Act1.第20話 2人の仮面ライダー もう1人はだれだ!〜第21話 ストロンガー登場 2人ライダー対強敵2怪人




注目登場人物:ダム警備所長(相馬剛三)


客演ライダー:仮面ライダーストロンガー(声:池水通洋)


ストーリー概要:魔神提督(中庸介)がインドから招聘したサイダンプによるダム破壊と、当なんアジアから招聘したクラゲロンによる毒子クラゲばら撒きによる大量殺人の二つのテロを同時敢行する事でスカイライダーが体一つでは双方を防げない事を目論む。
 だが、クラゲロンを追って来た仮面ライダーストロンガーがスカイライダーに加勢し、スカイライダーに新必殺技までマスターさせて2対2の戦いで同時テロに挑む。


役割:ダム破壊のスペシャリスト・サイダンプに目をつけられたダムの警備所長相馬剛三の役所。
 水源にして発電源であるダムを守る事に並々ならぬ使命感を燃やす所長。彼はサイダンプ達の潜入に対しても完全に察知し得なかったとは云え、気配を嗅ぎつけ即座に様子見に書けつける様は部下の井本が「働き過ぎ」と窘める程。
 その所長の活躍は仕掛けられたダイナマイトの察知、起爆装置の除去、サイダンプに殴られた井本の救助、と職務上の事ながら多岐に渡り、「ダムを守る。」という使命の為には異形の怪人を前にしてさえも毅然としていた。


注目点: 少しの異常も即座に対応せんとする所長の行動力は抜群で、サイダンプのダイナマイト設置を目撃して殴られて重傷を負った井本がうめきながら指差したダイナマイトを見つけるや、一人で起爆装置を短時間の内に外して回ってしまう。
 井本を介抱しようとして(恐らくは医務室に)連れていく途中でダイナマイトの不発を確かめに来たサイダンプに遭遇した所長は除去したダイナマイトの行方を白状するよう脅されても、「殺すなら、殺せ。死んでもダムは守る!」と決然と云い放った。
 勿論初老の所長に改造人間であるサイダンプに腕力で抗する術はないが、テロリストの脅迫混じりの詰問を拒否する姿勢に全く迷いがなく、さりながら息子達を人質に取られた時の狼狽振りも一人の父親役としてなかなかに見事だった。
 勿論怪人退治そのものはライダー達の役割だったのだが、ストーリー的に見てもこの所長の毅然とした拒絶が時間稼ぎになってスカイライダーによるサイダンプ迎撃が為され、ダムは守られた。
 スカイライダーは所長の息子・キヨシとその友達に所長が命懸けでダムを守り通した立派な人物であると褒め称えて、父を労うよう告げ、事情を知ったストロンガーも静かに称賛の言葉を呟いた。

 相馬剛三氏は少し寂しげな好々爺がストーリーの流れの中で激昂する役所を好演する俳優で、「特捜最前線」では何度も容疑者・被害者・目撃者・通りすがりと云った多数の目立たずともストーリーの流れを成す役を演じ、貢献している。
 「仮面ライダー(スカイライダー)」のこの回でも父の職場であるダムの案内を息子にせがまれた際に所長は「ダムの中なんか見ても面白くも何ともないぞ。」と云いながらも、尊敬する父が懸命に守るダムがどんな物か知りたいと云われて案内に応じるや、「面白くも何ともない(所長談)」筈のダムを熱心に解説する様も見物だった。
 記念すべき―素顔が出ないとは云え―客演第1号・仮面ライダーストロンガーの登場と、新必殺技・大回転スカイキックの存在に目が奪われがちな二部作だが、一般人の中に世の為、人の為死も恐れない(死を恐れるのが悪い訳ではない)使命感高き人物がいて、Wライダーの活躍が映えている事をライダーファンだからこそ忘れてはならないとシルバータイタンは思うのである。


 

次頁へ
前頁へ
特撮房へ戻る

令和三(2021)年五月一二日 最終更新