の第13話に登場した透明宇宙人。
ピンチに陥ると空中にジャンプして体を回転させ、その振動で光を乱反射させ、同時に回転するプロペラが見えないのと同じ原理で姿を消す技を使うのでこの名前が付いた。
『ウルトラマンレオ』放映時に乳幼児だったシルバータイタンに当時の性風俗を知る術はないが、この星人の名前に対して「抗議が殺到した。」と云う話は聞かないので、当時は女性自慰用のバイブレーターが現在ほど普及していなかったか、子供番組ゆえ無視されたかのどちらかと思うが、現在この名前を聞けば動揺を多少は覚えてしまうし、女性の前では話し辛いのは確実である(苦笑)。
命名者は今どんな気持ちでいるのだろうか?兎に角『さらば怪獣VOW』にあったように「すんげー名前」である。
喪われたプライド 元々悪の組織は卑劣で目的達成の為に手段は選ばないのだからプライドが無いからと云って非難しても詮方無しである。
しかし、悪の組織には世間的に目的が間違っていても、彼等なりの理想を抱いていたり、悪を生き甲斐にしていたりという設定もあり、誇り高き連中も少なくはない。
何より主人公と仇との命と誇りを懸けた最後の戦いは盛り上がる。逆にプライドの無い奴、特に高そうで全然無い奴や、肝心な所でなくす奴、意地と取り違えている奴は腹ただしく、時に滑稽である。
悪の組織にはプライドの高い奴も無い奴も重要である。このコーナーでは「ない奴」のその滑稽振りを笑い飛ばそう。
自分を再生改造させた宮本博士から突然の死期を宣告されたアポロガイストは延命の為、Xライダーのパーフェクターを手に入れなければならず、Xライダーに対し最後の大攻勢をかけた。
うーん単純……。 仮面ライダーX 第21話「アポロガイスト最後の逆襲」
7体の神話怪人を命の炎で蘇生させ、その内、アキレス、キマイラ、ユリシーズの3人を立花藤兵衛のコーヒーショップに派遣。店を目茶苦茶にし、そこでアルバイトする二人の女子大生を人質として拉致させた。
拉致と店の崩壊は成功したが、駆け付けたXライダーの為にユリシーズとキマイラの2人は倒され、逃げようとしたアキレスもライドルロープに絡め取られた。店を壊され激昂する藤兵衛を制し、Xはアキレスを利用すると云う。
横で聞いていたアキレスは「見損なうな!敵に味方するアキレスと思うか!!」と激昂し、一度はXライダーを破ったことのあるプライドの高さを見せ付けるが、「アキレス、折角蘇った命、大事にしたいとは思わないか。」、「GODの怪人でも命は大切だ。」、「それにお前ほどの男がアポロガイストに使われているのは惜しいと思うが…。」と云われた途端、「当然だ!よーし御前達に加勢するぞー!!」と息巻いた。何て単純な奴なんだ……。
元々アポロガイストに殺された経歴を持つアキレスを使うアポロガイストにも問題があると思う。
デストロン最後にして最悪の大幹部ヨロイ元帥。実力も残虐性も充分で悪役として理想的である。
ムシのいい奴 仮面ライダーV3 最終話「デストロン最後の日」
その信念は自分の地位と命を守り通すことにあり、その為に若く有能な科学者・結城丈二を平気で殺そうとし、それがためにライダーマンが誕生した。誠に理想的な悪役だが、その最期は情けない。
最終回も終盤、ヨロイ元帥は貴重なプルトンロケットを失ったとはいえ、もはやライダーマンもなく、V3も罠に嵌め済みだった。安心して日本占領の事前儀式として少年ライダー隊の処刑を執り行おうとするヨロイ元帥だが、罠に嵌めた筈のV3と立花藤兵衛が現れ、ザリガーナとなり戦うもV3フル回転キックを受け、重傷を負った。
さあ、数々の悪行の末どんな最期を見せてくれるのか?と期待は高まる。ドクトルG(千波丈太郎)、キバ男爵(郷B治)、ツバサ大僧正(富士乃幸夫)といった歴代幹部が捨て台詞の後爆死してきたが、さすがに<ヨロイ元帥は何とか立ち上がって逃走するしぶとさを見せる。追うV3。
ところがヨロイ元帥が逃げ込んだのはデストロン首領の隠れ家。そしてマイクに向かって、超情けない声で、「首領!私を見捨てないでくれ〜!!」……………をひをひ、いくら助かりたいからって、敵を首領の元に連れて来て「見捨てないでくれ」はないでしょう(苦笑)。案の定、「未練者め、もう御前に用はない!」という首領の一言で、悲鳴をあげて爆死するヨロイ元帥…。
この時、首領の酷薄さを際立たせる為か、V3が「デストロンの首領・・・大幹部までも…。」と云う台詞を発しているが、ヨロイ元帥を殺した事で首領を残酷とする声は少ない(笑)。
そして首領もV3に倒されデストロンは滅びるのだった。
七人の仮面ライダーが日本に素顔で勢揃いし、ショッカーからデルザーまでの組織を裏で糸引いていた大首領が倒されるという栄えある第一期の完結話のこの作品も冒頭の正義と悪のやり取りはかなり笑える。
態度豹変す 仮面ライダーストロンガー 最終話「さようなら 栄光の七人ライダー」
デルザーの改造魔人も三人を残すのみとなり、1号、2号、ストロンガーはそれぞれヨロイ騎士、マシーン大元帥、磁石団長と三者三様の一騎打ちをしている所から始まる。
ストロンガーは磁石団長を、1号はヨロイ騎士を気絶させ、捕虜とし、一人苦戦する2号の元に駆け付ける。そこで1号はマシーン大元帥に「動けば仲間の命はない!」と叫び(←あのね)、降伏を迫った。
2人の改造魔人は「マシーン大元帥助けてくれぇ。」、「俺達を見殺しにしないでくれぇ」と必死に命乞いをした。
「それでも栄光のデルザー改造魔人か!」と怒鳴られて返す磁石団長の台詞は>、「そんな冷たいこと云うなよ。」である。まあここまではいい。
命に執着する悪者キャラクターはなんぼでもいるし、誰だって命は惜しい。また、この直後にヨロイ騎士は磁石団長に「もう諦めよう。」と弱気ながらも幾ばくかの潔さを見せ、磁石団長も「そうするか。」といってうな垂れた。
ところが、マシーン大元帥が先にデルザーが捕らえたV3、ライダーマンのことを告げるとヨロイ騎士は狂喜して、「そーだ、そーだ、捕まっている2人と交換してもらおう!」と勝手に話を進め、磁石団長に至っては「やい!ストロンガー!早く縄を解け!」と云い放ち、すかさずヨロイ騎士も「グズグズするな!」と大威張り。よくもまあ恥ずかし気もなくここまででかい態度が取れたものである。
更に2人の豹変振りは続いた。後少しで束縛から解放されようというときにXとアマゾンが現れ、更に2人に救出されたV3、ライダーマンが現れ、全員集合したライダー達の前にデルザー壊滅の危機となり縛られたままの2人は「デルザー軍団もこれで終わりか…。」と再び諦めの色を見せる。
そこへ岩石大首領が目から怪光線を放ち、ライダー達の周囲に爆発を起こしまくり、三人の改造魔人は寸での所で遁走する。消えた改造魔人達の行方を訝しがるライダー達の耳に高笑いが響く。「見たか七人のライダーども、デルザー軍団今だ滅びずだ!」……ここまで強気弱気の落差の激しい奴は珍しい。
ライダー1号、ストロンガーに2人の改造魔人を人質に取られたマシーン大元帥は先に捕らえたV3とライダーマンとの交換を申し出、1号も不承不承これに応じようとした。
威張るな 仮面ライダーストロンガー 最終話「さようなら 栄光の七人ライダー」
ところがそこへXライダーが現れ、「その必要はない!」と云い、逆方向から現れたアマゾンが「あれを見ろ!」と上方を指差す。そこには捕らえられていた筈のV3とライダーマンがいた。
「無事だったのか!」と喜ぶストロンガー、逆に切り札を失い動揺するデルザー改造魔人達、そしてV3は「Xライダーとアマゾンがなぁ…、」と云い、それに続けてライダーマンが「地下牢から助け出してくれたのだ!」と胸を張って云い放った。
おいおい、他人に救出された身で大威張りはないんじゃないの?御二人さんよぉ。
見事なプライド喪失
仮面ライダーアマゾン 第12話「見たゲドンの獣人改造室」、第14話「十面鬼死すそして新しい敵」 ゲドンの首領・十面鬼ゴルゴス(声:沢りつお)は残忍な首領である。アマゾンに敗れて帰ってきた獣人達を片っ端から処刑した。
そんな十面鬼が第12話にして初めてアジト内でアマゾンと対峙した。トゲアリ獣人を倒された十面鬼は体を上昇させアジトを放棄して逃走するが、その時アマゾンに向かって、「アジトはまだまだある。獣人はまだまだいる。」と強気な態度を見せる。
ところが次の週で獣人ヘビトンボが行方不明になり、そのまた次の週で帰還したヘビトンボに「ゲドンの獣人で頼りになるのは御前だけになってしまった。」と滅茶弱気。
それにしてもたった1人しか獣人が残っていないのによくアマゾンに「まだまだいる。」と云えたものである。敵に対して弱味を見せない、と云うのならまだ分かるが、獣人に対する豹変振りはプライドを疑われる。
結局、この話で十面鬼はアマゾンとヘビトンボ2人掛かりの攻撃で最期を遂げるのであった。間抜け………。
上司にしたくない奴WORST10 組織を束ねるのは大変なことである。優秀な人材がいくらいても指揮者が無能だったら作戦は失敗するし、気分屋だったらどんなにいい成果を上げても安心できないし、罰則がきついと失敗と同時に逃げ出したくなる。
こうなると同じ仕事をするにもやる気が違う。そこでここでは正義、悪に関係なく単純に上司にいると大変だと思われる奴を十人ピックアップした。
順位 名前 番組 組織名 肩書き 特徴 10 ダロム 仮面ライダーBLACK ゴルゴム 大神官 怪人は使い捨てとしか考えていない 9 モロボシ・ダン ウルトラマンレオ MAC 隊長 ゲンに対するシゴキはイジメとしか思えない。隊員達にも理由を明かさない。 8 アポロガイスト 仮面ライダーX GOD 秘密警察第一室長 褒めることを知らない。自分の再生手術をした2人の博士を平気で殺す。 7 魔神提督 仮面ライダー(スカイライダー) ネオショッカー 大幹部 裁判で「死刑」と云うのを躊躇うだけで斬られる。 6 ジェネラル・シャドウ 仮面ライダーストロンガー ブラックサタン 雇われ幹部 直立不動で整列するのをよそ見しただけで「態度が悪い」と云って首を刎ねる。 5 十面鬼ゴルゴス 仮面ライダーアマゾン ゲドン 首領 獣人吸血コウモリの処刑を彼の配下の吸血蝙蝠にさせるなどとても残忍。 4 ゼロ大帝 仮面ライダーアマゾン ガランダー帝国 王の影武者 「作戦が面白くない」と云って死刑を行う。 3 剣聖ビルゲニア 仮面ライダーBLACK ゴルゴム 世紀王候補 三神官が彼に貸した怪人は全て作戦遂行上の人柱にされた。 2 高倉長官 ウルトラマンA TAC 長官 欠陥ロケットで特攻させ、「そのまま突っ込め」と平気で云う。公私混同する性格からの発言。部下の竜隊長に殴られるのも当然。 1 タイタン 仮面ライダーストロンガー ブラックサタン 大幹部 ストロンガーをエレキイカとともにバズーカで砲撃。抗議されると「いいか<らそのままストロンガーを押さえろ。」と云う。
注意すべきはこの順位が「上司にしたときの生きた心地の無さ」を基準にしていると云うことである。人物的好感度は別物である。
第10位の大神官ダロムは人類を滅ぼした後、その汚染された文明を海に捨てよう、と云い、同じ大神官のバラオムが「海を出身とする怪人はどうなる?」と問うと「怪人なんてどうせ捨て駒」といい、立ち聞きしていたクジラ怪人の裏切りを招く。
ゴルゴムの怪人の中にはゴルゴムの為に世界中の海で三万年も修行したベニザケ怪人みたいな奴もいた。こいつがこの時生きていてこの話を聞けばダロムはその場でベニザケ怪人に殺されたのでは?と思ってしまう。
第9位のモロボシ・ダン(森次晃嗣)は初期のウルトラマンレオが弱かった頃に鬼のような特訓を課した。その中には「素手で滝を斬れ。」と云った無理難題から、敵の攻撃を模す為にジープでゲンを追いかけ回すものまであった。
しかも怪人が街で暴れていてもゲンに特訓させ、戦闘に参加させないので、他の隊員のゲンに対する風当たりも強くなり、MAC内でゲンが孤立すると云った悪循環まであった。しかもそこまでゲンを特訓させる理由を他の隊員に云わないのでますますたちが悪い(勿論目的あっての事だが)。
平和なときは女子隊員の誕生パーティを開くなど基本的には優しい男(何と云ってもウルトラセブンだ)なのだが、少なくともしごかれたくはない。
第8位のアポロガイストはGOD秘密警察第一室長の職にあり、作戦に当たる神話怪人の叱咤激励や助力、失敗した者の処罰などを行うが、成果があっても「当然」で、失敗したものに厳しい。
もっとも、対象者はアポロガイストの部下ではないので(呼び捨てにしているし)、厳密には上司ではないが部下である秘密警察の連中にも厳しく、Xライダーに逃げられた警官を処刑されている(当たり前か…)。
しかし自分の再生改造手術を行った2人の博士まであっさり殺すぐらいなので、部下達は尊敬してはいるようだが、日々生きた心地がしなかっただろう、気を遣うのもよく分かる(側近は不機嫌そうなアポロガイストにわざわざコーヒーを持って来ていた)。
第7位魔神提督は前任のゼネラル=モンスター(堀田真三)を爆殺するのが初登場シーンで、その性格は無能者が大嫌いである。
それ以上に自分の意にそぐわない意見を出す者が大嫌いで、作戦失敗者のプロフェッサー・ドクの裁判の判決を5人の裁判官に問うたとき、「死刑」と即答せず、ためらいを見せた裁判官を即座に斬り殺している。勿論残る裁判官は大慌てで「死刑」と即答した。
これでは裁かれる側は勿論、裁く側もたまったものではない。一応有能な奴は大いに褒めていることだけ付け加えて置こう。
第6位のジェネラル・シャドウは卑怯なことを嫌い、それでいて自分は簡単には嵌められない有能な男である。しかし情けは欠片も無い。
自分に逆らう者を殺すのは当然だが、ブラックサタンの雇われ幹部として着任した日、出迎えの戦闘員が余所見をしたのを見て首を刎ねて一言、「態度が悪い。」……これでは生きた心地がしない。真面目に忠実に努めている分には無難な上司の様だが。
第5位の十面鬼ゴルゴスは気分屋・アホ・残忍の三拍子が揃っている。
人肉を食いたい為にわざわざ<獣人を派遣するし、無茶な作戦を命じる上に失敗すると容赦が無い。
失敗した者を即処刑する上司はよくいるが、こいつの処刑は手が込んでいる。火焙りにされたクモ獣人はまだいい方で、モグラ獣人は日干しにされかけたし、自ら生んだカマキリ獣人にはアマゾンに敵わないと悟ると自決する本能を組み込んでいたし、獣人吸血コウモリに至っては彼の配下である吸血コウモリに彼を食わせるという残酷な方法で処刑している。
彼の部下になったら失敗と同時に逃げよう。或いは獣人ヘビトンボの様にアマゾンライダーに協力してゴルゴスを倒すかである。
第4位はガランダー帝国のゼロ大帝(中田博久)。正確にはゲドンを初めとするすべての悪の組織を裏で糸引き、謎の支配者にしてガランダー帝国の王者として君臨していたのが真のゼロ大帝で、ここで触れるゼロ大帝は獣人の指揮・処刑を行っていた「影武者のゼロ大帝」のことをいう。
作戦失敗者の処刑は勿論、新計画を立案した作戦本部付の黒ジューシャ達を「研究不足、面白くない、滅んだゲドンと同じ。」と云って全員処刑している。立案段階で殺されたのではたまった物ではない(しかもその理由が「面白くない」……)。
しかもこいつは最終回で始めてアマゾンと対峙したときにアマゾンに「よくもワシの可愛い獣人達を次々と殺してくれおったな。」と云っている。自分も散々殺しておきながら…。
第3位は剣聖ビルゲニア(吉田淳)。世紀王(次期創世王候補)でかつては三神官達を自慢の剣の腕でひれ伏させた実力者でもあったのだが、三万年早く生まれた為に創世王の証のキングストーンを与えられず、棺の中に閉じ込められると云う過去を持ち、利用される為に目覚めさせられる。
そのためその性格はかなり破綻し、同じ世紀王のライダーやシャドームーンに対する憎しみも深く、三神官にも上辺だけの敬意を払った。
本題に戻ると直属の部下を持たず、いずれは全員が自分の家来になると思っているので、ほんの一時自分の指揮下に入っただけの怪人(神官達からの借り物)さえも平気で犠牲にした。ライダーを倒しかけた怪人の前に現れ、「止めは俺が刺す。」と云って自分に尽くした怪人を斬ったほどである(勿論斬られた事に何の意味もなかった)。
バイトでもこいつの下には付きたくない。シャドームーンに敗死したのを見てほっとしたのは三神官だけではないだろう。
第2位は正義のチームの長官の地位にありながらこんなワースランクに入り込んだTACの高倉長官(山形勲)だ。1回だけの登場だが、ゴルゴダ星にいる敵をウルトラ兄弟諸共爆殺するという残忍な計画を立てた。
これまでウルトラ兄弟に地球を救われたことをたてに北斗星司(高峰圭二)が中止を求めたのを突っぱねたばかりか、反論に報復するかのように北斗に対して、命を落とすかもしれないその任務を命じた。
当の本人は「適性検査の上でのコンピューターによる人選だ。」と云っていたが、先の反論を根に持ってのこと、と普段北斗と仲の悪い山中(沖田駿一)にすらそう断言されていた。
つまり、こいつは思い切り公私混同するのである。しかも光速を越えて異次元に突入する有人ミサイルが欠陥品で脱出装置が不可能となると竜隊長(磋川哲朗)がミサイルごと戻って来いというのに対し、高倉は「そのままゴルゴダ星に突入せよ(つまりは死ね)」というのである。公私混同も人命を軽んずるようでは明らかに行き過ぎである。
しかもこいつは正義のチームに所属しているのにである。ランクインは当たり前である。ちなみにこの後しつこく突撃を命じた高倉は竜に殴られ、山中に摘み出された(失笑)。
そして第1位に輝いた(否、燻ったと云うべきか?)のはブラックサタンの大幹部タイタンである。
目的達成の為に部下の命を顧みないお約束は勿論だが、これまでの幹部は作戦遂行上部下の命を犠牲にすることがあっても突発的なものか、或いは事前に云い含めて覚悟を促していたが、こいつの恐ろしさはそういう事を無視するに止まらない。
その顕著な例が奇っ械人エレキイカの悲劇である。エレキイカとストロンガーが組み合う中、タイタンはバズーカ部隊にエレキイカ諸共ストロンガーの砲撃を命ずる。これ自体はどってことなく(←そうか?) 、デストロンの大幹部ドクトルGもタイホウバッファローに再生怪人部隊と戦う3人ライダーの砲撃を命じていた。
ただ、両者の違いは砲撃命令に対する反論への対応に見られる。ドクトルGはタイホウバッファローが「味方を巻き込んでしまいます。」と云ったのに対し、「構わん!味方が死んでも仮面ラーイダ3人を倒せればいいのだ!」と云って、目的の重大さを前提にしていた。
ところがタイタンは誤射されていると思ったエレキイカが、「撃つな、味方だ、エレキイカだ!」と抗議すると「いいから、そのままストロンガーを押さえていろ!と命じ、「何だとー!俺まで一緒に殺す気か!!??」と云われると、「御前は初めからその役目だ、撃てー!!」と云って、更なる砲撃を命じ、エレキイカはタイタンを罵りつつ爆死した。
タイタンの部下になったら、作戦全貌を事前に調べ上げるようにしよう。スパイ行為と見なされて処刑されても、非も無いのにハナから死ぬことを前提とした計画で死ぬよりマシだろう。
これにてオシマイ。次は『帰って来た菜根版怪獣VOW』で御会いしましょう。
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