注目のコウモリ型改造人間
「『仮面ライダー』の第1話に登場する怪人は?」
と問われれば、特撮好きでなくても「蜘蛛男!」と答えられる人は多いだろう。
また、
「仮面ライダー各作品の第1話は蜘蛛系怪人が多い。」
と認識している方も多いだろう。実際には前述の蜘蛛男の他はクモ獣人 (『仮面ライダーアマゾン』)、クモ怪人 (『仮面ライダーBLACK』)、ズ・グムン・バ (『仮面ライダークウガ』)、ディスパイダー (『仮面ライダー龍騎』)、屋久島のツチグモ (『仮面ライダー響鬼』)、アラクネア・ワーム (『仮面ライダーカブト』)と、クモ系怪人が第1話で登場した割合は決して多い訳ではない。
にも拘わらず、「第1話はクモ。」とのイメージは根強く、道場主も2000年に11年振りに始まった新作・『仮面ライダークウガ』の第1話でズ・グムン・バを見た際に、「やっぱり、第1話は「クモ」なのね(笑)。」と呟いた記憶がある(笑)。
この疑問は少し考察してみて大体納得がいった。クモ型改造人間以外が第1話を担ったケースが多くても、クモ型よりも頻度の大きい存在はない。ジャガー型改造人間が第1話を担った作品として、『仮面ライダーV3』と『仮面ライダーアギト』があるが、たった2回でもクモ型に次いで多く、それが以外は単発と云っていい。
また、第1話を担わずともクモ型改造人間は結構存在感のある役割を担っている。それゆえ「クモ」がマスカーワールドに持つ存在感が大きく、自然と注目が集まるのだろう(各作品における「クモ」については最下段の表参照)。
だが、本作でシルバータイタンが注目しているのは「クモ」ではなく「コウモリ」である。人と同じことをするのを嫌がるひねくれ者のシルバータイタンゆえ(苦笑)、「クモ」ではなく「コウモリ」にしたと云うのも確かにあるが、コウモリ型改造人間にも独特の存在感があるものが多いことに気付いたからというのが一番の理由である。
マスカーワールド以外でも、
童話にて獣でもなく鳥でもない存在とされて「どっちつかず」の代名詞にされているコウモリ。
ヴァンパイアの化身として怪奇性のシンボルとされているコウモリ。
超音波で暗闇を物ともしない特殊能力故に興味深く見られたコウモリ。
そんなコウモリをモチーフとした改造人間達が各作品にてどんな役割を担ったのかに注目してみたい。
1.コウモリ男………凄惨な死の裏に
2.ガニコウモル………新組織の恐ろしさを具現化
3.サボテンバット………最終回手前の変わり種
4.バーナーコウモリ………人間体の方が不気味(笑)
5.死人コウモリ………強いのか、間抜けなのか分からん………(苦笑)
6.コウモリフランケン………「最強」の割には………
7.獣人吸血コウモリ………特撮界屈指の酷い処刑
8.コウモリ奇っ械人………タイタン様とシャドゥ様の狭間で
9.コウモルジン………素体も変身体もジジイ?
10.カセットゴウモル………丸でデストロン怪人?
11.コウモリ怪人………腰巾着ゆえの八面六臂
12.ズ・ゴオマ・グ………進化を重ねるも運悪過ぎ……
13.闇の翼ダークウィング………準主役のパートナー
14.バット・オルフェノク………コウモリ型怪人屈指の強豪
15.キバットバットV世………そしてついに主役へ
参考:クモ型改造人間略表(一例)
作品 クモ型改造人間 登場話 注目点 仮面ライダー 蜘蛛男 1 栄えある第1号。緑川博士を殺害。 クモライオン 87 本郷・滝に妨害されながらターゲット暗殺に成功 仮面ライダーV3 ドクバリグモ 20、21 劇場版では「貴様だけは許さん!」と強烈な敵意をV3から浴びせられていた。 仮面ライダーX クモナポレオン 28 マーキュリー回路内蔵手術を受けてパワーアップしたXライダーの真空地獄車で葬られたGOD怪人第1号 仮面ライダーアマゾン クモ獣人 1 栄えある第1号。首領に処刑される。 OP・EDに登場。 仮面ライダーストロンガー クモ奇っ械人 12 「ブラックサタン最強」との前評判有り。 仮面ライダー(スカイライダー) クモンジン 2 前期OP曲に登場。 仮面ライダースーパー1 スパイダーババン 6 自分の武器をスーパー1に利用されたからくりに気付かない間抜け野郎(笑)。 仮面ライダーBLACK クモ怪人 1 栄えある第1号。5体で登場し、秋月総一郎(南光太郎養父・秋月信彦実父)を殺害。 仮面ライダークウガ ズ・グムン・バ 1、2 栄えある第1号。 仮面ライダー龍騎 ディスパイダー 1 栄えある第1号。 ディスパイダー・リボーン 2 ディスパイダーの再生。 仮面ライダー555 スパイダーオルフェノク 26〜40 敵方の重鎮・ラッキークローバーの1人
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特撮房へ戻る令和三(2021)年六月一〇日 最終更新