短命の結託部族

結託部族とは?
 『仮面ライダーV3』の宿敵は主題歌にても「敵」と明記されているデストロンである。思えば、ショッカーゲルショッカーの首領が「最後の組織」と称して編成したこの組織は多彩な組織であった。
 ショッカーが人体に動植物の能力を移植した「改造人間」を輩出した(例:ジャガーマン)のに対し、ゲルショッカーは2種類の動植物の能力を移植した「合成改造人間」を輩出した(例:イソギンジャガー)。
 そしてデストロンは動植物の能力と様々な器具の性能を移植した「機械合成改造人間」を輩出した(例:ハサミジャガー)。だがこの機械合成改造人間による攻勢は第30話におけるドクトルG (仙波丈太郎)=カニレーザーの戦死と共に終了し、その後から幅を利かせ出したのが「結託部族」だった。

 『仮面ライダーSPIRITS』によると、ドクトルG 率いる機械合成改造人間軍団は「デストロン最大勢力」とされていたところからすると、結託部族は名前の通り、それこそ部族単位の少数組織がデストロンの一派を成していたことが伺える。
 逆を云えば結託部族は勢力としては大きくなく、登場した3つの部族を統合しても数の上では機械合成改造人間軍団に劣るのだから、部族ごとに見れば更に矮小である。しかしながら彼等は零細勢力でありながら個々に仮面ライダーV3を苦戦させ、存在感においても決して他の組織や機械合成改造人間軍団に劣っていない。

 改造人間総数にして18体、期間にして第31話から第52話までの22週。決して大勢力でもなく、長期とも云えない結託部族が仮面ライダーシリーズの歴史にここまでの存在感を成している要因や魅力を検証してみたい。

 次頁より、各結託部族を個々に紹介したいが、簡単に共通項目を下記に記したい。
・身体の一部(牙、翼、鱗、甲羅)を優れた装備とした生物の改造人間で構成。部族名の由来ともなっている。
・宗教色が強い(例外:ヨロイ一族
・構成員の数は少ない。
・首領への忠誠度は微妙。

 勿論度合いはそれぞれに異なるし、多少の例外もあるが、概ね上記の共通点を持つと捉えた上で個々に結託部族を見て頂きたい。


第1頁 結託部族の特徴と構成員−キバ一族
第2頁 結託部族の特徴と構成員−ツバサ一族
第3頁 結託部族の特徴と構成員−ヨロイ一族
第4頁 何故、「短命」だったのか?
最終頁 今尚強烈な存在感




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令和三(2021)年六月一〇日 最終更新