5.死人コウモリ………強いのか、間抜けなのか分からん………(苦笑)

登場『仮面ライダーV3』40話
所属組織デストロン(ツバサ軍団)
人間体ツバサ大僧正(富士乃幸夫)
死因 V3マッハキック
注目点ツバサ大僧正の本体。一度はV3を破る。
概要 デストロンツバサ軍団最後の一人にして、ツバサ大僧正(富士乃幸夫)の正体である。
 体内に「ヒマラヤの悪魔」と呼ばれるヴィールスを蓄え、吸血によって人々に菌を植え付け、犠牲者はヴィールスの影響でゾンビ化し、死人コウモリの操り人形と化していった。

 改造人間としてマンションを丸ごとデストロンの下僕化したり、得意の空中殺法を遺憾なく発揮して一度は仮面ライダーV3を破ったり、とその能力自体はかなり優秀(V3の両足を掴み、空中で行動不能状態に陥らせた上で地面に激突せしめた)。
 しかしながら本体であるツバサ大僧正は既にデストロン首領から最後通告を突き付けられており、背後には後任のヨロイ元帥が既に控え、切羽詰まった状態で尻を叩かれるように任務に取り組む体たらくだった。

 一方、敗れたV3=風見志郎は彼らしくない程戦意喪失していたが、立花藤兵衛のビンタ付き叱咤を受けて空中において側転することで滞空時間を稼ぐ特訓を積み、そこから派生した新技・V3マッハキックによって致命傷を負った。
 即死こそしなかったものの、戦闘も逃走も不可能で、翼がもげるや全身を痙攣させてツバサ大僧正の姿に戻り、(いつの間にか用意された)棺桶に身を横たえると、「デストロン首領よ、永遠に栄えあれ………。」の呟きを残して爆死して果てた。



コウモリらしさ 吸血による人間をゾンビ化させる能力、加えて一度は仮面ライダーV3をも破った飛行能力の2点にてコウモリらしさを表している。

 勿論、現実のコウモリに吸血されたからと云ってゾンビ化したりはしないが、コウモリ男の頁でも触れた様に、チスイコウモリは狂犬病を媒介する存在で、コウモリによる吸血は決して軽々しく考えていいものではなく、狂犬病以外の病原体に罹患させられることは決してあり得ない話ではない。

 また、死人コウモリのコウモリとしての特徴の強さに、「食性」という点がある。
 現実のコウモリは棲息地域によって若干の相違があるものの、多くは虫類を捕食する。そして夜行性のコウモリが蛾を食べるのは往々にしてある話だが、ヒマラヤの悪魔に罹患した人々は通常の食事を採らず、夜な夜な蛾を食していた。
 そしてヴィールスの感染源である死人コウモリ自身、食には貪欲で、最後はV3の自傷行為による血の流れを嗅ぎ付けることで誘き出された。その飢え渇き苦しんだものがようやくオアシスを見つけたかのような誘き出され振りははっきり云ってカッコ悪かった(苦笑)。



注目点 一言で云うなら長所短所のギャップが凄すぎると云うことであろう。

 前述した様に、正体がツバサ大僧正なので、ストーリー上忘れられようがなく、一度は仮面ライダーV3を破っている。しかも単に戦闘に勝利しただけでなく、V3=風見志郎をかなり弱気に追い込む程だった(同じくV3に1度勝ったツバサ軍団の一番手・火炎コンドルは戦意喪失にまでは追い込めなかった)。
 死人コウモリと火炎コンドルが短期間に2度V3に勝利したインパクトはライダー史にあっても強く、『仮面ライダーZX』においてタカロイドの飛行能力はツバサ軍団の能力を参考にされており、『仮面ライダーSPIRITS』でも徳島にてツバサ軍団に敗れた村雨良に対して立花藤兵衛が「志郎も二度敗れた。」と云って意気消沈する村雨を励ましていた。

 その一方で、(軍団として最後通牒を突き付けられていたシチュエーションがあるにせよ)後任のヨロイ元帥の陰に尻を蹴飛ばされる形にされたり(←しかもツバサ大僧正はヨロイ元帥のことを知らなかった様子)、V3が腕から血を流すという単純な誘き寄せに引っかかったり、とどうにも威厳がない。女子高や女子大の近くを通りかかったら、生理中の女性一人一人に反応しかねないことになるぞ(苦笑)。
 また直接関係ないが、死人コウモリは後々になって彼を貶める比較対象に直面し続けた。
 V3が死ぬ思いで特訓して会得し、死人コウモリを倒したV3マッハキックは約一ヶ月後に平の怪人であるサイタンクにあっさり破られたから、死人コウモリの立場は弱体化されることとなった(もっとも、サイタンクはデストロン怪人で一番と云えるかも知れない強豪だったが)。
 加えて最終回ではデストロン最後の大攻勢の一員としてバショウガン・オニビセイウチと共に甦ったが、やったことは「少年ライダー隊員への報復」という名の子供いじめに過ぎず(苦笑)、台詞も無ければ、最期も曖昧だった(パンチ一発食らっただけで姿を消した)。
 卑しくも大幹部の正体にして、戦闘能力でもV3を苦しめた存在である死人コウモリに対する再生怪人に有り勝ちな雑魚振りに対するブーイングの声は決して少なくないだろう。
 余談だが、この第40話は、ストーリーが細部の台詞を含め、『仮面ライダー』第31話と瓜二つなことも批判が大きい(苦笑)。
 このように毀誉褒貶(?)が激しいので、死人コウモリを良く見るか、悪く見るかは最終的に個々人の好き嫌いによるところが大きいだろう。それもこれも強弱のギャップが激しいからなのだが、同時に単体としての戦闘能力だけでそう見られている訳ではなく、ストーリー背景や後からの比較参考も大きいと云うのを忘れてはならず、そういう意味においても死人コウモリは実に興味深い存在と云える。


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令和三(2021)年六月一〇日 最終更新