5.『オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー』でのガラガランダ

所属組織 大ショッカー
演者
改造体ガラガランダ
共闘者ブラック将軍、アポロガイスト、キングダーク、十面鬼ユム・キミル、ジェネラル・シャドウ、大神官ダロム、ジャーク将軍、ン・ガミオ・ゼダ、水のエル、ケルベロス、アルビノレオイマジン、テラー・ドーパント
対戦ライダー仮面ライダー電王・NEW電王
配下 ガニコウモル、タイガーロイド
タイムパラドックスとその影響 上映当時現役ライダーだった仮面ライダーOOOと、劇場版で人気を博した仮面ライダーNEW電王を主役に配した作品である。
 本来、『仮面ライダーOOO』の世界にショッカー仮面ライダー1号2号に滅ぼされた過去の組織だった(この劇場版封切を前後に挟んだ本編第27話・第28話では特別編としてショッカーの残党戦闘員が登場していた)が、イマジンとデンライナーが絡んだことで過去とつながりを持つこととなり、そこにショッカーが存在した。

 冒頭、OOOこと火野映司(渡部秀)は3体のモールイマジンと遭遇。形勢不利と見たコイツ等は偶然居合わせた少年の記憶を辿って過去に逃亡し、そこへ、時の列車・デンライナーとともに野上幸太郎(桜田通)と相棒のテディが登場したことで、40年前の1971年11月11日の世界に向かった。
 その世界でNEW電王はモールイマジンを倒したが、その間隙を突いてアンク(三浦涼介)がメダルの大量獲得を企み、映司やモモタロス達ともめ、そのいざこざでセルメダルを1枚落としてしまったことに誰も気づかなかった。

 そのメダルはショッカーの戦闘員に拾われ、ブラック将軍(福本清三)に手渡されたことでショッカーグリードなる強敵が誕生。ショッカーグリードは圧倒的な力で仮面ライダー1号仮面ライダー1号2号をも倒し、敗れたWライダーショッカーの洗脳手術を施され、その手先となってしまった為、タイムパラドックスが起きた。
 現代に戻った映司とアンクを待っていたのは、Wライダー以降の仮面ライダーが誕生せず、ショッカーが世界征服を達成していた世界だった。

 悪の組織による圧政的支配ゆえ、人々は心の底から忠誠を誓っていた訳ではいなかったが、ショッカーはブラック将軍が統括し、ショッカーグリードとWライダーが最強戦士として睨みを利かせ、その名の元にGOD、ゲドン、デルザー軍団、ゴルゴム、クライシス帝国、グロンギ、アンノウン、アンデッド、イマジン、ドーパントをも下部組織(または協力組織)として率いていた(幹部の存在に囚われなければ、ジンドグマ、バダン等の傘下に在った)。

 実際にはWライダーは心ある科学者(ささきいさお)の手で洗脳を解かれていたのだが、ショッカーグリードを討たんとして、その姿を求めて表向きは「ショッカーの手先」の振りをしていたが、当然それを知る由もない人々からは忌み嫌われていた(2号ライダー曰く、「じっと悪の汚名に耐えながら」とのこと)。
 街中はショッカーの名の元に表向きは繁栄し、ショッカーの栄光を讃えていたが、悪の組織独特の選民思想に漏れた人々はスラムに身を潜め、学も受けられず、年端も行かない少年達が盗人に身を落として糊口をしのぐ世界だった。


立場 上記の様な背景を持つゆえか、仮面ライダーNEW電王仮面ライダーOOO、グリードが関わる前から1971年11月11日時点の『仮面ライダー』の世界が実際に放映されていた『仮面ライダー』と矛盾する。逐一指摘するときりがないので、略記すると下表の通りになる。

事柄 本来の世界との矛盾
大幹部  1971年11月11日は『仮面ライダー』の第32話と第33話の間で、ゾル大佐が日本支部に赴任していたが、同映画ではゲルショッカーの幹部であるブラック将軍が日本攻略の指揮を執っていた。
構成怪人  1971年11月11日の段階ではショッカーが世界征服に勤しんでいたが、同映画ではゲルショッカー怪人のガニコウモルや、デストロン怪人のカメバズーカがこの段階で登場している。
少年ライダー隊  『仮面ライダー』にて少年ライダー隊が誕生したのは1971年11月11日よりも半年以上も後。
後続ライダー  Wライダーが(表向きは)ショッカーの手先となり、ショッカーが世を統べていたので、後続ライダーは表向き存在しないことになっていた(当然世に知られていない筈)が、民衆は突如登場した仮面ライダーV3以降のライダー達に対してその名を挙げて声援を送っていた。
首領  声は『仮面ライダー』と同じく、納谷悟朗が担当。但し、その姿はゲルショッカー首領としてのそれ。もっとも、ショッカー首領としての姿は未登場のまま、ゲルショッカー首領となったので、姿が同じでも矛盾しているとは云い切れない。
ミツルとナオキ  『仮面ライダー』では少年ライダー隊の最古参メンバーにして、リーダー格。同映画では2011年からタイムスリップしてきた少年でナオキだけが過去に残った。

 そもそもタイムパラドックスが絡むので、『仮面ライダー』という40年前の世界がそのまま描かれるのは様々な意味で無理があるのは良く分かる。だが本来の世界より遥かに肥大化したショッカーでありながら、その構成員の影は地獄大使を始め、極端に薄い物となっていた。
 大幹部の立場は、ゲルダム団の幹部にして後にゲルショッカーの大幹部となる筈だったブラック将軍が務め、地獄大使を初めとするショッカー幹部は登場しなかった。怪人にしたところで、ガラガランダ、イカデビル、ジャガーマン、シオマネキング、ザンジオーのみで、それもガラガランダとイカデビルがガニコウモルと共に総決戦時に先頭に立っていたことを除けば、見せ所はヒルカメレオン、ショッカーグリード、カメバズーカに奪われていたと云っていい。

 地獄大使=ガラガランダが好きなのはシルバータイタン個人の趣向だから、その活躍が目立たなかったことに異議は唱えられないが、些か元祖としてのショッカーが軽んじられていると云えるのではないだろうか?



最期 前述した様に、ショッカーグリードの為に敗れ、洗脳され、ショッカーの手先になったと思われた仮面ライダー1号2号は密かに洗脳を解かれ、後続のライダー達も誕生していた。

 ショッカーグリードによって火野映司、野上幸太郎、アンク(withモモタロス)も捕らえられて、処刑台に掛けられ、人々の僅かな希望の灯も消されようとしていた時、少年ライダー隊を名乗る少年達がオーズドライバーを持って映司に駆け寄って来た。
 勿論ショッカー側ではこれを阻止せんとしたが、大衆がこれに味方し、仮面ライダーOOO仮面ライダーNEW電王が人々の前にその雄姿を現した。そこへ、俺達に任せろとばかりに現れたWライダーは自分達がショッカーに洗脳されている振りをしていただけであったことをカミングアウトした。
 それでも「たった四人で何が出来る?」とジェネラル・シャドゥ(声:柴田秀勝)が強きに出るも、仮面ライダーV3を初めとする歴代ライダー達も誕生していたことが明らかになり、次々とその雄姿を現した。
 勢い、28人の仮面ライダーと歴代悪の組織の大幹部・怪人達がぶつかり合う大混戦となった。

 その中で、前述した様にガラガランダはイカデビル・ガニコウモルと共に陣頭指揮を執って奮戦したが、最終的に仮面ライダー電王仮面ライダーNEW電王のコンビと戦う中、イカデビル共々戦死した。
 勿論怪人体のまま爆死しており、地獄大使がそれと思われる人間体が現れることはなかった。



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令和三(2021)年六月一〇日 最終更新