第1頁 どくろ怪獣 レッドキング………怪獣王、ここに在り

King File.1
怪獣名レッドキング
肩書どくろ怪獣
出身地地球・多々良島
初登場『ウルトラマン』第8話「怪獣無法地帯」
キング度
キング要素対怪獣戦好成績


概要 ウルトラシリーズで「具体的に強い」と設定された初の怪獣である。
 その容姿は直立した恐竜で、見るからに力に物を云わせて横暴に振舞う暴君的なイメージが似合い、実際にそのように行動する怪獣である。蛇腹状の腹部・脚部を持ち、円錐状の頭部を持つ。
 「脳筋」・「馬鹿力」・「暴れん坊」を絵に描いたような怪獣で、初出の『ウルトラマン』第8話「怪獣無法地帯」でも、再登場となった同作第25話「怪彗星ツィフォン」でも、他の怪獣相手に大立ち回りを演じた。

 怪力を利した剛腕を振るい、大岩を持ち上げてそれを相手にぶつけるのが主な攻撃方法。だが怪力を誇る敵役に有りがちだが、オツムの方は怪力と正反対の弱さで、スペシウム光線で打ち落とされた大岩を自分の足に落として飛び跳ねていた(←この痴態を「愛嬌がある。」として好む特撮マニアは少なくない)。
 凡そ行動に思考という物が見られず、第25話では水爆を呑み込んだことでウルトラマンがスペシウム光線を放つことを躊躇っていたが、レッドキングが対スペシウム光線への方策として呑みみ込んだ……………とは誰も考えないよなあ(苦笑)。

 結局、対怪獣戦では圧倒的なパワーを見せつけたが、ウルトラマンに対しては然程善戦したとはいえず、第8話ではウルトラ一本背負いで倒され、第25話ではウルトラ念力で空中に拘束されたところに八つ裂き後輪を食らって身体を3分割され、水爆を呑み込んだ頭部は宇宙に運ばれ、処分されたのだった。


怪獣としての立場  まともに論述すればレッドキングだけで一つのサイトが出来てしまう、それ程レッドキングの存在感・知名度は、ウルトラ怪獣全体は勿論、『ウルトラマン』に登場した怪獣達と比べても群を抜いている。このようなサイトを見て下さる方の中に、「レッドキング?何それ?美味しい?」という人はまずいないと思う。宇宙忍者バルタン星人宇宙恐竜ゼットン悪質宇宙人メフィラス星人棲星怪獣ジャミラ古代怪獣ゴモラと比べても遜色ないだろう。

 冒頭で、「まともに論述すればレッドキングだけで一つのサイトが出来てしまう」としているのも、他のシリーズにおける再登場も数多いからで、EXレッドキングといった派生した存在も登場し、その剛腕力はウルトラマンビクトリーの能力に活かされている程で、「レッドキングは怪力怪獣の代表に収まっている。」と云っても過言ではないだろう。




注目の「キング」要素 いきなり「レッドキング大好き!」と叫ぶ特撮ファンを敵に回しかねないことを述べるが、シルバータイタンはレッドキングを然程強いとは思っていない。

 確かに第8話では有翼怪獣チャンドラーの右翼を力任せに引き千切り、その暴れ振りに地底怪獣マグラーが完全にビビっていた。続く第25話でも、彗星怪獣ドラコの羽根をむしり取ってプロレス技まで駆使して殺害し、返す刀で冷凍怪獣ギガスをボコボコにして、ギガスも堪らず逃亡した。
 確かに、「対怪獣」・「怪獣同士」という視点で見れば、他の怪獣を膂力で圧倒していた。だが、ウルトラマン相手には大して善戦したとは云えず、一本背負いで倒されたことからして、ウルトラマンには得意の膂力で劣っているとすら云える。
 まあ、ウルトラマンの体重が3万5000tで、レッドキングのそれが2万tであることを考慮すると、体重40kgの小学校高学年が体重70?の平均的体格の成人男性に相対するようなもので、体重差では圧倒的不利であることを忘れてはならないだろう。「対ウルトラマン」という視点で見れば、完敗も止むを得ないだろう。

 ただ、誤解しないで頂きたいが、何もシルバータイタンはレッドキングをディスりたい訳では無いし、ウルトラ怪獣全般における存在感、特に「如何にも怪獣然としたありよう」は大いに認めている。
 確かにウルトラマン相手には善戦すら出来なかったが、怪力に特化した脳筋キャラとしての在り様にはコミカルさも伴い、他の怪獣を次々と圧倒した雄姿は根強いインパクトを持っている。勿論特撮ファンの人気も高い。
 レッドキングの腕力を、「ダイナマイト1万発分」とする設定を知る方も多いだろう。柳田理科雄氏の『空想科学読本2』での試算によると、このパンチ力は故ジャイアント馬場91億人分の力に匹敵し、100万馬力(←ジャイアント馬場4万5000人分)のを持つウルトラマン2万人をノックアウト出来る、とされていた。同書では他にも様々なヒーロー、怪獣の力が「ジャイアント馬場〇人分の力=〇ジャバ」で換算されていたが、その中でも筆者の柳田氏がいの一番にレッドキングの例に触れ、「こんな奴が中間管理職にいたら、肩たたきにあった瞬間体は蒸発してキノコ雲と化す」などと例示していたのも、レッドキングの持つ存在感故であろう。


 惜しむらくは、レッドキングが圧倒した怪獣がもっと強さを見せていれば、レッドキングの強さも「キング」に相応しく際立ったことだろう。レッドキングの圧倒したギガスマグラーは科学特捜隊によって倒されており、ウルトラマンとは干戈すら交えなかった。チャンドラーは逃げてそれっきりで、ドラコも再登場時に科特隊に倒され、後年カプセル怪獣アギラに完敗していた。これらの怪獣達がウルトラマンを苦戦させたり、街中に甚大な被害をもたらしたりしていれば、レッドキングは「キング」に恥じない王者振りを誇れただろうし、実際、怪獣間における戦歴だけで見ればそのように云えなくもない。
 ただ、他の怪獣達が弱過ぎた故に、「レッドキング=ジャイアン、ドラコチャンドラー=スネ夫、マグラーギガス=野比のび太」との図式がシルバータイタンの頭から離れ切らないことを御勘弁頂きたい(苦笑)。
 だが、それでも、レッドキングが他の怪獣を次々と圧倒した最初の存在=先駆け者故にそのインパクト・イメージが薄れることは半永久的にないだろう。例えるなら、「キング」=「王」の中でも、「建国王」の強みをレッドキングは持っていると云えよう。何事も「初めて」を振られた者は得である(笑)。




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令和七(2025)年一一月一三日 最終更新