客演−ライダーのみにあらず
シルバータイタンは考えた
このコーナーの制作に着手する直前、2006年1月18日現在、「仮面ライダークウガ」に始まる、所謂平成ライダーシリーズに歴代ライダーの客演は見られない。
菜根道場BBSでも賛否両論あるが、
「客演には客演の良さがあり、行き過ぎれば作品の独自性を殺ぐ。」
というのが多くの人々に共通する所ではないだろうか?
その時自ずと参考にしてしまうのが、「仮面ライダー(スカイライダー)」と「仮面ライダースーパー1」で、両者の両極端性が余りにも対照的だ。
「仮面ライダー(スカイライダー)」は歴代仮面ライダーの客演が最も多いシリーズとなり、当該作品が「仮面ライダー」の復活番組でもある事から歴代ライダーの再登場を望む古きファンのニーズ(またはかつてのライダーを知らない世代のそれ)に応えたのはナイスなのだが、只でさえ原点回帰で1号・2号との差異が少ないスカイライダーを目立たない存在にした難は否めない。
筑波洋を演じた村上弘明氏が長年、スカイライダーを演じた過去に触れたがらなかったのも「歴代ライダーの前に主役である筈の自らが軽んじられたと見たからでは?」との説も根強く語られている。
その反動もあってか、番組の独自性を重んじてか、後番組である「仮面ライダースーパー1」には客演が全くなかった(←特番を除く)。
だが両番組を通じて「第二のおやっさん」とも云える谷源次郎(塚本信夫)の存在がライダー史の構成に果たした役割を考えると「仮面ライダー(スカイライダー)」の最終回でネオショッカー大首領とともに大空に消えたスカイライダー・筑波洋を始めとする8人ライダーと谷の再会が丸で描かれなかったのは余りにも寂しい(塚本氏亡き今、新に描かれる事はもうないのであるから…)。
「仮面ライダーV3」、「仮面ライダーX」、「仮面ライダーストロンガー」で帰ってきた歴代ライダーとの再会を満面の笑みで向かえる立花藤兵衛に微笑ましいものを感じる人々には尚更だろう。
殊に本郷猛(戦死と見せかけて消息を絶つ)、一文字隼人(本郷同様に消息を経つ)、風見志郎(デストロン壊滅後、挨拶無しで旅立つ)、結城丈二(プルトンロケット爆破に邁進して消息を絶つ)、神敬介(キングダークと供に爆死したと見せかけて、置手紙をおいて去る)、と行った連中がロクに挨拶もなく生死さえ殆ど明確にせずに藤兵衛を心配させまくった末に旅立った経緯(笑) を考えると谷源次郎とライダー達の再会は描かれて欲しかった。
さてそこでシルバータイタンが改めて注目したのは「仮面ライダー(スカイライダー)」における客演である。
同番組全54話中他の仮面ライダーが客演する話は19話あり、素顔のライダーが出る話に限っても13話ある。余談だが、先輩ライダーに接するスカイライダーの態度はライダー変身体同士か、素顔同士かでかなり異なるのが笑える(笑)。
全話の三分の一近くに客演があるとスカイライダーの個性が殺がれ、誰の為の番組であるか釈然としないものにしてしまう、更には扱いを誤るとせっかくのゲストを格の低いチョイ役に終らせかねない危険をも持つ(特に「スカイ」における2号とアマゾンの存在感の差はかなり大きいだろう)。
そしてそれ故にシルバータイタンが考えたのは、
「歴代ライダーの客演も嬉しいが、それぞれの話が決して客演ライダーだけに依存した物ではない事を立証したい。」
との念だった。
そこで「仮面ライダー(スカイライダー)」で歴代ライダーの客演を持つ19話に登場するライダー以外のその話限りの登場人物に注目してみたのがこのコーナーである。
以下の拙作にライダー、悪役、レギュラーだけが番組を盛り立てる要素ではない、ライダーの名に隠れた素晴らしい客演者がいることを実感して頂ければこれに優る喜びはない。
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特撮房へ戻る令和三(2021)年五月一二日 最終更新