第1頁 結託部族の特徴と構成員−キバ一族

File1.キバ一族
族長キバ男爵
活動拠点アフリカ・コンゴ川上流→日本
登場期間第31話〜第35話
宗教ドーブー教
構成員ドクロイノシシ、オニビセイウチ、ユキオオカミ、原始タイガー、吸血マンモス
戦歴
数百年前 アフリカ・コンゴ川上流にドーブー教誕生。
1901年 シベリアにて帝政ロシアの男爵家に後にキバ男爵(郷B二)となる男児誕生。
1917年 キバ男爵、ロシア革命によりアフリカ・コンゴ川上流に渡り、ドーブー教に入信。
1973年9月8日 デストロン第2次攻勢の為、首領(声:納谷悟朗)よりデストロン日本支部第2大幹部に就任。
1973年9月15日 ドクロイノシシに山梨県小渕沢の村落を支配させんとするも失敗。
1973年9月22日 オニビセイウチに鬼火沢にて少年仮面ライダー隊全滅を図らせるも失敗。
1973年9月29日 人工光化学スモッグによるテロを企画し、障害となる風見志郎(宮内洋)をユキオオカミに捕らえさせることに成功するも、帰国した仮面ライダー1号・本郷猛(藤岡弘)、仮面ライダー2号・一文字隼人(佐々木剛)に阻まれる。
1973年10月6日 キバ一族の母なる魔女・スミロドーン(原始タイガー)を復活させ、3人ライダーの獲殺を図るも失敗し、キバ一族の祭壇を自ら破壊。
1973年10月13日 キバ男爵自ら吸血マンモスに変身して「日本頭脳改造作戦」を敢行するも、仮面ライダーV3に敗れ、キバ一族滅亡。


対仮面ライダーV3戦線
 ドクロイノシシが謀略で、ユキオオカミがウルトラブリザードの不意打ちで、原始タイガーが正面切っての戦闘で仮面ライダーV3・風見志郎を捕らえるのに成功している。特にユキオオカミ原始タイガーの戦闘能力は高く、前者はライダー2人を相手に、後者に至ってはトリプルライダー相手に互角以上に戦った(勿論最後には敗れたが、過程を見れば十分強いことが分かる)。
 特に原始タイガーの強さに比肩し得るとしたらサイタンクぐらいではないかと思われる。

 またキバ男爵自身、仮面ライダー1号をして「恐るべき魔法使い」と云わしめる呪術能力を持ち、2号ライダーと共に帰国することを決意せしめた。少なくとも1号2号の帰国が無ければ第33話にてV3・風見志郎が落命していたであろうことは想像に難くない(本人は余り強くなかったが(苦笑))。

 呪術と同族意識の高さを併用し、膂力においても強力な面々を擁していたキバ一族最大の不幸は人員の少なさと、トリプルライダーを相手にする羽目に陥ったことだろう。否、トリプルライダーが終結する必要があったことこそキバ一族の剛力さを表していると云えよう。


特徴
 部族名の通り、「キバ」を武器・特徴としている。ドクロイノシシの牙は人間を白骨化させるほどの毒性を持ち、『仮面ライダーSPIRITS』にてライダーマンをして、「貴様との接近戦は御免だな。」と云わしめた。
 ユキオオカミの牙は噛んだ相手を「呪いの血」で獣人化させ、吸血マンモスの牙は火炎弾を発射した。また、牙との因果関係は不明だが、ユキオオカミは猛吹雪・ウルトラブリザードを、原始タイガーは火炎を吐くなど、口を武器としていた。
 ついでを云うと原始タイガー爆笑物のスタイルを持つ牙型バイクに搭乗していた(『仮面ライダーSPIRITS』によるとその突進力はカマクビガメが持つ甲羅の頑丈さと互角)。

 身体能力以上にキバ一族について特筆すべきは「同族意識の強さ」だろう。
 一族の改造人間達はキバ男爵に対して特に敬語を使うでもなく、瀕死の重傷を負ったオニビセイウチに対してキバ男爵はこれを手厚く看取り、首領がスミロドーンのことを「女の身で大丈夫か?」と、吸血マンモスとして志郎と対峙した際には「キバ一族の恨み」を口にし、同胞達の無念に報いんとの気持ちを露わにしていた。
 昭和の悪の組織にあっては極めて稀有な例と云えよう

 最後に触れたいのは呪術色である(戦闘員の武装にも反映されていた)。
 ドーブー教(←恐らくはゾンビで有名なカリブのブードゥー教のもじりだろう)は悪霊崇拝の邪宗で、古来より人間の生き血、時には人間そのものを生贄とした儀式で祈祷、呪術、魔術を駆使し、人を呪殺したり、天災を起こしたりした。
 特にキバ男爵何故かロシア帝国の男爵なのにドーブー教の大魔術師の血を引いていて(笑)、太鼓を鳴らしてドクロイノシシにパワーを与えたり、キバ一族の母なる魔女・スミロドーンを復活させたり、藁人形を用いて政府要人を苦しめたり、と現場には最後まで出なかったが、アジト内ではふんだんに動いていた。
 逆を云えばそのカラーが強い故に、それが失われた際には弱体化した。またスミロドーン=原始タイガーの死と共に呪いの祭壇を自ら破壊したところをみると、呪術には生贄を初めとする大きな代償が必要な様で、諸刃の剣的な要素があったのだろう。


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令和三(2021)年六月一〇日 最終更新