第3頁 白井虎太郎………例え女性陣に侮られ続けようと
「太郎」File.3
名前 白井虎太郎 演者 竹財輝之助 立場 一般人レギュラー 登場作品 『仮面ライダー剣』 兄弟構成 姉あり 「太郎」の付く親族 無し 名前を呼ばれる頻度 ほぼ100%に近い
人物像 23歳のフリーライター。ノンフィクションのサイエンスライターを目指して勤めていた出版社を退職し、仮面ライダーの都市伝説を追っていたところ、仮面ライダー剣・剣崎一真(椿隆之)がアンデッドと戦っていたところに遭遇したことで、共闘関係となる。
一真に取材を断られたものの、家賃滞納で下宿を追い出された一真に対して、親代わりだった叔父が亡くなったことで受け継いだ白井牧場・屋敷に住まわせることを条件に、同居しながらの取材が可能とすることに成功した。
ちゃっかり屋で好奇心から周囲が見えなくなる欠点を持つとはいえ、真面目で純真な性格。取材目的とはいえ、いざ行動を共にするとなると一真への協力は惜しまず、人類基盤史研究所・BOARD壊滅によって行き場を失った広瀬栞(江川有未)の同居も認めた。
夫に死なれて若くして未亡人となった姉・栗原遥香(山口香緒里)、その娘(つまり姪)天音への愛情も深く、常に気に掛けていた。
作中において、序盤は何かと損な役回りが多かった。何せ、共闘関係にあるレギュラー男性陣の大半が仮面ライダーに変身する中、唯一の一般ピープルにして、戦いを職とするものでもなかったので、アンデッドに意思を操られそうになったり、好奇心で手を出したホログラムを消してしまって周囲から総スカンを食らったり、激闘の合間を縫って書き上げた原稿も編集長(顔田顔彦)に相手にされず、不審に思って天王路博史(森次晃嗣)の名を出すと、「生きていたかったら、その名は口にするな!」とどやされる等、およそカッコ良さとは無縁だった。
殊に女難の相があるのか?と云いたくなるぐらい女性絡みは災難続きである。
姪である天音は叔父である虎太郎を(嫌っていた訳では無いのだが)呼び捨てで呼び、全く敬意を払わず、仮面ライダーカリス・相川始(森本亮治)に亡父の影を重ねて懐く余り、完全に実の叔父である虎太郎よりも風来坊である始を信頼した。また、住まわせてやっている筈の栞から部屋を立ち入り禁止にされたり(まあ、女性故にプライベート空間は仕方ないが)、作中出会った吉永みゆき(肘井美佳)が初恋の相手だったので、23歳にして年齢=彼女いない歴だったことが分かる。
まあ、うちの道場主も23歳の時には年齢=彼女いない歴で、両者が同数にならなくなったのは三十……………ぐえええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ(←道場主のカメハメツイストを食らっている)。
いてててててて………まあ、それでも健気に一真達を支え続けた男である。一時は始がカリスでありアンデッドでもあることを一真の口から告げられたことで始を激しく敵視したが、「アンデッドの良心を信じることで始のことも信じられるようになるかもしれない」という理由で上級アンデッドである吉永みゆき(正体はオーキッド・アンデッド)を助けるなど彼なりに試行錯誤し、最終的には始を信頼するようになって、体を張って窮地を救う男気を見せた。
本編の4年後が描かれた劇場版『仮面ライダー剣 MISSING ACE』ではライダー達を取材した書籍「仮面ライダーという名の仮面」が2000万部を売り上げるベストセラーとなり、印税で左団扇の日々を送り、一真からも「嫌な奴になった。」と評されていたが、これは単に夢が叶い、思わぬ大金を手にして平和な世で少し調子に乗っていただけで、すぐに元の虎太郎に戻ったのだった。
名前と作風の関連 正直、「白井虎太郎」と云う名前に関しては、作品とどう関連しているのか分からないし、特にこれと云った関連も設定されていない気がする。
トランプをモチーフとした4人の仮面ライダーに関しては、剣崎一真、橘朔也(天野浩成)、相川始、上条睦月(北条隆博)の各々に、トランプのAである「一」に関した名前がついている(橘朔也の「朔」は「一日(ついたち)」を意味し、上条睦月の「睦月」は「一月」を意味する)。
逆に云えば、この4人以外は命名にこれと云った由来が無いように思われる。
名前への個人的所感 「仮面ライダーと共に悪と戦う仲間」と云う色眼鏡で見て見ると、「虎」という名前を冠した白井虎太郎は恐ろしい程名前負けしている(苦笑)。「虎」の字が含まれることに、『三國志』に出て来る魏の名将・張遼の息子・張虎(←愚将ではないのだが、どうしても父親に見劣りする)がダブるのはシルバータイタンだけだろうか?
それはさておき、剣崎一真の仲間達の中であるレギュラーメンバーの中では、唯一人ライダーに変身しない一般ピープルなので、彼に三枚目の役を振られるのはある意味し方のないことなのだが、それならそれで何も見た目に勇ましそうな名前を付けなくても良かったのに、と思わないでもない。それとも、戦闘ではどうしても弱い立場を振られる為に、「名前だけでも強そうに…。」と思われたのだろうか?
ちなみに虎太郎は(住んでいるのが牧場と云う事もあるのだろうけれど)「ミルク姫」という牛乳を愛飲しており、周囲からも「世界一牛乳に愛されている男」と呼ばれている。勿論牛乳は栄養満点の飲み物で、健康とカルシウムの基となるが、ステータス・ドリンクとして愛飲者を猛々しく見せるイメージではない。強そうに見せるなら、やはり強い蒸留酒か、ブラック・コーヒーになるだろう。
弱そうに見せて、それでも芯の強さがあるキャラを描くため、「強そう」と「弱そう」を織り交ぜる為に、虎太郎と云う名前は生まれたのであろうか?伊集院光(本名・篠岡健)氏も、イメージギャップを狙って、敢えて自らの風貌・立ち居振る舞いとは合致しない芸名を名乗ったと聞いたことがある。
まあ、白井虎太郎を演じた竹歳輝之助氏は、「甘いマスク」タイプなので、下手に強くしても同タイプである天野浩成氏と被ればかなり存在感を薄めるリスクがあったのと思われるので、制作陣は剽軽さ、三枚目役を振りつつも、「それでも身内や仲間の為にいざという時はすべてを擲つ強さがあるんだぞ。」ということを忘れない為に「虎」の字が冠されたように思われる次第である。
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令和七(2025)年六月四日 最終更新