Act4.第27話 戦車と怪人II世部隊!8人ライダー勢ぞろい!〜第28話 8人ライダー友情の大特訓




注目登場人物:泉田博士(佐々木一哲)



客演ライダー:仮面ライダー1号&仮面ライダー2号&仮面ライダーV3&ライダーマン&仮面ライダーX&仮面ライダーアマゾン&仮面ライダーストロンガー



ストーリー概要:悪の組織の恒例通り拉致してきて開発を強要して完成したバルチウム弾搭載の戦車で日本襲撃を図りつつ、裏では再生怪人達を怪人U世部隊として編成するネオショッカーの前に8人ライダーが初めて日本に勢揃いする。


役割:自身が拉致されただけでなく、一人娘も監視下にある為に泣く泣く破壊兵器の開発を強要されていた泉田博士は心ならずも一つの市を一発で壊滅させるバルチウム弾を完成させてしまうが、脱走して娘との再会を果たす。再度の拉致を試みるネオショッカーから逃走への執念が8人のライダーを交えての総力戦を招く。


注目点:「バルチウム弾なんて物騒なもん開発する前に脱走するか、開発を意図的に遅らせろアホ」と云いたくなるが、それを云ってしまってはストーリーは成立しない(苦笑)。
 さて、ストーリーの序章となる泉田博士の脱走だが、勿論開発が完成するまではネオショッカーも監視は厳重だろうから、一つの市を一発で吹っ飛ばすほどの完成度を前にして悦に入っている間隙を縫っての脱出とも受け取れるし、開発完了後に用済みとして口封じに殺される前の最後の最後に書けた一か八かの脱走とも取れるシチュエーションがストーリーに重みを見せている。

 泉田博士の娘をこっそり呼び出してまでの再会はしっかりネオショッカーに筒抜けになっていて、だがその娘が偶然筑波洋の知人・叶茂(白鳥恒視)と同級生だった為に、ともに囚われた茂の持つ発信機の発信源を追うスカイライダーによって救出された。
 はっきり云ってストーリー上の泉田博士の事実上の役割はここで終る。後は市を破壊するバルチウム弾を搭載した攻撃力を持つ戦車に搭乗したヒルビラン迎撃に世界各国の七人ライダーが全員集合し、攻撃力とは余りに対照的な脆弱な防御力を持つ戦車に寄って集っての攻撃を加え、戦車はヒルビランと供にスカイライダーの大回転スカイキックの前に破壊された。

 発明者である泉田が、苦戦するライダー達に戦車の弱点を指摘する展開などを期待したい所ではあったが、さすがに約4年ぶりのライダー全員集合とあっては泉田博士に活躍の余地が残される事を期待するのは無理があったかもしれない。
 だが燃え上がる戦車を見て8人ライダーに歓声を送る茂の横で命を救われた礼を(ライダー達が側にいなかったとはいえ)茂に述べる泉田博士の姿は微笑ましいものがあった。
 勿論茂には改造人間を倒す力も、戦車を破壊する力も有った訳ではない。云うならただの通信役だ。だが激しい戦いの中、愛娘の側にあって常に励まし続けてくれた明るい少年にこそ最大の賛辞を持ったのは、心ならずも人殺しの開発に携わらさせられた男の心を癒したから、と見るのは穿った物の見方だろうか?


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令和三(2021)年五月一二日 最終更新