1.アマゾニア 初担当の水中撮影

怪人Profile
登場作品『仮面ライダー』第22話「怪魚人アマゾニア」
怪人所属初期ショッカー軍団
任務人員確保(静岡県伊豆地方の近海域にある大量のウラニウムを採取する作戦・507計画に従事させる体力のある男性水泳選手の捕獲)
性格・特徴陸上では動けない(byライダースナック怪人カード(笑))
ストーリー概要 相模湾沖のウラニウム大鉱脈を発見したショッカーは507計画を立案した。それはウラニウム採掘の為の海底プラント建造を目的としたもので、海底における労働に従事させる為に水練達者な人員を必要としたショッカーはアマゾン川流域出身のピラニア型改造人・アマゾニアを召喚した。

 アマゾニアは水泳選手を次々と拉致。ショッカーのこの動きを知った一文字隼人(佐々木剛)と滝和也(千葉治郎)はFBIのエリナ杉崎(水木正子)と共に海底捜査に向かった。だが魚型改造人間であるアマゾニア相手に海中では分が悪く、隼人は陸上に逃れ得るも、滝とエリナは拉致された。

 アマゾニアは拉致した二人を囮に隼人を誘き寄せ、隼人も仮面ライダーに変身して海底基地に潜入。室内の酸素を3分の1にするというショッカーの罠に落ちて酸欠状態に陥った2号ライダーだったが、辛くも脱出に成功。

 結局最終決戦にて2号ライダーはミサイル攻撃に倒れた振りというベタな方法で不用意に近づいたアマゾニアにライダーキックを炸裂させて勝利したのだった。


注目点 まずこの第22話及びアマゾニアには様々な「初めて」が散見される。
 一つは、本作の主題でもある八代駿氏にとって仮面ライダーシリーズで初めて怪人の声を担当したと云う事だ。
 一つは、このアマゾニア『仮面ライダー』における初めての魚型改造人間と云う事だ(水棲怪人というだけなら第18話のヒトデンジャー、第19話のカニバブラーがいる)。
 そしてもう一つは、初めての水中撮影と云う事である。令和の現代なら海中にせよ、川中にせよ、水中撮影など珍しくも無いが、半世紀前の当時としては技術的にも、殺陣的にも大変な苦労が伴ったことだろう。
 仮面ライダー2号とアマゾニアの水中格闘は互いに体を水平に保っての殴り合いで精一杯に見えるのは仕方ないとして、それでもアマゾニア側には局地戦闘タイプとしての強勢あるアクションが求められたのである(作中、一文字隼人はアマゾニアを「水の中では手のつけられない」と評していた)。


アマゾニア八代 前述した様に、仮面ライダーシリーズにあって、50体以上の怪人の声を担当した八代駿氏が最初に声を当てたのがこのアマゾニアである。

 ただ、まだ第22話で、同作にて声を当てた声優諸氏も槐柳二、峰恵研、池水通洋、梶哲也、辻村真人、沢りつお、沼波輝枝、水島晋、谷津勲、鈴木利秋氏の10名のみ(←第13話でトカゲロンの声を当てた堀田真三氏は別格としています)で、この時点で複数回出演したのが辻村・水島・池水氏のみで、制作陣も声優の起用には試行錯誤もあったことと思われる。

 また、怪人達の個性もまだまだ強くなく、八代氏が演じた怪人群にあってアマゾニアは然程存在感の大きい方ではない。だが、様々な「初めて」を伴って「怪人声優・八代駿」が始まったと思えば、興味深いものがあると思う次第である。


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令和三(2021)年八月二〇日 最終更新