Schüler Zahl vier  L77星人 ウルトラマンレオ………最も過酷な特訓を受けたSchüler

Schüler Zahl vier:ウルトラマンレオ
弟子名ウルトラマンレオ
肩書ウルトラ兄弟の7番目
出身地獅子座L77星
長所卓越した格闘術の身体能力
短所経験不足と過去のトラウマから来る精神的未熟さ
登場作品『ウルトラマンレオ』、『ウルトラマンメビウス』、『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』、『ウルトラ銀河伝説外伝 ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ』、『ウルトラマンサーガ』他多数
経歴 獅子座L77星にてアルス王の王子として双子の弟アストラとともに武術の鍛錬を欠かさず、しかしながら平和の内に日々を暮らしていた。
 しかしL77星はサーベル暴君マグマ星人の侵略を受け、星自体が大破し、ウルトラマンレオは両親、友人、知人、臣民を失い、弟(アストラ)、ペット(ロン)とも生き別れとなり、自身は故郷とよく似た星・地球に辿り着き、「第二の故郷」、または「唯一の故郷」におヽとりゲン(真夏竜)として永住を決意した。

 だがL77星を滅ぼしたマグマ星人双子怪獣ブラックギラスレッドギラスを率いて地球にも侵略の魔手を伸ばした。
 そして『ウルトラマンレオ』第1話にてこれを迎え撃ったウルトラセブンの苦戦を救わんとして加勢したのが師弟の邂逅だった。
 マグマ星人双子怪獣を辛くも撃退し、共に人間体に戻った直後の2人の会話から、ゲンモロボシ・ダンウルトラセブンであり、MACの隊長であることも知っていたことを告げたが、それは同時に、ゲンが怨みあるマグマ星人の出現でもなければ特に自分からダンに接触したり、MACに入隊したりする意志がないことを意味していた。
実際、この直後、ダンから切り出されたMAC要請に対し、ゲンは「モロボシさん、貴方がいるじゃないですか?」といって、遠回しに断ろうとしていた。
 だが、ダンウルトラセブンに変身する能力を喪失しており、愛する地球を守る為に共闘を求められたゲンはこれに応じ、2人の宇宙人は師弟ともなった。

 元々戦うことを考えていなかったためか、経験不足が祟ったか、初期のゲン=ウルトラマンレオは初戦で怪獣や宇宙人に敗れることが多く、その都度ダンは無謀な戦いを戒め、敵を破るヒントを与え、その為の技を習得する際の鬼コーチとしてゲンを鍛え上げた。

 双子怪獣の首を刎ねたきりもみキック、奇怪宇宙人ツルク星人の二段攻撃を破った流れ斬りの技、凶険怪獣カネドラスの角を受け止めた真剣白刃取り、暗闇宇宙人カーリー星人のショルダーナイフに対する対応、植物怪獣ケンドロスのブーメラン攻撃を弾き飛ばす手技、暴れん坊怪獣ベキラの背中を突く為の三角跳び、さそり怪獣アンタレスの尻尾攻撃への対処足技、分身宇宙人フリップ星人の実態を見切る為に心眼、殺し屋ノースサタンのニードル攻撃をかわすスキーでの大回転ステップ、etc……これらはダンがヒントや、特訓方法、指導する人物・相手をゲンに教えたり、手配したりすることで体得させ、実際に多くの怪獣達を撃破させたものである。

 これらの技をマスターさせただけでなく、ダンウルトラセブンとしての長年の経験で得て来た知識で侵略者の正体を教えたり、MACの隊長として隊員達を指揮してウルトラマンレオの援護射撃を行ったり、そして時には自らの寿命縮め、一時的に多大な疲労をもたらすウルトラ念力を駆使してレオの危機を救ったり、ゲンの進むべき道を示したりした。

 ダンの指導を受けたゲンも、数々の特訓と実戦経験を経て元々持っていた身体能力を更に向上させ、やがては特訓を必要とせずとも怪獣や宇宙人を撃破するようになり、時には生きていた弟・アストラや、伝説の超人・ウルトラマンキングの加勢を得て、苦しい戦いを戦い抜き、遂にはアストラ共々ウルトラ兄弟に加わることが認められた。
 そのきっかけとなったウルトラキー盗難及び地球・M78星雲衝突未遂事件では、暗黒宇宙人ババルウ星人の姦計に嵌って、アストラに変身したババルウ星人を必死に守ろうとして、2〜3人のウルトラ兄弟を同時に相手にしてもひけを取らない戦闘能力を見せ、ダンに鍛えられた力を皮肉な形で発揮した。

 ババルウ星人を打倒し、互いに「兄弟」となったセブンレオだったが、第40話にてブラックスターの円盤生物シルバーブルーメの襲撃を受けて、実質的な師弟の日々は終わった(関係は今も続いているが)。
 シルバーブルーメのMAC基地襲撃でダンゲン以外の隊員達は全員殉職、モロボシ・ダンも長らくその生死並びに生還過程は不明で、ゲン「お前のすべての命を持つレオだ、お前の命はお前のだけの物ではないことを忘れるな、行けー!!」という台詞を胸に最終回まで円盤生物と戦い続けた。

 最終回にて最強にして最後の円盤生物ブッラクエンドを倒し、それに前後してブラック指令(大林丈史)も絶命し、ブラックスターも破壊したレオは、ようやく一人の地球人・おヽとりゲンとして地球を故郷としたことを確信し、ヨットでの旅に出た。

 その後、ゲンダンの両者は長らくブラウン管上に姿を現わせなかったが、パラレル・ワールド作品を別とするなら、ダンはウルトラの母によって救われた、『ウルトラマンメビウス』の20年前にウルトラマン、帰ってきたウルトラマン、ウルトラマンAとともに異次元人ヤプールを神戸の海に封印することでウルトラセブンに戻る力を失くし、六甲山にて牧場主として、地球人としての日々を過ごした(他の3人も地球人として神戸で過ごした)。  一方のゲンは、いつの頃かは分からないが、宇宙警備隊員としての任務をウルトラの父か、ゾフィーから受けた様で、地球とは別の星で何らかの任務に従事していた。
 場合によっては、地球のどこか(恐らくは神戸の港当たり)で、「モロボシ・ダンおヽとりゲン」として師弟対面を果たしたこともあったかもしれないが、両者が「ウルトラセブンウルトラマンレオ」として同じ場にいたことが確認出来るのは、『ウルトラマンメビウス』の最終回での、太陽黒点除去作業完了時のことで、「モロボシ・ダンおヽとりゲン」として同じ場にいたことが確認出来るには『ウルトラマンサーガ』まで待たなければならなかった。

 そして、長い歴史の果てにウルトラ一族の中でももはや並ぶ者がいない強者となったウルトラマンレオは、「教わる側」から、「教える側」に回るのだった。


分析 ウルトラマンレオを「めっちゃ弱い!」という人達と、「ウルトラファミリーで三本の指に入るぐらい強い!」という人達がいる。
 勿論、これは0か100かで論じた際の話で、普通にレオの歴史を知る人はそんな曲論でレオの強さを語れないことぐらい承知されていることだろう。
 一番しっくり来る意見は、

 「元々身体能力的にとても優れていたが、番組当初は経験不足と精神的未熟さによる隙が多かった。
 しかし、幾多の戦いと特訓を経て、ウルトラファミリーでも屈指の戦闘能力を誇る。」


 というものではないだろうか。
 確かに『ウルトラマンレオ』初期におけるレオの初戦(等身大での格闘を含む)での勝率は極端に低い。相手が逃走する場合でもダンが何らかの形でダメージを与えたことによるものが多い(高圧電流、杖攻撃、ウルトラ念力、etc)。
 だが、地球に来る1ヶ月ほど前まで実戦を経験してこなかったゆえに、この頃のレオには甘さ、隙、精神的な不安定、敵に対する無知といった内面的な事柄でセブンに大幅に劣っていたが、アクロバティックな体の切れから来る体術や格闘術や光線技に頼らずとも戦い抜く能力は決して歴戦のウルトラ兄弟に劣っていなかった。

 繰り返しになるが、「素質充分、経験不足」だったのである。そこでまずはLehrer(師匠)であるウルトラセブンと、Schüler (弟子)であるウルトラマンレオの身体的なデータを単純比較したのが下記の表である。

身体データ比較
名前ウルトラセブンウルトラマンレオ
身長40メートル52メートル
体重3万5,000トン4万8千トン
年齢1万7000歳1万歳
飛行速度マッハ7マッハ7
走行速度時速800キロメートル時速800キロメートル
水中速度240ノット(時速444.5 km)150ノット(時速277.8km)
ジャンプ力少なくとも400メートル少なくとも1000メートル
腕力10万トンタンカーを持ち上げる20万トンタンカーを持ち上げる

 まあこれだけでは両者とも人間離れして凄さや程度の違いも分かり辛いので、セブンの能力を35歳の平均的な地球人男性に相当するとした場合、レオの能力がどれぐらいの能力に相当するのか換算したのが下記の表である。

ウルトラセブンのスペックを常人(35歳)に置き換えての換算比較
名前ウルトラセブンウルトラマンレオ
身長170cm 221cm
体重65kg 89kg
年齢35歳20歳
飛行速度人間は飛べません人間は飛べません
走行速度時速16km 時速16km
水中速度時速4.5km 時速2.8km
ジャンプ力62cm 155cm
腕力ベンチプレス40kgを持ち上げるベンチプレス80kg を持ち上げる

 いやあ衝撃である……否、笑撃か(←『空想科学読本』のパクリです)。
 セブンを常人とした場合、レオの身長が221cmとは格闘家の中でもなかなか見られない高身長だが、それで89kgしか体重が無いのは重病人レベルである。逆を云えば、だからこそ筋力に優れたレオ(ベンチプレスで自重を持ち挙げられれば力持ちの部類に入る)は驚異的なジャンプ力を発揮し、高い打点から放たれるレオキックは多くの怪獣、宇宙人達を屠って来れたと思われる(『ウルトラマンレオ』の第38話でウルトラマンAはレオキックを死に物狂いでよけていた)。

 泳力の低さが少し気になるが、脂肪の少なく、筋量の多い身体が水泳に不向きであることを考えれば納得出来ない話ではない。とにかく、極端な体重の少なさが悪影響を及ぼさない限りにおいて、レオの身体スペックは良い意味で驚異的である。

 次に分析する必要があるのは、レオが戦った相手である。
 長いウルトラシリーズの歴史を考察すると、『ウルトラマンレオ』に出て来た怪獣、宇宙人はそれ以前の番組に出て来た怪獣・宇宙人よりかなり強いのではないか?と推測される。
 まず、『帰ってきたウルトラマン』の時代では、ベムスターが登場するまで宇宙怪獣が登場せず、すべて地球出身の怪獣だったが、ベムスター以降、帰ってきたウルトラマンはウルトラブレスレッドへの依存傾向が強くなった。ここでまず、非常に大雑把だが、

 「地球怪獣<宇宙怪獣」

という図式が生まれる(勿論例外があるのは承知)。

 そして続く『ウルトラマンA』の時代では「怪獣より強い超獣」が幅を利かせていた。同番組には『帰ってきたウルトラマン』に出演していた珠茂坂田次郎(川口秀樹)がゲスト出演した回があったことから、二つの番組に何年単位もの時間差は感じられない。
 ゆえにここで設定的にも、世界観的にも、宿敵的にも

 「怪獣<超獣」

 の図式が成立する。

 そして『ウルトラマンタロウ』だが第1話でオイル超獣オイルドリンカー宇宙大怪獣アストロモンスに散々に叩きのめされ、捕食されるというシーンがあり、設定でも「超獣より強い怪獣」として、再び怪獣達が幅を利かせるようになった。
 無理矢理図式にすると、

 「怪獣<超獣<『超獣より強い怪獣』」

 という訳の分からんことになるのだが、タロウ、ゾフィーに立て続けに勝利した地球原産怪獣のバードンが現れ、ミサイル超獣改造ベロクロンU世を一方的に破ったZATがベムスターに緒戦ではけちょんけちょんにされていた。
 ここからシルバータイタンが推測するに、超獣の登場で怪獣や宇宙人達は地球内部や地球周辺における生存競争で淘汰され、一時地上から姿を消したものの、地中、海中、宇宙においてそれらの生存競争で鍛えられ、結果、超獣に負けない力を持って再来したのが、同番組における「超獣より強い怪獣」ではないだろうか?

 そしてその後も『ウルトラマンタロウ』の時代では極悪宇宙人テンペラー星人暴君怪獣タイラント泥棒怪獣ドロボンといった強敵が登場するも、次々とウルトラ兄弟の前に敗北を喫していった。
 となると、宇宙を渡り歩く怪獣や宇宙人の中にはわざわざウルトラ兄弟と戦って命を落とすリスクを冒すぐらいなら、別の星を狙ってもおかしくない訳で、それでも敢えて地球にやってきた『ウルトラマンレオ』の時代の宇宙怪獣や宇宙人は相当腕や謀略に自身のある者でないと訪れないだろう。

 また、当初モロボシ・ダンは、自分がウルトラセブンに変身出来なくなったためにレオに苦しい戦いを強いていることを苦悩するシーンがあったが、カプセル怪獣を一度も召喚しなかったことからも、登場する怪獣・宇宙人達に対して、「(当時の)カプセル怪獣では時間稼ぎにもならない。」と踏む程、『ウルトラセブン』の時代に比べても強力な怪獣・宇宙人が登場していたと取れる。
 ついでを云えば、ダンはかつてウルトラ警備隊が何体もの怪獣・宇宙人を倒したのを目の当たりにしたり、参加したりしている。そんな彼が『ウルトラマンレオ』では幾度となく「MACの力ではこの怪獣(または宇宙人)は倒せない。」との判断を下している。
 普通に考えるなら、ウルトラ警備隊の時代よりも、MACの時代の方が兵器は発達している筈なのに、その様な判断を下すことからも、かつてより強力な怪獣達が暴れていたと考えられる(実際、ウルトラ警備隊に殉職者は殆どいなかったが、MACではかなりの主要メンバーでも殉職した)。

 かなり分析考察が長くなったが、以上のことからウルトラマンレオが戦っていた相手は相当な強豪達であったことが推測される。後番組ゆえに知名度が低いだけで(苦笑)。

 そんな環境下で元からあった素質を、ダンから課されたイジメとしか思えない殺人的な特訓によって鍛え上げられたウルトラマンレオの急成長は目を見張るものがある。
 ゾフィー、ウルトラマン、ウルトラセブンには完成されたイメージがあり、第二期ウルトラシリーズ以降のウルトラ兄弟には多かれ少なかれ人間的(?)に、精神的に未熟な面も多々見られ、それを成長させていく過程もまた見所だったのだが、レオの前後は「多才能に溢れるウルトラの父の実子・ウルトラマンタロウ」と「無敗のウルトラマン80」だったので、ある意味初期の苦戦ぶりが際立っており、作品世界が持っていた暗さもあって、逆にレオ程成長したウルトラマンは見当たらないとさえ云える
 そしてその成長の陰にはウルトラセブンの存在が色濃く投影されていて、それはレオが「教える側」に回っても変わらなかった。


今後への期待 番組内でも急成長を遂げ、その後長年その姿を見せなかったウルトラマンレオは、時間を置いた分、身体能力的にも、精神的にも貫禄をつけてTV画面上に帰って来た。

 ウルトラマンメビウスを叱咤し、実戦で彼の未熟さを思い知らすレオの身体能力は、ヒビノ・ミライをして「とても僕には持ち得ない」と云わしめ、光波宇宙人リフレクト星人との戦いではフライング・エルボーや、トラース・キック、両拳から繰り出す連続突きといった現役時代以上に磨きが掛ったアクションを見せていた。
 『ウルトラマンレオ』放映時に、スタントマン・二家本辰巳氏が為していたアクションだって相当なものだったのに、『ウルトラマンメビウス』で見せたアクションはそれをも上回っていたのだから、驚嘆する他なかった(上空から降り立ったレオが着地して即座に決めていたトラース・キックは惚れ惚れした)。

 更に、『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』で、テクターギアを纏った状態で「なめんなよ、こんなの付けていても…。」と彼を侮っていたウルトラマンゼロが、作品を重ねるごとにレオにいい意味で屈服していったのだから、レオの成長は留まるところを知らない。

 ウルトラセブンに師事した日々を昇華し、戦闘能力に磨きをかけると同時に、手の付けられない悪童だったゼロにウルトラマンの心を取り戻させるまでの大人物となったレオには「戦士」、「師匠」、「指揮官」として様々な活躍が期待出来る。
 贅沢を云えば、純粋なウルトラセブンとのタッグを見たいと云ったところかな?


現・Lehrerとして かつてL77星の亡国の王子となり、帰る故郷を持たない宇宙の放浪者だったウルトラマンレオモロボシ・ダンという名トレーナー(迷トレーナー?)を得て、戦士としても、故人としても多いなる成長を遂げた。
 ダンから受けた特訓の日々は、それが終わったときのことを、演じていた真夏竜氏が「体育会で云えば1年生が終わった感じだった」という程のシゴキの日々だった(笑)が、視聴者がドン引きする程の(苦笑)日々は、彼が「教える側」に回ったときに活かされた。

 『ウルトラマンメビウス』の第34話で、リフレクト星人と自分に連敗して、悔し涙に暮れるミライに投げかけた、ゲン「その顔は何だ!?その眼は何だ!?その涙は何だ!?お前のその涙で地球の平和が守れるのか!?」という台詞は自身が『ウルトラマンレオ』の第4話にてダンに云われたのと全く同じものだった。
 当初は「同じウルトラマンに対してひどいことをする奴」と見ていたGUYSの面々も、レオが帰るべき(本来の)故郷を持たず、多くの戦いに敗れてもリターン・マッチで勝利して来た戦歴を知り、彼等とともにメビウスもまた一皮むけた成長を遂げたのだった。

またウルトラセブンの息子、ウルトラマンゼロは類稀なる素質と若くして得た能力に思い上がり、更なる強さを追い求めるあまり、かつてのウルトラマンベリアル同様にプラズマスパーク・エネルギーコアの力を手にしようとしてセブンに止められた後、「M78宇宙警備法違反」によって追放処分とされ、磁気嵐が吹き荒れるK76星において、レオとアストラから訓練用アーマー「テクターギア・ゼロ」を装着させられ、戦士としての過酷な訓練を積まされた存在だった。
謂わば不良生徒を鬼教官が格闘技で更生させたようなもので、初登場時のゼロは師匠であるレオや、他のウルトラ兄弟にもタメ口を叩き、呼び捨てで呼び、おおよそ礼儀というものを知らなかった(さすがにウルトラの母やゾフィーが相手となると少し走っていたようだが)。
だが、真実(セブンが自分の父であること、力に己を見失った自分を構成する為にレオに預けたこと、等)を知り、数々の戦いを重ねる内に(いつもではないが)レオを「師匠」と呼び、『ウルトラマン列伝』では「格闘技とウルトラマンの心を教えてくれた」として、格闘の腕においても「まだまだ師匠の方が上手ってことか…。」とぼやいていたことからも、レオが心技両面で如何にゼロを鍛えた人物であるかがうかがい知れる。
 そしてレオがそこまで力を尽くすのも、セブンに対する恩義に端を発しており、その教えを受けたゼロもまた、ウルトラマンギンガ・ウルトラマンビクトリー・ウルトラマンXと云ったニューヒーロー達に教えを為し、代替わりしても色褪せないセブンの名トレーナー振りを脈々と伝えているのだった。

 ちなみに、『ウルトラ銀河伝説外伝 ウルトラマンゼロVSダークロプスゼロ』にせウルトラマンジャック(SR)と、にせウルトラマンA(SR)を辛くも破ったが、限界に追いやられたにせウルトラマン(SR)にせウルトラセブン(SR)に追い詰められたゼロを助けに現れたレオはかなりの貫録だった。
 直後のタッグマッチで、物凄い勢いでレオにせウルトラセブン(SR)をボコボコにしていたが、人物的にも大成長を遂げたレオだから、「江戸(=過去の特訓)の敵を長崎(=にせウルトラセブン(SR)で討った」というものではないと信じたい(笑)。


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令和三(2021)年六月一一日 最終更新