Schüler Zahl drei カプセル怪獣 アギラ………出番が少ないから急成長?

Schüler Zahl drei:アギラ
弟子名アギラ
肩書カプセル怪獣
出身地M78星雲アニマル星
長所素早さを利した角攻撃
短所胆力に欠ける
登場作品『ウルトラセブン』、『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』
経歴 第3のカプセル怪獣として、『ウルトラセブン』第32話にて初登場。
 名前の由来が、円谷英二の三男である円谷あきらから採られたものなのは有名だが、幼少の頃の道場主は、アギラの絵を描いていて、母に「お父さんみたいな怪獣ねぇ。」と云われて、父の名が「あきら(漢字表記は「昭」)」であることを認識したという馬鹿な記憶がある(苦笑)。

 『ウルトラセブン』第32話では、妨害電波に覆われた惑星ディンにてウルトラセブンに変身できなかったモロボシ・ダンに召喚され、メカニズム怪獣リッガーと相対した。
 動きの素早さではリッガーを凌駕していたが、膂力では敵わず、尻尾攻撃に打ちのめされて敗北。カプセルに戻された。

 約3ヶ月後の第46話ではポインターにウルトラアイを置き忘れて来たダン(←おい、ダン………)に召喚されたが、戦うよう命じられた相手はロボット超人にせウルトラセブン……………。
 何せ、特撮番組に出てくる登場人物の殆どは、ゴテゴテに付いた金具やマフラー・手袋・ブーツの色で偽物か否かを見分ける能力に欠けた者達だから(笑)、怪獣であるアギラは完全に「本物のウルトラセブン」=主人と思い込んだ様で(苦笑)、その姿に大きく戸惑い、戦意喪失して隠れ、終いには背後からにせウルトラセブンに肩を叩かれて、振り返って仰天した所を崖から突き落とされて敗北した…………というより勝負になっていなかった(泣)。

 ちなみにこの第46話が、同番組におけるカプセル怪獣最後の出番となったが、その後、同じカプセル怪獣であるウィンダムミクラス『ウルトラセブン1999最終章6部作』『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』にて登場・活躍する中、アギラの出番はなかなか巡って来なかったが、映画『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』にて41年振りに登場した。

 凍結し、ダンウルトラセブンに変身出来ない状態にあった光の国で、ドラコベムスターサラマンドラに襲われるヒビノ・ミライ、レイを救うべく、同じカプセル怪獣仲間であるウィンダムミクラスと共に召喚され、アギラドラコとの一騎打ちを展開した。
 ドラコは飛行能力を持ち、格闘において上方からの攻撃は有利に展開出来るのだが、アギラはそれに劣勢を強いられることもなく、ダンの「とどめだっ!」の下知を受けるや、ドラコを角で空中に突き上げて、再度角で突き刺す攻撃狼蒼拳双角放宙殺で倒し、勝利した(初勝利!)。

 この戦いでアギラは、「光の国での戦い」、「カプセル怪獣総攻撃」、「勝利」、「平成における映像登場」と様々な意味での初体験を果たしたのだった(笑)。


分析 何せアギラというカプセル怪獣は出番が少ない上に、戦う相手にも恵まれなかった。ウィンダムミクラスはガッツ星人やエレキングといった比較的メジャーな宇宙人・怪獣と戦ったので戦史的にも知名度があり、戦い振りからも「強い」とは云われずとも、「善戦した」とは云われ易い傾向にあった。
 だが、アギラが戦った相手、リッガーは些かマイナーな存在だし、にせウルトラセブンはいくらなんでも相手が悪過ぎた(仮にアギラが最大限戦意を高揚させていたとしても、能力的に本物と同等の力を持つにせウルトラセブンとでは勝負にもならなかっただろう)。
 そしてにせウルトラセブンに対して、様々な意味で明らかに戦意喪失の態を見せていたところにカッコよさは皆無である(反応として間違っていたとは思わないが)。

 そしてこれらの戦績が祟ったものか、モロボシ・ダンが再び地球に常駐した『ウルトラマンレオ』でも出番は巡って来ず(ここまでは他のカプセル怪獣も同様)、『ウルトラセブン1999最終章6部作』『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル NEVER ENDING ODYSSEY』においてもただ一人(?)出番がなかった。
 更には、『ウルトラマンメビウス』においても、ただ一人(?)マケット怪獣の対象とされなかったが、よく良く分析してみれば、ドキュメントUGにはアギラの記録がなかったと考えられる。リッガーとの戦いは惑星ディンでのことだったし、にせウルトラセブンとの戦い(とは云えないが)も人目に触れないところでの話だった。
 ウルトラ警備隊の記録に残らなければGUYSがアギラの存在を知り様もなく、ストーリー的にはアギラに出番が回って来なかったのは正しいのだが、それにしても寂しい話ではあった。

 ん?何?アギラ『ウルトラファイト』に出ていた?うーん………あの作品を本編と絡めるのはシルバータイタン的にはチョット…………(苦笑)。

 ちなみに、『ウルトラセブン』の準備稿によると、当初、第32話でリッガーと戦うカプセル怪獣には『ウルトラQ』パゴスが、決定稿ではウィンダムが予定されていたが、「視聴率アップのために新しいカプセル怪獣を登場させる」という理由でアギラが登場することになったといくつかの書籍に記されている………………だったら、もう少しカッコいい存在にしてやっても良かったんじゃあないですか?!制作陣の皆さん!!(笑)

 ひどい云い方をすると、長年「忘れられた存在」というイメージすらあったアギラだったが、逆の見方も出来なくはない。
 単純に出番が少ないから敗戦数が少ないのである(苦笑)。ウィンダムの様な瞬殺されたものも(対ガッツ星人戦)もなければ、ウィンダムミクラスの様に「2対1で戦ったのに負けた」(対ザバンギ戦)という惨めな敗戦もない。2敗の内の1敗がにせウルトラセブンとうのは充分同情されるだろう(苦笑)。
 勝率で云えば何と3割3分3厘で、ウィンダムの1割6分6厘、ミクラスの2割5分と比べて圧勝である!!(※勝率計算は、マケット怪獣としての分、大多数を相手にした分は入れていません。また、勝利数(分子)は自分の手で止めをさせた物だけを計上しています。そうしないとミクラスはガンダーに勝ったことになってしまいますので)。
 また、3体が同時に快勝したで『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』も、ウィンダムが敵の急所を的確に突き、ミクラスが体格に似合わぬ空中殺法を見せるという「成長」を示したのに対し、アギラは「飛行能力を持つ相手に空中で勝利」という「急成長」を見せたと云える。


今後への期待 何せ、出番が極端に少なく、ほんの数年前まで「弱い」、「咬ませ犬」と酷評されて来たカプセル怪獣の中でも特にマイナーなのがアギラである(苦笑)。
 だが、カプセル怪獣全般が(過去の扱いに対する同情もあって)戦闘能力を挙げて来たからには、戦闘要員としての活躍はアギラに限らず出来るだろう。さすがにウルトラ兄弟を凌駕する程には期待出来ないが。

 アギラに期待したいのは2点である。
 一つは俊敏さである。突進力はあっても、それ以上に重量感を感じさせるミクラス、メタリックボディなウィンダムが素早さや身軽さを見せて悪い訳ではないが、体格的にも、戦術的にも一番の適任者は間違いなくアギラである(完敗したリッガーに対しても素早さによる翻弄は為されていた)。
 もう一つは、多くの怪獣が見せない「迷い」、「思考」の表情、行動である。決してカッコいいものではないが、従順なウィンダムや、感情の起伏は激しくても思考的な迷いを見せないミクラスよりも、眠そうな表情というものを見せ、能力的に力よりも動きを得手とするアギラは、恐竜然とした見た目に反して理知的な戦闘が似合っている様に思われるからである。


Another existence  マケット怪獣候補にならなかったアギラが別個体を見せたのは、ウルトラシリーズの前史的漫画『ウルトラマンSTORY0』に登場した、アギラの親と取れる存在である。

 同作品にて惑星オズの住人・リリパット族は子供達を人質にした暗殺宇宙人ナックル星人に服従を強いられていた。星間連合リーダーの地位を狙うナックル星人は自らの尖兵として大量数の、様々な環境に適応した多種の用心棒怪獣ブラックキングを養殖していた。
 そんな星でアギラの親はブラックキングに負けない戦闘能力を発揮してリリパット族を守っていたが、暴走した個体の強固な皮膚に攻撃が通じずに敗れたところをナックル星人に捕縛され、戦闘訓練の相手にされたり、様々な洗脳や調教を兼ねた折檻を受けたりしていたが、強靭な精神力でそれらに耐えた。
 結局逃亡に失敗し、激闘に倒れたが、息を引き取る寸前に卵を残し、そこから孵化したのがセブンに仕えたアギラだった。
 うん、にせウルトラセブンに本気で戦えなかったアギラを責めるのは酷であることがよりはっきりしたな(苦笑)。


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令和三(2021)年六月一一日 最終更新