3.ショッカーライダー1号&ハエトリバチ…自称・無敵コンビ

登場番組『仮面ライダー』第92話・第93話
協力体制形勢不利加勢型
両者の友好度☆☆☆☆☆☆☆★★★
同時行動度☆☆☆☆☆☆☆☆★★
共闘度☆☆☆☆☆☆☆☆★★
改造人間紹介 『仮面ライダー』第91話終盤にて、仮面ライダー1号は強敵ムカデタイガーと供に断崖からもみ合って転落し、消息を絶った(勿論死んでいない)。
 そのライダー不在の間隙を縫って、ブラック将軍が指揮したのが第92話から第94話に及んだ名高い「偽ライダーシリーズ」である。その第92話のラストに姿だけ現し、「ゲルショッカーのホープ」と称されたのが、ショッカーライダー1号である。

 ショッカーライダーは全員で6体いて、その6体の中で最初に登場し、ショッカーライダー2号以下の面々が第93話の途中まで現れなかったので、それまでショッカーライダーが複数いることは途中まで分からず、狭義において「ショッカーライダー」と云えばこのショッカーライダー1号を指す。えっ?第93話のサブタイトル(=『8人の仮面ライダー』)からバレバレだって?それを云っちゃイヤ〜ん…。

 ショッカーライダー1号の任務は本物の仮面ライダー1号に成り済まして悪事を為すことで、仮面ライダーの名を失墜させることと、アンチショッカー同盟が持つゲルショッカー首領の正体を記したコンピューター・テープの奪取、並びに同盟の殲滅である。
 勿論、能力と人数を活かした本物の仮面ライダー1号抹殺も含まれる。その能力はショッカーライダー全員がライダー1号と同じ身体能力と技に加えて指ミサイルを持つ。
更にショッカーライダー1号特有のものとして口から火炎を吐き(劇中未使用)、ブーツの爪先には短剣が仕込まれていたが、さすがに大往生流鶴足回拳が披露されることは無かった(←『魁!男塾』が好きな人だけ笑って下さい)。

 ショッカーライダー1号の容姿にはアンチショッカー同盟だけではなく、立花藤兵衛・滝和也・ライダーガールズも騙され………えっ?マフラー・手袋・ブーツの色?…それを今更突っ込むのは野暮と云うことで(苦笑)。
 ま、いずれにしても容姿を利して途中までは周囲を騙すことに成功し、生きていたライダー1号ともライダーキックの応酬・サイクロン号を駆使してのせめぎ合いで格闘能力においても充分な力を見せつけ、ハエトリバチの加勢も得て、殆どの勝負を有利に展開した。

 が、しかし、第93話にて一文字隼人(佐々木剛)にマフラー・手袋の色から偽物であることを見抜かれてからは容姿もよりも仮面ライダー1号と同等の能力(+特殊能力)並びにショッカーライダー2号達仲間との連携で本物を抹殺することが主要任務となる。

 流石に頭数をもってライダー1号2号との戦いを有利に展開したが、最後は名トレーナー・立花藤兵衛考案のライダー車輪の前に5人の仲間達と供に空中衝突・爆死した。

 そのパートナーを務めたハエトリバチはバルバドス島(カリブ海西インド諸島にある)出身で、ハエトリソウとハチの合成改造人間である。ショッカーライダー1号とは特訓・能力テスト・ライダー1号の仲間達の目を欺く等の目的で度々格闘を行い、本物のライダー1号ショッカーライダー1号の戦闘にも加勢した。

 その能力はハエトリソウ型の頭部からは人間を一瞬にして溶かす緑色の液を発射し、蜂の針状の右手で敵を刺し、触手状の左手は敵を締め上げることが出来る。また植物に化ける能力も持ち、この能力でアンチショッカー同盟の石神千恵(小野恵子)を襲って件のテープを奪わんとしたが、そこに行方不明だった本郷猛が現れて阻まれた。
 直後の戦闘にて、ショッカーライダー1号に加勢することでライダー1号を海辺の断崖絶壁でぶら下がった状態にまで追い込んだ所までは良かったが、第93話冒頭にてライダー1号を足蹴にして落とそうとしたが、その足を掴まれて供に海中に転落し、消息を絶った。
 勿論ライダー1号は生きていて、勿論ハエトリバチが生還することは無かった。
 ちなみに最終回にてヒルカメレオンの力で甦り、ライダー1号と戦った際も浜名湖に叩き込まれて浮かんでこなかった。水中とは相性の悪い奴だった。


両者の邂逅 第92話の模擬戦闘にてブラック将軍の眼前に現れたのが最初である。
 実験用囚人を溶解液にて惨殺して高笑いするハエトリバチの前に、これを打倒せんとして颯爽と登場したのがショッカーライダー1号である。
 勿論、これは能力テストを兼ねた模擬戦闘で、固い握手を交わした両者は共闘を誓い、実際に後に生還した仮面ライダー1号との戦いにも供に挑んだ。ブラック将軍をして「ゲルショッカーのホープ」と云わしめた実力者・ショッカーライダー1号は勿論、それとのパートナーを任じられたハエトリバチもそれなりに期待されていたようで、両者はともにかなりの自信家だった(実力はともかく)。
 模擬戦闘の直後、握手を交わしながらショッカーライダー1号が「ハエトリバチ、貴様と俺がコンビを組めば、この地上で相手になれる奴はいない!」と豪語すれば、ハエトリバチは「例え本物の仮面ライダーが生きていたとしても、だ!」と叫びながら応じた。これほど登場時から手強さを感じさせた悪のコンビも珍しいと思わせる邂逅であった。


コンビネーション考察 前述したように、ショッカーライダー1号仮面ライダー1号と同等の能力を持っていた。単純に考えれば両者の一騎打ちは相討ちか、供に相当の重傷を負う痛み分けになることが考えられる。  そしてショッカーライダー1号は指ミサイル・爪先短剣(取り外し可能)・火炎放射という装備において本物より有利だった。もっとも、本物のライダー1号にはこの時点で最低でも58体の改造人間を屠っており、『新仮面ライダーSPIRTS』によると既に偽仮面ライダー4体との戦闘を経験し、勝利していた戦歴を重ねており、「戦い慣れ」と云う意味では遥かに有利だっただろう。

 このことを考えると、実際の戦闘でショッカーライダー1号ライダー1号が互いの全力を出しつくすまで戦った所にハエトリバチが加勢した戦い方は極めて合理的である。両者がライダーキックを放ち合って、衝突による衝撃で片足をぐらつかせている所に襲いかかったタイミングも見事であった。
 この名コンビの惜しむらくは「詰めの甘さ」と云う悪の組織・必敗パターンハエトリバチの呆気ない戦死後、ショッカーライダー1号は本物仮面ライダー1号の死(←くどいが実際には死んでいない)に高笑いしていたが、そこには無きパートナーに対する哀悼は微塵も無かった。ま、悪の組織らしいと云えば悪組織らしいのだが。


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令和(2021)年六月一〇日 最終更新