登場番組 | 『仮面ライダーストロンガー』第34話・第35話 |
協力体制 | 形勢不利加勢型 |
両者の友好度 | ☆☆☆☆☆☆☆☆★★ |
同時行動度 | ☆☆★★★★★★★★ |
共闘度 | ☆☆☆★★★★★★★ |
改造魔人紹介 デルザー軍団の構成員が改造魔人であることはデルザー軍団成立時に判明するのだが、その正体を伏せて、ブラックサタンの雇われ幹部として登場したのがジェネラル・シャドゥ (声:柴田秀勝)である。
第13話で前任者の一つ目タイタン(浜田晃)が戦死したのを受けて登場。第17話一つ目タイタンが百目タイタンとして復活すると、「部下に冷たく、卑怯な手を好んだブラックサタン直属大幹部」である百目タイタンに対して、シャドゥは「(原則として)正々堂々とした戦いを好む雇われ幹部」として組織的には醜い、でも視聴者にはオモロイ対立を繰り広げ(笑)つつ、仮面ライダーストロンガーを討ち取ることを生き甲斐としていた。
第23話で百目タイタンが戦死し、再度ブラックサタンの指揮を任されると思いきや、ブラックサタン大首領(声:納谷悟朗)は最高幹部デッドライオンを召喚して、シャドゥには要はない、との態度を取った為、第25話にてクーデターを敢行。
ストロンガーがブラックサタン大首領を倒した間隙を突いてブラックサタンの残党を倒したり、吸収したりして第27話にてデルザー軍団を成立させた。
誕生したばかりの軍団内においてブラックサタンを滅ぼした軍功から議長的な立場で軍団の方針を示し、ストロンガーの首を取った者がリーダーとなると取り決めに第一陣メンバー(鋼鉄参謀・荒ワシ師団長・ドクターケイト・ドクロ少佐・岩石男爵・オオカミ長官・隊長ブランク)全員の賛同を得た。
しかしシャドゥを含め、全員がリーダーの地位を欲していたため、改造魔人同士の結束は全くなく、シャドゥも挑戦者達を励ましつつも、裏では失敗を狙っていた。その為に第一陣メンバーは全員戦死し、マシーン大元帥が来日するや軍団指揮権を剥奪された。
破壊工作もヨロイ騎士・磁石団長が実践し出すと、傍観者の立場を取りつつもストロンガー殺しの夢は捨て切れず、シャドゥパワーを駆使して最後の戦いに挑み、ストロンガーに重傷を負わせるも、自らも超電稲妻キックを喰らい、軍団を讃えながら戦死した。
設定によると魔物を先祖とする他の改造魔人達とは異なり、世界中を放浪するロマ族の末裔で、二度の世界大戦で敵・味方から注目される軍人だった。しかし激戦の度に改造手術を繰り返す内に「魔の国」に陥り、改造魔人となった、とのことである。
占いを得意とするロマの末裔ゆえか、トランプ(ちなみに任天堂製)占いを得意とし(的中率100%)、そのトランプは手裏剣・手榴弾・目くらましにもなり、等身大のトランプに隠れての火炎攻撃も行った。ただし、これは枚数に限度があったようだ。
「シャドゥ剣」と銘打ったレイピア(西洋の細剣)を振るって、刺突を基本とした剣術を駆使し、分身の術も披露した(それゆえ「シャドゥ」を名乗っている)。
十枚前後のトランプをばら撒いて姿を消す「トランプ・フェイド」、デルザー軍団結成後に纏うようになったマントを使っての「マント・フェイド」で瞬時にその場から姿を消し、ブラックサタン時代もデルザー軍団時代も神出鬼没を繰り返し、ストロンガー抹殺・地位獲得に躍起になる改造魔人達を巧みに裏で糸引いた。
そんなヒエラルキーと構成員同士の結束が無いデルザー軍団にあって、ジェネラル・シャドゥが唯一信頼し、同時にシャドゥを信頼して全力で協力した稀有な存在がヘビ女(声:瀬能礼子)である。
シャドゥがトランプ(ちなみに任天堂製)のエースを自らの象徴としたのに対し、ヘビ女はクイーンを象徴としていた。その名に違わず、蛇に変身する戦闘員を引き、自らも蛇に変身する能力を持ち、更には鱗(張り付けた相手を簡易的な操り人形にする)や蛇型の左手から伸びる牙(改造人間にも有効な麻痺毒を持ち、吸血も可能)を武器とした。
頭部に蛇らしからぬ角を持っていたが、これが何の為にあるかは不明。また胸部は女性らしい膨らみを持ち、同じ女性改造魔人でも男性スタントマンが演じていることが丸分かりな体型のドクターケイトとは対照的だった。
また切り札としてストロンガーの電気エネルギーを吸収する機能を持ったマントを纏っており、これを用いてストロンガーをダウン寸前まで追い込んだが、駆け付けた仮面ライダーV3にマントを払われるやストロンガーは復活。改造超電子人間にチャージアップしたストロンガーの超電大車輪キックを頭部に喰らって戦死した。
両者の邂逅 第一陣メンバーが仮面ライダーストロンガーの前にほぼ全滅状態となる状況下で、信頼出来る助っ人を欲したジェネラル・シャドゥの召喚に応じてヘビ女が来日した第34話が画面上で確認出来る両者の邂逅である。
もっとも、その後のやり取りや対話、互いを想う気持ちからも両者が組織結成以前から相当に仲の良かったことは誰の目にも明らかだった。
ドクターケイト評・ドクロ少佐評や、マシーン大元帥の指揮下に入っても磁石団長には強気で振る舞っていた態度からもシャドゥがデルザー軍団内の人をよく知り、知られていたのは一目瞭然である。またヘビ女戦死直後のうなだれるシャドゥに「嘆き悲しんでいる場合ではないぞ。」とマシーン大元帥が云っていたことからも、両者の絆の強さは軍団内でも有名だったことが窺える。
コンビネーション考察 両者が行動を共にしたのは第35話のラストで、ヘビ女が仮面ライダーストロンガー&仮面ライダーV3のタッグと対峙することとなると、その加勢に駆け付けた。デルザー軍団の改造魔人同士に共闘例が無い訳ではないが、正味において片方の危機にその命を救わんとしてもう片方が駆け付けた例などこの一度切りである。
結局、このタッグマッチはキン肉マン&モンゴルマンVSバッファローマン&スプリングマンの如く、完全なシングルマッチだった。
V3に窮地を救われたストロンガーだったが、即座に「俺に任せてくれ。」と云って、単身ヘビ女に挑み、その宣言に対してV3が何かしたり云ったりする間もなく、ジェネラル・シャドゥが現れてV3に挑みかかったのだから、両タッグともツープラトンを発揮していない。
そして勝負がストロンガーの勝利に終わるとシャドゥは即座に撤収。仮面ライダーV3VSジェネラル・シャドゥというなかなかの好カードにロクなアクションシーンが無かったのは些か残念である。まあ、「チャージアップは1分しか持たない。」という設定がかなり忠実に守られていたゆえの事だとの理解は出来るのだが。
くどいが、デルザー軍団は全員が大幹部クラスの実力を持ち、大幹部らしき肩書を持っていた。そんな組織の中で、改造魔人同士は表面上はある程度の仲間意識を持って接しながらも、腹の底では互いの失脚を狙っていた。
しかし、唯一ヘビ女だけが肩書名を持たず、初登場時を除いてシャドゥを様付けで呼び、他の改造魔人ともかかわらず、シャドゥの指示だけに邁進していた。そんな悪の組織らしかなる盟友関係は大変貴重だったようで、他の改造魔人の死を嘲笑っていたシャドゥが彼女の戦死に対してだけは本気で悲しんでいた。
歴代悪の組織にあってトップクラスの脅威と強さを持ち、個々人の個性も色濃いデルザー軍団だからこそ、デルザー軍団のみならず、悪の組織において稀有とも云える両者の関係が戦術・戦略的にはコンビネーションを発揮せずとも、作品に花を添える意味で重大なコンビネーションを発揮した、と云うのは過言だろうか?
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令和三(2021)年六月一〇日 最終更新