舞台は大阪!

 特撮に限らず、フィクションの多くは舞台が東京である。
 勿論、作品の趣旨からその他の地域が舞台だったり、場合によっては架空の空間が舞台であったりすることも決して少なくない。
 舞台が都内であることが明言されていないこともまた多いが、「都内」、「都電」、「警視庁」、「都民の犠牲」等、東京でなければ在り得ないキーワードが出てくることも多い。

 個人的感傷だが、少年の頃の道場主は様々な作品を見て舞台が東京であることに対して、「何でいつも東京なんだ?」との不満を度々抱いた。別段地元大阪を舞台にして欲しかった訳ではない。幼少の頃より、「猫も杓子も」と云う世の流れを嫌っていたに過ぎない(関係ないが、同様の理由で「外国人=アメリカ人」の傾向も嫌いだった)。

 ただ、少し考えてみれば無理もないとは思う。

 作品に親しみを抱いて貰う為には、その地の知名度が大きく物を云うだろうから。
 例えば、東京以外の道府県の、ある地域をピンポイントに作品を描けば、地元民やその地に特別な思い入れのある方々から絶賛されるかもしれないが、それ以外の大多数に親しみを抱かれないことが考えられ、極めて危険な賭けとなる。
 勿論、東京のことを大嫌いな人も少なくない(特に関西人には(苦笑))が、余りに耳慣れているので、「東京が舞台」を理由に「その作品を見ない!」と決める方は極少と思われる。まあ、東京の地名を聞く度に腹を立てるようでは胃が鉄で出来ていても忽ち穴だらけになるだろうけれど(苦笑)。

 まして、特撮作品の多くは実写で、撮影に掛かる費用や俳優を初めとする制作関係者の移動を考えれば、都内やその近郊が撮影現場となることが大半なのは止むを得ないことと思われる。
 逆を云えば、だからこそ地方を舞台にすると地元民による視聴率アップが見込まれるのは勿論、普段とは異なる新鮮味も注目度を集める。仮面ライダーシリーズなどは多くの場合、2週分をまとめて制作・撮影するらしいので、地方が舞台となった場合は2週連続ものになることが大半である。

 そこで今回は特撮作品において、シルバータイタンの地元・大阪が舞台となったものに注目する作品を制作することとした。
 正直、うちの道場主は愛郷心が強い方とは云えない。
 大阪生まれ、大阪育ちで、就職するまで大阪にしか住んだことが無かったのに、語尾に「さ」のつく喋りで、読売巨人軍のファンで、納豆が大好きで、上方漫才や吉本新喜劇より『笑点』・ドリフの番組を好み、駄洒落が周囲を南極に追い込むほどギャグセンスがなく、就職後8年間関東に暮らしたが、当時は東京に骨を埋めるつもりでいた。
 そもそも生まれが在日韓国人(※26歳時に帰化)で、心無い日本人からも、朝鮮半島に住む心無い韓国人からも余所者扱いされ、一方で住むところ、生まれたところを一切気に掛けない心広い人も見て来たから、東京だろうが、大阪だろうが、その他度の都道府県だろうが、良いものは良い、悪いものは悪いと見て生きてきたつもりである。

 ただ、そんな男でも生まれ育った場やそこに根付く文化に感じるところはあるようで、しょーもない理由で関西及び関西人を悪く云われたらムッとするし、口論やツッコミは関西弁で行うし(笑)、漫才はやはり関西弁で見たい(笑)。
 そこで、このろくでもない関西人であるシルバータイタンは、自らの生まれ育った地への敬意と愛情を少しは示したくて(苦笑)、特撮作品で大阪が舞台となった話に注目した次第である。
Vol.1 『ウルトラマン』 …………大阪城崩壊の衝撃
Vol.2 『仮面ライダー』 ………ナチスの遺産を大阪にて
Vol.3 『仮面ライダー』 ………刑場兼決闘場の大阪城(工事中)
Vol.4 『ウルトラマンダイナ』………「怪獣殿下」のオマージュ(工事中)
Vol.5 『仮面ライダーW』 ………夢落ちと云うなかれ(工事中)
Vol.6 『仮面ライダーSPIRITS』………炸裂!ライダー車輪(工事中)
Vol.7 その他の大阪舞台作(工事中)
Vol.8 特撮に登場する関西人(工事中)
Vol.9 大阪以外の関西舞台(工事中)


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令和四(2022)年九月一五日 最終更新