第6頁 ドロリンゴ……せこい行動に似合わぬ大胆勧誘
勧誘者File.6
勧誘者 ドロリンゴ(声:沢りつお) 交渉 『仮面ライダー(スカイライダー)』第48話 勧誘対象 筑波洋 勧誘材料 犯罪への巻き込み
背景 事の始まりは偽スカイライダーであるドロリンゴの登場だった。
ネオショッカーの大幹部・魔神提督は「偽仮面ライダー作戦」を立て、何にでも化けられるアメーバ型改造人間・ドロリンゴにスカイライダーに化け、本人に成りすまして悪事を働かせることで、ライダーの社会的信用を失墜させようとした。
このドロリンゴの活躍(暗躍?)については、以前に過去作『偽ヒーローの作り方』で詳細に記したので参考して頂けると有難い(笑)が、とにかくやること為すことが「セコい」の一言だった(苦笑)。
仮面ライダーの社会的信用を失墜させる為に、「子供達にとってのヒーロー」であることを崩そうとしたことは分からないでもないが、その為にやったことが、「子供の作った砂山を壊す。」、「水鉄砲を分捕って壊す。」、「アイスクリームを無理やり食わせ、腹痛になれ、との悪態を突く。」…………これ以上は説明不要だろう(苦笑)。
ライダーの悪評を広めること自体は成功していたが、それも子供社会限定という事であった(苦笑)。ただ、そんなスケールの小さ過ぎる作戦展開の終盤で、ドロリンゴが実に面白い提案を行った。
勧誘交渉 それは、子供達のヒーローでなくなったことで立場を失くし、人間社会に居場所を失くしたであろうスカイライダー・筑波洋をネオショッカーの仲間に引き入れんとしたものだった。
ドロリンゴの提案に対して、それは面白い、としていたことから、どうも「偽仮面ライダー作戦」を立案した魔神提督にはそのアイディアは無かった様だった(苦笑)。
ただ、前頁でも採り上げたが、元々ネオショッカーが第1話で瀕死だった洋を改造したのも、ネオショッカーの尖兵にする為だった。志度博士の細工で仮面ライダー1号宜しく、ネオショッカー最大の敵を生み出す羽目となったが、第2話でゼネラル・モンスターが勧誘・交渉したり、第38話でドクター・メデオ(三重街恒二)が脳改造手術を施さんとしたりしたことからも、組織として、人材としての洋に対する需要はあったのだろう。
作中明確に触れられてはいなかったが、「儂は無能が嫌い。」を連呼していた魔神提督は、云い方を変えれば「有能な奴が好き。」で、そのポリシーには充実だった。
自分に従順ならざる者や、さっきまで馬鹿にしていた者でも、「こいつは有能。」と認めたら認識を改める潔さがあった。恐らく洋をネオショッカーの一員に出来れば、ドロリンゴにとっても、自分にとっても、大手柄になるとの認識や算段はあったのだろう。
いずれにせよ、魔神提督はドロリンゴの提案を承諾し、引き込みを命じた。
ストーリーの展開途中で、洋は偽ライダーにバイクで轢かれた少年・広介(安田勝明)を病院に運んだり、輸血に協力したりしたのだが、ドロリンゴは入院中の広介を襲い、その身柄をたてにして、洋にネオショッカーの仲間になることを強要……………これ、「勧誘」て云わんな、単なる脅迫やな(苦笑)。
拒絶とその後 ドロリンゴの勧誘(と云う名の脅迫)に筑波洋は応じた。勿論偽りである。
とはいえ、言葉をそのまま信じる程ドロリンゴも御人好しではなかった。仲間になる証拠として、洋とその仲間達が出入りしている喫茶店・ブランカの面々の首を持って来い、と命じた。
要するに殺人という大罪、それも親しい者達を手に掛けると云うえげつないものをやらせることで、真っ当な人間としての日々を送れなくすることで完全に悪の組織の一員にせんとしたものだった(過去作でも触れたが、『水滸伝』で幾度か見られた手法だった)。
結論から云えば、洋は応じた振りをして巧みに見届け人役のアリコマンドの前で谷源次郎(塚本信夫)達を青龍刀で斬ると見せかけ、アリコマンド達を討ち果たし、谷と沼二郎(高瀬仁)をアリコマンドに変装させ、スイカを生首に偽装すると云うベタな手法で(笑)ドロリンゴの手から広介を救い出し、勧誘は完全に破綻したのだった。
まあ、洋の性格からすれば最初から成り立たない勧誘だった訳だが、同じ失敗するにしても、ドロリンゴがもう少し(要求に応じた振りをした)洋に対する監視を徹底するか、広介の身柄を簡単に奪われないようにしていれば、展開はまた違っていたかも知れなかった。30分(厳密には20数分)の時間枠にそこまでの展開を求めるのは酷だとは思うのだが(苦笑)。
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令和八(2026)年六月日 最終更新