規制対象その4 出す物を考えろ………モザイクは何の為?



言及1 本当に隠せているか?という問題
 AVを見ていて、「モザイク」という物を敵視した記憶のある人も多いのではないだろうか?
 法規では性器を映像で流すことは禁じられている。AVではないが、『水戸黄門第22部』で、かげろうお銀(由美かおる)の入浴を覗こうとしたら、既に出た後で、入ろうとしていた寛坊(西尾塁)がフルチンで立っているというシーンがあった。当時西尾氏は10歳で、まだ生えておらず、丸出しだった。
 このシーンが放映されたのは平成5(1993)年で、その約30年後にケーブルTV(TBSチャンネル1)で同じシーンを見たときにはぼかしが入っていた。時代的に規制は厳しくなっているという事だろうか?

 ただ、このモザイクの存在意義には正直、疑問を感じている。
 確かに世の中には―未成年への悪影響防止や、プライバシー保護の観点から―見せてはいけないものがあり、それをモザイクで隠すことが必要なケースはごまんと存在する。たが、適切に施されているだろうか?

 第1頁の人妻物AVでも言及したが、多くの作品で全く顔を隠していない一方で、稀に隠したものを見ても、真剣に隠しているとは思えない。目の周りを隠したぐらいでは親しい人間は完全にばれる。
 あくまで無関係な第三者に分からないようにする、バレた際も決定的証拠を回避するぐらいの効果しかなく、抱かれた疑惑を解消する効果は見込めないだろう。

 また、性器を隠すという観点でも、効果が疑わしい。
 性器である以上、当然男性器もモザイクで隠す対象である。ただ、男性器、殊に勃起した陰茎はモザイクを掛けたところで、裏筋や亀頭の割れ目が隠せるぐらいで、形や大きさはモロバレである。まだ女性器の陰核や膣口の方が隠されていると云えるだろう。
 隠すべきもの、本当に隠せているか?という問題は今一度AV(に限らないが)関係者には真剣に再考して欲しいものである。


言及2 「いっそ、外したら?」という意見
 見ることを禁じられると余計に見たくなるのが人情である。そして期待が大きければ大きい程、期待外れだった時の反動は大きい。それ故、俺は女性器にモザイクは要らないんじゃないか?と思っている。

 一応真面目に論じるのだが、隠されるから見たくなって、それを見る為に犯罪が起きる。余り良い表現ではないが、俺はAVに性犯罪を回避するガス抜き的な効果があると思っている(過剰であれば犯罪を誘発する面もあるとは思うが)。
 実際、下手に隠すことで、それを見たい一心で覗き・盗撮・強姦が起きているケースもあると思う。勿論AVや規制がどうあれ、やる奴が馬鹿で、極悪なのだが。

 また裏ビデオなどで実際に、念願叶って見られた女性器にがっかりした声も聞いたことがある。
 不良刑事・三白眼の友人は初めて裏ビデオを見たとき、その晩夕飯が食べられなかったらしい。またある雑誌の読者投稿コーナーでは、「初めて裏ビデオで女のあそこを見たとき、そのグロさに、「この人は処女膜再生手術に失敗したのか?」と思った。」というものもあった。

 実際、道場主の馬鹿自身、「見るだけ」なら女性器よりも乳房の方を好む。触ったり、舐め回したりするのはどっちも同じぐらい好きだとほざいているが………ぐえええええええぇぇぇえっぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええ…………(←道場主のブランケット・オーバーライダーを食らっている)。
 いててててててて、まあ興味本位ではない、正しい性知識を持たせる意味では、AVは下手に邪な興味を増幅する存在でしかないという考えだ。
 周知の通り、裸体を映像や写真にすることに対する規制の軽重には国によって大きな差異がある。女性が夫以外の人に肌を見せる事すら禁じるイスラム圏ではかなり厳しい。逆に国によっては売春さえ合法である欧米では性器にモザイクが掛からないことが多く、「洋モノ」というだけでノーモザイクを連想する者も多い。

 個人的に締め括ると、「不道徳な内容のものへのモザイクを厳しくし、性器のモザイクを外せ。」というのが、道場主の馬鹿の意見である。


言及3 禁止から派生する「騙し」・「不法行為」の問題
 上述したが、見ることを禁じられると余計に見たくなるのが人情である。そして禁じられたものの触れようとすれば、それは容易に違法行為を生む。それ故に何でもかんでも禁じるのも考え物で、その辺りの規制と緩和は極めて難しい。

 例えば、現代日本では売春は違法である。
 だが、ソープランドに行けばSEXは出来る。一応、「客とソープ嬢の自由恋愛」という建前だが、客がSEX目的に短時間に高い金を払っているのは誰の目にも明らかである。一方、ソープランド以外の風俗店ではSEX=本番行為は禁止である。店舗はルールとして本番行為を禁じ、違反があった場合にはかなり厳しい措置を取る。それが売春という違法行為となる故に。
 もっとも、風俗嬢と客次第ではSEXが行われることもしばしばで、店が黙認することもあれば、店が禁じていても嬢が指名を多く得たい一心で客の欲望を受け入れることもあるらしい。

 なかなか難しい問題だ。
 自由恋愛で行われるなら違法ではないが、本当に自由恋愛なのか否かは当の本人にしか分からない。通常の風俗店よりも高い金銭を支払うことでSEXが出来るとあっては売買春としか云い様がないのだが、かといって法律を杓子定規に厳守して、一切合切を禁じれば却って犯罪や違法な売買春を誘発するだろう。

 この手の問題は複雑で広範囲で語り出せばキリがないので、本頁の格であるモザイクに絞って話すのだが、通常AVにてモザイクで隠されているモノを見たい一心で、手段を択ばないことで起きる違法行為、それに付け込んだ詐欺があることに触れたい。

 早い話、裏ビデオを巡る問題である。
 AVを撮影した段階では当然まだモザイクは掛かっていない。そのまま売れば「裏ビデオ」という名の違法作品となるので、映倫・ビデ倫の指導に従って、編集時にモザイクを掛けて市場に出るのである。
 つまり撮影した段階では裏ビデオで、裏ビデオを作ることは犯罪ではない(もしこれを犯罪化すれば、若い夫婦が性行為を思い出に録画するのも犯罪なりかねない)。モザイク処理を行わず売ることが違法なのである。そしてこの過程を利した多くの抜け穴とそれに乗じた騙しがある。

 例えば、AV制作会社が未修正のビデオを売らずに保管していたとしても問題はなく、それを知人に(金と引き換えにせず)渡したとしても一応は違法行為ではない。それゆえに特別な伝手があれば裏ビデオの入手は可能で、道場主の馬鹿も過去に何度か裏ビデオを入手したことがあるが、偶然の賜物である。ちなみに裏ビデオを買うのは罪にならない。
 そして入手が完全に不可能ではないことから、それに便乗した詐欺商法がある。

 過去に道場主の馬鹿は二度裏ビデオの購入を試みたことがあった。
 一度は普通にエロビデオ販売店で購入しようとしたものである。当時愛好していた白石ひとみという女優のAVに、「モザイク無しの地下流通版」と銘打たれていたので、「もしそれが本当なら。」と思って、購入した。金額はごく普通のものだったので、余り期待していなかったが、やはり普通に肝心なところにはモザイクが掛かっていた。
 後日、友人の一人にその話をして、「看板に偽りありだな。」と云ったところ、友人は、「実際に裏業界で流通していた裏モノにモザイク処理を施して売ってるんだろう。」と云っていた。まあ、この程度は可愛いものである。金銭的にも普通にAVを買ったのと変わりなかったので。

 二度目は、一人暮らししている時、ポスティングされていた裏ビデオのチラシに挑んだ時だ。10本の裏ビデオが1万円で買えるというもので、胡散臭さ満載だったが、「1本あたり千円で買えて、話の種が買えたと思うならさして損はない。」と思って注文した。

 果して全くの嘘っぱちだった。
 代金引換時に宅配業者に、「文句は店に云ってね。」と云われた。開封すると10本のビデオの上に手紙が一枚入っていて、裏ビデオは販売が禁止されている違法な品で、そんなものは扱っていないことが書かれてあった。チラシとは全く逆のことが書いてあった。
 ただ、これだけなら然程腹も立てなかった。1本辺り1000円での購入ならAVとして別段ぼられた訳でもない。つまらない作品なら、爪折部分にテープを貼って普通のビデオテープとして利用すれば良いとも思っていた。
 腹が立ったのは、テープ1本が15分しかなく、内容も(モザイク有無とは無関係に)全く注文したものとはことなっていたことである(10本もあるので、様々なジャンルのものを注文したが、どれもが何の変哲もないプレイだった)。録画用のビデオテープとしても役に立たなかった。
 加えて、上述した手紙には、「裏ビデオと期待して注文されている方は何か勘違いされているのでは?と思っています。」と記載されていたこともむかっ腹が立った。
 明らかに裏ビデオを宣伝文句にしつつ、「何か勘違い」と云ってのける態度に腹が立った。元より過度な期待はしていなかったし、話の種を買った程度に考えて争うこともしなかったが、元より覚悟があったから被害が軽微だっただけで、態度としてはかなり悪質である。
 本当に期待していたり、裏モノの稀少性を利用した高額品だったりしたり、といったケースでのもっと悪質な騙しはごまんと存在するだろう。何せモノがモノ故に多くの被害者が訴えることを躊躇うだろう(まあ、それこそが悪質業者の狙いなんだろうけれど)。

 話ついでに言及するが、「モザイクを消す機械」は100%詐欺と断言する。
 AVの編集を行う人に聞いたことがあるが、AVモザイクは隠すべき部分の画像データを削除した上にモザイク模様を被せたものである。つまり、謳い文句通りにモザイクを消せたとしても、そこにはブラックアウトした部分が残るだけで、期待したモノを見ることは出来ない。
 業者にクレームを入れたとしても、「モザイクは消せたでしょ?あそこが見れるなんて一言も云っていませんよ。」と開き直られるのがオチだろう。

 1920年代のアメリカ合衆国における禁酒法じゃないが、下手に規制したことで却って抜け道をめぐる犯罪が横行し、非合法組織の資金源になってしまうケースも存在する。
 今一度、モザイク処理の存在意義をAV業界は再考し、現実を見せることの大切さ、違法流通や詐欺の道を絶つ為にモザイク廃止は真剣に考慮されても良いと俺は思う。


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令和八(2026)年四月五日 最終更新