登場番組 | 『仮面ライダーストロンガー』第32話 |
協力体制 | 一方的利用型 |
両者の友好度 | ★★★★★★★★★★ |
同時行動度 | ☆☆★★★★★★★★ |
共闘度 | ☆★★★★★★★★★ |
改造魔人紹介 遠い魔の国からやって来た、伝説のモンスター末裔が改造された改造魔人で構成されるデルザー軍団は強かった。『仮面ライダーSPIRITS』においても復活した悪の組織の中でも別格の扱いを受けている。
そんなデルザー軍団を構成する改造魔人達は全員が大幹部クラスの膂力を持ち、ブラックサタン滅亡時の組織結成祝賀に際して、全員がリーダー就任に色気を見せた。結局ブラックサタン滅亡の功を認められたジェネラル・シャドゥの提案が重んじられ、仮面ライダーストロンガーの首を取った者がリーダーに就任することとなり、岩石男爵は5番目に、オオカミ長官は6番目に名乗りを上げた。
スフィンクスの末裔を名乗る岩石男爵は名前の通り全身を岩石で覆われた頑丈さを持ち、岩を集めたような棍棒を得物に、時に岩の塊に変化しての体当たりを駆使して、デルザー軍団「親分」の地位を目指してストロンガーに挑みかかった。
だが、長所である腕力と頑丈さと正反対にオツムの方は情けないまでに弱かった。ストロンガーには間抜けと呼ばれ、オオカミ長官にはいい様に利用され、シャドゥには「救いようの無い柄の悪さと単細胞」と陰で云われていた。日本のド田舎からやって来たとしか思えない訛りの強いしゃべり方に品格は欠片もなく、配下の戦闘員をしごく様もさながら不毛な特訓を課す鬼監督だった。
初動からしてシャドゥの指示で動いており、ストロンガーがドクロ少佐に討ち取られそうになるのを邪魔し、激昂するドクロ少佐に対して「面白い、やるか?」と云って笑っていたが、余程自身が有ったのか、何も考えてなかったのかは不明。
明らかに自分の手でストロンガーの首を取ることを狙っての妨害だろうけれど、オオカミ長官がシャドゥを「成り上がり者」と称して、これを失脚させる為にシャドゥが捕えた立花藤兵衛を逃がしに掛る節操の無さだった。そしてそれがシャドゥにばれて壊れるや、短気を起こして一人でストロンガー追討を宣言。それ以前も二度に渡ってストロンガー電キックを弾き返した頑丈ボディでもって余裕をかましていたが、藤兵衛の体当たりで押さえ込みから逃れたストロンガーが超電子人間にチャージアップすると超電子ドリルキックで断頭され、ボディも超電三段キックを喰らって戦死した。
この間抜けの岩石男爵を裏で糸引こうとしたのが狼男の末裔を名乗るオオカミ長官である。血統を誇るかのようにばりっとした白い軍服を纏い、頭部は電子の動きを模した被り物を被っているが、これはプラズマ波を出す武器にもなる。
実際、出で立ち以上にプライドは阿呆みたいに高く、ジェネラル・シャドゥを「成り上がり者」と評して見下し、これを排除することを企み、実際に闇討ちに出てもいた(かわされたが)。
そしてその目的の為に軍団内でも聡明とは云い難い岩石男爵や隊長ブランクのプライドをくすぐって利用するだけでなく、敵である筈のストロンガーすら交渉を持ち、これにシャドゥを討たせようとした。
最終的に先祖である狼男のお告げを受け、満月から得るプラズマパワーを駆使し、ブーメランにもなる指揮棒や歯形爆弾を駆使し、超電子技をものともしない膂力を見せつけたが、満月が雲間に隠れるやプラズマパワーがダウンし、その隙を突いて放たれた超電稲妻キックを受けて戦死した。
両者の邂逅 二人の改造魔人が行動を共にしたのは第32話だが、共に姿を現した最初は第27話での軍団結成会議の場である。ブラックサタン乗っ取りに功のあったジェネラル・シャドゥを暫定的なリーダー(というか議長)として岩石男爵とオオカミ長官も同席したのがそれである。
このとき、他の改造魔人では鋼鉄参謀・荒ワシ師団長・ドクターケイト・ドクロ少佐が同席している。そして仮面ライダーストロンガーを討ち取った者がリーダーとなることが決められ、鋼鉄参謀→荒ワシ師団長→ドクターケイト→ドクロ少佐→岩石男爵→オオカミ長官→隊長ブランクの順でストロンガー抹殺に乗り出した、個々に己が野望の為に他者の行動に介入したり、助太刀を装って隙を狙う為の接触を図ったりしていたが、基本は単独行動である。
実行動に移ろうとした意味での両者の邂逅は第32話で、ストロンガーに逃げられた岩石男爵は怒り心頭状態で部下に特訓を課している所にオオカミ長官は笑いながら現れた(確かにその特訓模様はお笑いだったが)。
オオカミ長官は即座にシャドゥ批判とストロンガーを利用することを説明して岩石男爵に共闘を申し出、単純な岩石男爵はあっさり了承して握手を交わした。
前述の結成会議に臨んだメンバーはデルザー軍団第一陣と呼ばれるが、メンバー同士の交流は不鮮明だが、改造魔人達の台詞から、それなりに互いの事を知っていたようではある。その中にあってオオカミ長官は荒ワシ師団長と並んで汚い手段を好み、それゆえに仲間の事もよくよく見ていたのは容易にうかがえる。
特に注目すべきは仲間との接し方で、荒ワシ師団長が鋼鉄参謀を横取りやダミー人形で騙したのに対し、仲間を装う分、オオカミ長官のやり方の方がより性質が悪いかも知れない。
実際、オオカミ長官が利用した岩石男爵と隊長ブランクはお世辞にも頭脳派とは云えない。狡猾なオオカミ長官の事、前々から両者とある程度の接触はあったのだろう。「いつか何かに利用しよう。」と思いながら。オオカミ長官同様に岩石男爵を見下していたシャドゥも「あれはあれで使える。」と云っていたのだから。
コンビネーション考察 いきなりぶち壊しに入るが、コンビネーションなど欠片もなかったな(苦笑)。勿論狡猾なオオカミ長官が間抜けな岩石男爵を一方的に利用しただけの関係に過ぎなかった。
何せオオカミ長官は子供達を生贄として満月プラズマエネルギーを得るまでは自分で戦おうとしていない。仮面ライダーストロンガーとの初対面時も自らの配下である精鋭狼部隊と小手調べ的に戦わせた後、即座に停戦を申し入れ、交渉に入っている。 また、ストロンガーが立花藤兵衛をジェネラル・シャドゥに拉致された為、シャドゥと戦えない事を告げると、人質奪還を約束して協力を求めたが、勿論岩石男爵にやらせて、自分ではやらない(笑)。
だが、岩石男爵が牢獄内の藤兵衛を連れ出したことをばれないように、と身代わりにおいた泥人形が顔すら作られていない土の塊だった為に、速攻でシャドゥにバレ、藤兵衛引き渡し・シャドゥ討伐打ち合わせの場とした殺生ヶ原にて城茂(荒木茂)と会した所をシャドゥが現れたために、オオカミ長官の城茂を利用する作戦も、岩石男爵を焚き付ける作戦も、瞬時に崩壊した。
この直後、岩石男爵はすべての助力を拒んで一人ストロンガー追跡に掛り、返り討ちにあい、結局岩石男爵とオオカミ長官は場は供にしても、行動は供にすることはついに無かった。
考察するまでもなく、両者に共闘も、コンビネーションもなかった。だが共闘にしても、一方的な利用にしても、頭を使って他者の力を利用するなら、利用相手の知能度合いもしっかり計算しなければ意味が無いことをオオカミ長官と岩石男爵のコンビは教えてくれ、その意味では非常に参考となるコンビであることは間違いない。
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令和三(2021)年六月一〇日 最終更新