第7頁 如月弦太朗………「郎」じゃないけど許してね

「太郎」File.7
名前如月弦太朗
演者福士蒼汰
立場主人公
登場作品『仮面ライダーフォーゼ』
兄弟構成一人っ子
「太郎」の付く親族無し
名前を呼ばれる頻度教師以外はほぼ全員名前で呼ぶ


人物像 私立天ノ川学園高校の2年B組に転校してきた高校生で、友情と昭和の遺物とも云えるヤンキースタイルを堅持する人物。「この学校の生徒全員と友達になる男」と自称し、暑苦しくも快活な好漢である。
 転入初日にゾディアーツと遭遇し、歌星賢吾(高橋龍輝)から奪ったフォーゼドライバーで変身。当初は賢吾と対立するも幼馴染・城島ユウキ(清水富美加)のアドバイスにより、自分がフォーゼに変身する肉体労働、彼に分析や助言を任せる頭脳労働という関係を成立させ、仮面ライダーフォーゼとして闘うこととなった。
 その後フォーゼの力で学園を守るべく独断で仮面ライダー部を創立、高校生活を楽しむ傍ら、仲間を集めてゾディアーツから生徒を守る闘いをくり広げた。
 誤解を恐れず云えば、昭和末期から平成初期の不良漫画の主人公によく見られた性格。つまり、「現実はそんなもんじゃない!」と云いたくなる不良キャラである(苦笑)。 

 小学3年時に交通事故で死亡した両親の仕事の関係上全国を転々としながら過ごし、弦太朗に新しい友達が出来る度に両親が大喜びした感動と全国を転校し続けた経緯から、「友達を作る」ことに意義を見出していた。
 その暑苦しいとも云える姿勢に当初は周囲も引き気味だったが、トラブルを通じて解決時には相手から認められ、友達になった相手には友情の確認の意味を込め、握手と共に互いの拳を数回打ち合わせる「友情のシルシ」を交わす。
 仮面ライダーとなる前から、身体能力は高くケンカも強く、勉強はからっきしだが、それはしないだけで、学習能力は総じて高い(本編の5年後となる劇場版の世界では母校である天ノ川学園高校の教師となっている。少なくとも大学に進学する学力は身に着けた)。
 短絡的かつ型破りだが、おおらかな性格ゆえ「気に入らない奴ほど友達になる」と豪語するなど、周囲には悪事を働く者を含めて分け隔てなく接する。そういった考えの下で多くの人間と積極的に関わってきた経緯から、他人のクセや心に潜めた本質を見抜く洞察力と、周囲の言動に心を乱されにくい年齢不相応な落ち着きを併せ持っており、無意味に傲慢な態度をとることはない。
 勿論直情的で思い込みが激しい故に良かれと思ってやったことが裏目に出て、相手の反感を買うこともあるが最後には仲良くなる。
 ヤンキースタイルと直情的な思想故・行動から教師陣の印象も良くなく、彼を敵視した佐竹剛(神保悟志)には面と向かって反抗したこともある一方で、陰で呼び捨てにしていた大杉忠太(田中卓司)に対しては理解が深まるにつれて本人のいないところでも「大杉先生」と呼ぶようになっていた。

 最終回ではラスボス(と云い切るのは語弊があるのだが……)であったサジタリウス・ゾディアーツ=我望光明理事長(鶴見慎吾)とも分かり合い、友情のシルシを交わした。


名前と作風の関連 名前と云えば、この『仮面ライダーフォーゼ』においては、どうしても他の仮面ライダー部の面々の方に注目してしまう。と云うのも、彼等の名前が1号からアマゾンまでの名前のアナグラムであったり、それ等に因んでいたりするからである。

 このようなサイトを閲覧して下さる方には云うまでもないとは思うが………、
〇歌星賢吾 「本郷猛」→「ほんごうたけし」のアナグラム。
〇大文字隼 「一文字隼人」の頭の「一」と尻の「人」を合わせれば「大」となり、残りと連ねると「大文字隼」となる。
〇風城美羽 「風見志郎」→「かざみしろう」のアナグラム。
〇城島ユウキ 「結城丈二」のアナグラム・アレンジ。
〇JK(ジェイク) 「神敬介」のイニシャルがJK。そしてJKの本名は「神宮海蔵」で、アナグラムすると「カイゾーグ・神」と置き換えられる。
〇野座間友子 「アマゾン」の英語表記「AMAZON」を逆から読むと「NOZAMA(のざま)」となり、「トモダチ」を重んじるアマゾンの価値観から「友子」の名が付けられた。

 とまあ、1号からアマゾンまでの仮面ライダーに因んでいる。
 一方、肝心の主人公である如月弦太朗は7号ライダーである仮面ライダーストロンガー・城茂との全く関連性が無い(劇場版では仮面ライダー部の発表会でストロンガーのコスプレをしていたが)。数ある平成ライダー作品の中でもこの『仮面ライダーフォーゼ』ほど、キャラクターの名前にこだわった作品は無いと云って良い。
 そして歴代ライダー主人公の名前と関連しない弦太朗だが、転入生・朔田流星(吉沢亮)、理事長・我望光明(鶴見慎吾)には部首に「月」や「星」が含まれ、宇宙・星座との関連が強い同作の作風を反映している。
 また、完全ではないが、主要な敵陣であるゾディアーツの面々も名前に星座に関連した漢字や語が含まれるものも多い(例:リーブラ・ゾディアーツ(天秤座)の速水公平(天野浩成)なら、天秤に重要な「公平」が、レオ・ゾディアーツ(獅子座)・立神吼(横山一敏)なら、獅子に相応しい「吼える」の字が名前となっている)。
 一部の敵や、主要メンバーのみ名前に一貫性を持たせた作品は探せば沢山あるだろうけれど、この『仮面ライダーフォーゼ』は作品部隊をほぼ天ノ川学園高校内に限定し、宇宙をテーマにし、それに徹底的にこだわったことで仮面ライダーと宇宙を見事に両立させたと云える名作である。

名前への個人的所感 もう、ツッコんでいる方もいるかも知れないが、この頁で採り上げているキャラクターの名前は「如月弦太朗 」であって、「弦太郎」ではない(苦笑)。
 現実の世界において、名前に「朗」のつく人は、年賀状などで「郎」と間違って書かれることに頭を悩ます人をシルバータイタンは何人も見ている。また、プライバシーにかかわるので詳しく云えないが、道場主の名前も(道場主の亡父が好きなマイナー作家から命名したため)初対面の人には読めない人が多く、年賀状の名前も頻繁に間違えられたために、「朗」を「郎」と間違えられる人々の嘆きに決して冷淡ではない。

 それ以前の問題として、名前の漢字を間違えられることに激しい憤りを抱く人は少なくなく、作家の柴田錬三郎は、手紙のあて名が「柴田三郎様」と間違えられていた場合、読みもせずにその手紙を捨てていた。

 かように、その人に生涯ついて来る、その人の名前に用いられた漢字にこだわるなら、本作にて「如月弦太朗」は採り上げるべきではなかったのだが、『仮面ライダーフォーゼ』自体が、登場人物の名前にこだわりが強い作品故に本作にも特別に加えたくなったシルバータイタンの心情を御理解頂ければ幸いである(苦笑)。


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令和七(2025)年八月二日 最終更新