第6頁 後藤慎太郎………「慎」しみ深さを打ち破れ!
「太郎」File.6
名前 後藤慎太郎 演者 君島摩耶 立場 サブライダー 登場作品 『仮面ライダーOOO』 兄弟構成 不明 「太郎」の付く親族 無し 名前を呼ばれる頻度 ほぼ0%に近い
人物像 鴻上ファンデーションのライドベンダー隊隊長にして、仮面ライダーバース(二代目)でもある22歳の青年。
元警察のエリートだったが、鴻上会長(宇梶剛士)の「世界の平和を守る。」という理念に賛同して組織に入った。
作中では鴻上の命令に従い、火野映司(渡部秀)・アンク(三浦涼介)に接触し、ツールを提供すると同時に、彼等を監視する任務を負った。
生真面目でプライドが高く、犯罪と見たら鴻上会長であっても許さない信念を持つ一方で、自らの「世界平和」という高い理想・グリードに対して無力な自らに葛藤する事も多い。
またその理想高さから、世界平和より目先の人助けに奔走する映司がOOOに選ばれた事に不満を抱き、当初は鴻上会長がOOOを全面支援する方針にも反感を持ち、任務には忠実に取り組むものの、グリードであるアンクには敵意を剥き出しにしていた。
だが、徐々に映司の直向きさこそが自分に足りない物と認識を改め、映司に協力し、アンクにも態度を軟化させていった。
バースの力を手に入れる望みを持つも、開発者であるDr.真木(神尾佑)に反発したため、バース装着者の地位を自ら蹴ることになり、クスクシエのアルバイト店員を経てから鴻上ファウンデーションに戻るという経過も辿った。
その間、自分に替わってバース装着者となった伊達明(岩永光昭)に接近。指導を仰ぎ、鋭い洞察を受ける内につまらないプライドを捨て、柔軟な考え方を見せる様にもなり、鴻上ファウンデーションへ復帰する際には「ライドベンダー隊長」から「会長秘書・里中エリカ(有末麻祐子)の補佐」という立場への降格を甘んじて受けた。後に治療の為に離日した伊達からバースの役割とその信念を引き継ぐ。
肉弾戦では伊達に一歩譲るも、奇抜な発想・マニュアルを熟読する把握力・新パートナー里中とも徐々に呼吸を合わせた柔軟性で活躍。グリードとの戦いが終わった後は警察官に復帰した。
名前と作風の関連 『仮面ライダーOOO』の登場人物には名前に対して、作品上のこれと云った法則性は感じられない。 同番組の登場人物を大別すると、「主人公関係者」・「鴻上ファンデーション関係者」・「グリード重鎮」に大別されるが、その構成メンバーとて結構ばらばらである。
主人公である火野映司周辺の人物も、映司自身が根無し草に近いフリータにして放浪者とも云える生活を送る者で、グリードの一人であるアンク、そのアンクが乗っ取った泉真吾刑事(三浦涼介)の妹・泉比奈(高田里穂)、そして比奈が務めるバイト先の店長・白石知世子(甲斐まり恵)と交流を持ったが、それも映司が誰とでも仲良く出来る人間だったからであって、きっかけそのものはかなりなし崩し的だった。
一方、鴻上ファンデーション関係者は、会長の鴻上、その秘書・里中、そしてライドベンダー隊隊長・後藤慎太郎(君島摩耶)、研究所所長で最後にラスボスとなったDr.真木を除けば後は名もなきライドベンダー隊員達のみだった。勿論主要メンバー以外については一切が不明である。
逆の見方をすれば、レギュラーメンバーのほぼ全員に独特の立ち位置と、個性が有ったので、名で体を表す必要はなかったのかも知れない。
ちなみに個々人の詳細及びストーリーとの関連については過去作『仮面ライダーOOO全話解説』を参照頂ければ幸いである(笑)。
名前への個人的所感 後藤慎太郎の名前に対して、シルバータイタンの想う所………………それは先に日本全国の「慎太郎」さんに対して先に「申し訳ございません。」と謝っておくが、シルバータイタンは「慎太郎」という名前を聞いて良い気分はしない。それは既に故人だが、『仮面ライダーOOO』放映中は存命していた同名の政治家が大嫌いだったからである。
まあ、拙房は政治を語るところではないし、制作陣が後藤の名を設定する際にこの政治家を意識していたか否かは不明なので、同名を話題にすることが適切か否かは何とも云えないのだが、シルバータイタン的には両者が共に頑固者である一方で、後藤が良い意味で徐々に砕けて行った展開は好きだった。
上述した様に後藤は生真面目を絵に描いたような男(アンクに云わせると「石頭」、鴻上に云わせると「頑固で融通が利かない」)で、静かでも熱血正義漢である。第15話で鴻上ファンデーションが大量のセルメダル搬送に偽装して比奈を拉致しているのでは?とアンクが疑った際、護衛隊長を務めていた後藤は堂々と積み荷を披露し、そんな不法行為に加担する者が居れば決して自分が許さない、たとえそれが鴻上会長であっても例外ではないことを断言した。
まあ、プライドの高さ、そこから来る頑固さは同名の政治家と共通する。
鴻上は度々後藤がプライドに凝り固まって柔軟な発想・行動をできないところを彼の唯一の欠点と指摘し、時には「くだらない!」とさえ云い切った。
一例を挙げると、ケーキ作りが趣味である鴻上は大量に出来たケーキを社員達に食べさせていた。一番口にする機会が多かったのは里中だが、実は彼女自身は辛党で、仕事と割り切って食していた。「お給料が良いですから。」と云い、残業を断固拒否していたことからも、里中は会長秘書としての職を割のいい仕事としてそれ以上の利益を求めない代わりにそれ以上の労役や責任を厭うていたと思われる。
そしてそんな里中を良く知る鴻上は、「食べろと命じれば一日中でも食べ続ける。」としていた。だが、後藤はそんな里中を当初半ば侮蔑しており、会長に命じられて苦悶しながらケーキを食べ続ける社員を「見苦しい。」としていたが、逆に鴻上は彼の「会長である私に気に入られようとして必死なのだよ。」とし、暗に自他双方に対してプライドにこだわる後藤を窘めていた。
だが、時にはビジネス交渉でアンクすら手玉に取った鴻上は一筋縄でいく単純な人間ではない。
後藤に時には命令違反を辞さない柔軟さ、型破りな思い切りを求め、実際に後藤が独断専行に走った際はそれを「後藤君の成長」として褒めつつも、命令不服従の咎として1週間の謹慎を下した。矛盾した言動に見えるかも知れないが、シルバータイタンはそう思わない。恐らく鴻上は後藤に業務命令・賞罰に囚われない器の大きい人物になることを求め、それでもルールはルールとして厳格に守った。企業のルールに例外を認めずとも、成長した後藤ならそんな罰をものともしない大人物となることを期待していたと思われる。
実際、隊長を解任され、一時クスクシエでのバイトに身を落とし、あれ程睥睨していた里中の部下となった後藤 (←里中を「俺の上司」としつつ、呼び捨てで呼んでいた)は、段階的に大胆さと柔軟さを身に着け、立派な二代目仮面ライダーバースとなった。
生真面目でプライドの高い人間は自らにも厳しいルールを課すことで自縄自縛に陥り易い。郷とはその典型で、それ故に上司(会長、Dr.真木)には忠実で、年長者(伊達、知世子さん)には礼儀正しい一方で、敵と見た者(アンク)には挑発的で、年下(映司、里中)に対しても睥睨する様が目立った。
そしてルールを逸脱すまいとする故にこういう人物の立ち居振る舞いは得てして物静かである。正に「慎太郎」=「慎み男」であった。だが、後藤に近しい人物はその「慎み」を打破することを求めた。
平成のサブライダーには登場当初鼻持ちならない人物が多く、主人公ライダー同様、彼等もまたストーリーを通して人間的に成長する者が少なくない。ましてこの『仮面ライダーOOO』では、映司も伊達もどこか人生に対して達観したところが有ったので、成長譚は後藤に振られた面もあった。
まあ、「それを見越して名前を「慎太郎」にした!」と云うつもりはないが、後藤ちゃんの成長を見るとそう思われてならないものを感じるのがシルバータイタンの本音である。
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令和七(2025)年八月一日 最終更新