Act6.第33話 ハロー!ライダーマン ネズラ毒に気をつけろ!!




注目登場人物:昭夫君



客演ライダー:ライダーマン・結城丈二(山口豪久)



ストーリー概要:ニューヨークの下水で培養した毒液を武器とするドブネズゴンを招聘した魔神提督はドブネズゴンにテロを命じる。そしてそれをスカイライダー・筑波洋とともにドブネズゴンを追って来たライダーマン・結城丈二が迎撃する。


役割:簡単に云えば殺伐とした毒液テロとの戦いに一片の心温まる余話を添えてくれている。一般に嫌われやすいドブネズミと毒によるテロにハムスターを可愛がる少年・昭夫君の存在は好対照である。


注目点:このサイトの主旨に反することを書くようだが、昭夫君の存在はストーリー的に重いものではない。だが、逆説的かもしれないが、ライトであるからこそ歴代ライダーであるライダーマンの客演や陰湿な毒テロのストーリーに一つの心温まるものを添えてくれている。

 可愛がっているハムスターを捨てるよう母親に命じられた昭夫君は野良猫の姿を見た、というだけの理由でわざわざ所持金をはたいて狭山市まで来てドブネズゴンに捕まるのがストーリー的に強引で笑える(笑)。ハムスターの泣き声に仲間と勘違いして出てくるドブネズゴンもドブネズゴンだし(笑)。

 ドブネズゴンに捕まる直前に助けを求めて昭夫君は喫茶ブランカにいる同級生の叶茂にTELを入れ、それに対して茂は自分に余所余所しかった昭夫君が本当は自分と友達になりたがっていた本音を知るのだが、転校してきたばかりの昭夫君が自分の連絡先を知っていたのがその証拠な訳だが、そうなると昭夫君は脅威的な記憶力の持ち主か、茂に特別な感情を抱いていると云うことになる (苦笑)。
 この強引さは笑うべきだろうか?感心するべきだろうか?

 結局昭夫君はドブネズゴンに捕えられ、人間を溶かす毒液の上で吊り輪にぶら下がり、力尽きたら即死と云う私刑にかけられるが、室内への侵入を防ぐ鉄格子の扉を呼び掛けたハムスターのチャコが呼びかけに応えてスイッチの上に乗ってくれたおかげでスカイライダーの救出が間に合うと云うのも、それが恩義で家での飼育が許されたと云うのもどちらかと云うと特撮よりは漫画に相応しい話のようなきもするがそれも愛嬌だろう。
 「仮面ライダー」は子供向けの番組だが、それゆえにそれを作る大人には世の子供達へのメッセージも含む。些か強引で出来過ぎとはいえ、殺伐とした戦いの中の小さな友情を育む大切さは世代を超えて語り継がれたいものである。



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令和三(2021)年五月一二日 最終更新