Schüler Zahl fünf 怪獣ボール セブンガー………唯一、もとから強かった奴
Schüler Zahl fünf:セブンガー
弟子名 セブンガー 肩書 怪獣ボール 出身地 M78星雲光の国 長所 腕力、頑丈さ、体重を利した攻撃 短所 1分しか使えず、次に使うには50時間の待たなければならない 登場作品 『ウルトラマンレオ』
経歴 『ウルトラマンレオ』第34話に登場した。というか、一回限りの出番しかなかった。が、その印象はなかなかに強かった。
同作品第1話でマグマ星人との戦いにおける負傷でウルトラセブンに変身出来なくなったモロボシ・ダンの為に帰ってきたウルトラマンによって、ラグビーボール状のボールに収められてセブンガー地球に届けられた。
地球に向かう途中で、帰ってきたウルトラマンが二面凶悪怪獣アシュランの襲撃を受けたため、地球到着直後に気絶した郷秀樹(団次郎)の手から離れてしまったことからダンの手元に届けられるのが大幅に遅れた。
と云うのも、怪獣ボールが郷の手を離れ、それを探そうにも、負傷した体が思うように動かない上に、アシュランによって妙なマスクを填められて口を利けなくされたことから周囲との意思疎通も取れず、郷を郷と知らずに助けてくれたゲンや山口百子(丘野かおり)にもその旨を伝えられなかったからだった(←字を書くという選択肢は無かったのか?)。
だが、何とか子供達のおもちゃにされていた怪獣ボールを見つけた郷はバイク(←無断拝借、ノーヘル)を走らせてそれをダンの元に届けることが出来た。
怪獣ボールはダンにしか使えないアイテムで、アシュランに苦戦するMACの指揮をとっていたダンは即座にこれを投入した。
かくしてようやく怪獣ボールからその姿を露わしたセブンガーはアシュランの両面攻撃をものともせず、鈍重そうに見えつつもその体躯を利用してアシュランを張り倒し、体重を浴びせてダメージを与え、張り手数発で忽ちアシュランをグロッキー状態に追い込むという豪傑ぶりを発揮した。
だがナレーション曰く、「後10秒もあれば」と云うところで制限時間の1分が経過し、その体は怪獣ボールの中に戻り、ボールもまたダンの掌中に帰した。
実に頼りになる戦闘力だったが、あれから40年(←綾小●君麻□っぽく読む必要はない)、セブンガーの再登場はいまだ果たされていない。
分析 寸胴な体格、眠そうな目、鈍重な動き、と見てくれこそダサそうだが、冷静に分析してみるまでもなくセブンガーはめちゃくちゃ強い。
『ウルトラマンレオ』放映時だけで比較すると、明らかにウルトラマンレオと帰ってきたウルトラマンのタッグよりも強いから、同じモロボシ・ダンのコントロール下にある存在でもカプセル怪獣などその足元にも及ばないだろう(下手したら三体総がかりでも)。
確かに1分間しか戦えないと云うのは「珠に瑕」だったが、とにかくその1分間に見せた能力は絶品だった。
その能力を分析したいが、実践例が1回しかないので、セブンガーの戦闘力を分析するには、その1回を戦ったアシュランの分析が必要不可欠になる。
戦績から、アシュランの戦闘能力を単純図式化すると、
「ウルトラ兄弟×1」<アシュラン≦「ウルトラマンレオ+不完全状態の返ってきたウルトラマン」
となる。
アシュランは、おヽとりゲン&モロボシ・ダン&郷秀樹を見たときは、「3人束になって掛って来られたら堪ったものじゃない」(ナレーター・瑳川哲朗談)との判断で、大慌てで逃げ出していたが、3人以上のウルトラマンを一度に相手にして互角以上に戦った存在なんて地獄宇宙人ヒッポリト星人、テンペラー星人ぐらいであるから、この逃走をもってアシュランを過小評価することは出来ないだろう。
実際、ダンはこのとき既に幾多の戦いを経て、かなりの成長を遂げていたゲンに単独でアシュランと当たらせようとせず、最低でも万全状態での「レオ&ジャック」でないと無理、と見ていた。
結局は「レオ&重傷状態のジャック」のコンビで勝利したが、これは月食によって生じた暗闇を上手く利用したもので、暦条件に恵まれなければ2人掛りでも勝てなかったかも知れなかった強豪怪獣、それがアシュランだった。
それを1分掛らずしてグロッキーに追い込み、後10秒も有れば倒せるところだった、というのだから、「セブンガー弱い」という奴がいたらそいつはアホである(この際断言してやる)。
使い勝手の悪さは否めないし、この6週間後にはモロボシ・ダンも降板したため、セブンガーの再登場はならなかったが、その出番に恵まれなかったことを惜しむのはシルバータイタンだけではあるまい。
今後への期待 何せ、作中のナレーションで、怪獣ボールは「モロボシ・ダンにしか使えない」と触れられていたので、今後何らかの作品に登場するにしても、レイオニクスバトラー・レイに託されたミクラスの様な訳にはいかず、最低でもウルトラセブンかモロボシ・ダンの登場が必要不可欠となる。
となると、セブンかモロボシ・ダンが登場するシチュエーションが整った上に、「1分以内にウルトラマン二人以上に匹敵する力が求められる」という非常にピンポイントなシチュエーションが整って、初めてセブンガーの出番が回って来る。
いずれにしても肝心なところで時間切れ……という展開になりそうで泣ける。だがウルトラ兄弟2人分に勝るとも劣らない戦闘能力を持っているし、特撮界にはアイアンキングという1分間しか戦えないヒーローもいる。ウルトラ兄弟とて3分、レオに至っては2分40秒という短い活動時間で立派に活躍している。
もし、セブンガーの活動時間制限がウルトラ兄弟同様「地球上では」という但し書きを持つ物なら…………セブンガーがその絶大な戦闘能力を発揮する場が巡ってくる可能性は充分に出て来るだろう。否、そうあって欲しい。
Another existance セブンガーの活躍をもっと堪能したい、という方々にお勧めなのは、漫画版『ウルトラマンレオ』である。故内山まもる氏によって描かれたこの漫画は、マグマ星人やババルウ星人が悪のレギュラーと化しており、最終回ではレオの両親の生存が確認され、ウルトラ兄弟総がかりで円盤生物群を全滅させたが、ウルトラセブンは死んだままという、本編とは完全なアナザー・ストーリーだが、頁数の都合もあってか冗長なところもなく、これはこれで見応えのある作品だった。
そして同作にてセブンガーは(眼だけではあったが)表情を見せ、ダンの指示でババルウ星を襲撃し、囚われていたレオの両親を救い出すという大活躍を展開した(←厳密には救えなかったが、詳細は後述)。
TVの本編ではアストラに化けたババルウ星人が光の国からウルトラキーを盗み出し、その姦計でレオとウルトラ兄弟が相争うものとなっていたが、漫画版ではウルトラマンAに化けたババルウ星人がレオ兄弟を「光の国に招待したい」と云って、実はババルウ星に連れて行き、人質にされた両親を見せ、その命をたてに光の国を襲うよう命令するという悪企みを展開していた。
両親の身柄を握られたレオとアストラは泣きながら光の国を襲撃。やむなく、2人を倒せとの命令をウルトラ兄弟達に出そうとしたゾフィーだったが、この戦いを中止させたのがダンとセブンガーだった。
セブンガーはダンの指示でババルウ星を強襲。レオの両親を見張っていた10人前後のババルウ星人は忽ち笑いながら戦うセブンガーに蹴散らされたのだからとんでもない戦闘能力である。
両親救出を知ったダンはウルトラサインでそのことを光の国に伝えたので、ウルトラ兄弟とレオ兄弟の衝突は直前で回避された。即行でババルウ星に駆け付けたレオだったが、そこで発見されたのは再び両親が連れ去られた後に残された拘束具と、破壊されたセブンガーだった…………。
はっきり描かれた訳ではなかったが、恐らくはババルウ星人の大軍に逆襲され、戦い抜いた果てに多勢に無勢で敗れ、両親も再度拉致されたのだろう。
ちなみにレオの両親はババルウ星人の円盤に監禁されていたが、移送中に太陽に近づいたことでエネルギーを得たレオの父が円盤を内部から破壊して脱出し、レオとの涙の再会を遂げた。そしてババルウ星人は破壊された円盤の破片が刺さって死亡するという間抜けな死に様を遂げた(笑)。
登場する度に悪辣なババルウ星人には相応しい死に様に見えるが、漫画版で活躍した「セブンガーの仇」の死に様としては些か物足りなかった(苦笑)。
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令和三(2021)年六月一一日 最終更新