3.ウルトラマンA
名前 | ウルトラマンA |
地球人名 | 北斗星司 |
出演 | 高峰圭二 |
客演日 | 2007年2月17日 |
客演時サブタイトル | 第44話「エースの願い」 |
現れた場所 | 地球某所・月 |
使用した技 | メタリウム光線 |
来星目的 | 20年前にヤプールを閉じ込めてそのまま残留。 |
変身シーン | 有 |
戦った相手 | 満月超獣ルナチクス |
スタイル | レストランオーナー(※劇場版に準ずる) |
テレパシーを送った相手 | ヒビノ・ミライ、カザマ・マリナ |
顔を合わせたGUYSメンバー | 無 |
言動 劇場版を別にするなら、1973年11月23日放映の『ウルトラマンタロウ』第34話、「ウルトラ6兄弟最後の日! 」以来、33年4ヵ月振りに北斗星司として再登場を果たした。
前週の第43話にてミサキ総監代行より怪獣頻出期より25年ぶりに現れるようになった怪獣・宇宙人・円盤生物達を呼び寄せている根源と見られた時空波が沖ノ鳥島近海より発信されていることを告げられたGUYSクルーの面々は発信源破壊に向かおうとしたが、発信源の移動と、ミライと連絡が取れない(原因は異次元人ヤプールの妨害)ことに何者かの罠を感じつつも、初めて訪れた手掛かりであることに座視できず、フェニックスネストにて発進した。
結局、逃げる発信源を追った結果、フェニックスネストは月に行く羽目になった。
月面で謎の物体からの攻撃でエンジン停止に追い込まれたフェニックスネスト内において、クルーの面々はそれが謎の石柱からの攻撃であることを知ったが具体的にどうしていいか分からずにいた。
週を跨いで途方に暮れる面々のだったが、北斗星司はカザマ・マリナに石柱が破壊可能であるとのテレパシーを送った。
北斗はマリナに干渉フィールドの放射ポイントと、ギリギリまで近付く事で破壊出来る事を告げ、マリナの幻聴ではないか?と多少疑いつつも、他に打つ手も見当たらない為か殆ど議論することなく石柱破壊の為の行動に移された。
余談だが、マリナは絶対音感の持ち主で、GUYSで一番聴覚に優れている。故に信頼も高く、マリナはジョージとともに、リュウは単独でそれぞれガンスビーダーに分乗して、石柱破壊に向かったが、それを満月超獣ルナチクスが妨害に現れた。
テレパシーでマリナに助言しつつ、月面で戦うGUYSと異次元でヤプールの卑劣な作戦を前に心を折られかけた状態で苦戦するメビウスの双方を見守っていた北斗は失意のメビウスに、月星人である南夕子と別れ別れになりながらも互いを心に感じあって戦ってきた自らの経験に即してメビウスが決して一人ではない事、心が繋がっているなら仲間と離れて戦う事が孤独にならない事を教え諭した。
北斗の激励に戦意を取り戻したメビウス。その時月面でルナチクスに苦戦するリュウ・ジョージ・マリナは、リュウがルナチクス迎撃を担当し、マリナが北斗から干渉フィールド発射の正確なポイントを助言され、それをマリナから聞いたジョージが見事破壊に成功し、フェニックスネストのシステムは再稼動した。
それを見計らったように北斗は夕子の名を呟くや33年4ヵ月振りにウルトラマンエースに変身して月面に降り立ち、ルナチクスに立ち向かった。
マリナの援護を受け、メタリウム光線でルナチクスを倒すエース。ほぼ時を同じくしてサコミズ隊長は石柱を完全破壊し、異次元ではメビウスがヤプールを倒して元の次元への帰還を果たした。
そのメビウスからミライに戻り、無事帰還を喜ぶも束の間、正体を見た度腐れジャーナリストのヒルカワ(加藤厚成)にそれを暴露する意志を告げられ、胸中穏やかならぬミライだったが、エースより、「優しさを失わないでくれ。弱い者を労わり、互いに助け合い、どこの国の人達とも友達になろうとする気持ちを失わないでくれ。例えその気持ちが何百回裏切られようと。」のウルトラ史上屈指の名台詞がテレパシーにて送られてきた。
虚空に向かって頷くミライにそれが自らの永遠の願いである事を告げながら人間体の姿に戻った北斗に背後から「星司さん。」との声が掛けられた。
声の主は純白のロングドレスに身を包んだ南夕子で、北斗星司と南夕子が互いに素顔で直に再会するのは1972年10月13日の『ウルトラマンA』第28話以来、34年4ヶ月ぶりの事である(『ウルトラマンA』第38話での再登場時は遠くから見かけたのみで、最終回での再々登場はテレパシーまたは北斗個人の想像と取れなくもない)。
夕子は北斗とも時と場を同じくして過ごしたであろう日々の可能性に触れつつも、自らの判断に後悔がなく、それは北斗が常に夕子を感じていたのと同様に自らも常に北斗を心に感じていたからそれが可能であったことを北斗に告げ、言葉少なに再会の感慨に耽る北斗と、かつてエースに変身する為に何度もそうしたように互いの掌を重ね合わせて再会を祝したのだった。
注目点 前述の名台詞をいの一番に挙げたいが、南夕子との再会も勿論注目ポイント。だが一番大切なのは物理的・距離的に離れ離れになった仲間同士が互いを思い、信じ、その存在を心に留め、それを糧に戦うことの大切さだろう。
それ故にこの第44話に客演した北斗星司・ウルトラマンエースはかつて兄弟内での若さゆえか感情的になったり、何かと前に出よう出ようとする―悪くいえば出しゃ張り、別の云い方をすれば先陣を切りたがる―性格だったが嘘のように裏方並びに助言役に務めている。
主人公当時のエース (というか北斗)の性格なら散々陰湿な攻撃で自分(達)を苦しめ、自らが地球に居れなくなる元凶ともなり、一方で20年前には自らの変身能力を奪う元凶ともなったヤプールに対してかなり攻撃的になっただろう(『ウルトラマンレオ』の第38話ではウルトラ兄弟を裏切って、ウルトラキーを盗んだと見なしたアストラ (実はババルウ星人の変身)に対しても最も激しい怒りと殺意を示していた)。
そんなエースが助言役を重点的に務めたのは、エースに人間的(?)成長に伴なう貫禄と風格が見られるようで実に興味深かった。
夕子との再会直前に出てきた名台詞だが、第36話「ミライの妹」でもサイコキノ星人カコが他の星の人々と打ち解けようとしない態度に意気消沈しているミライに対して、サコミズ隊長がドキュメントTACに残っていた記録としてこの台詞をミライに紹介し、カコにミライの気持ちが通じていることを説明していた(サコミズが読んだ通り、第49話でカコはミライの危機を助けに単独で地球に再来した)。
故にそれから2ヶ月ほどで再度この台詞が出てきたことにクサイものを感じる人々もいるが、シルバータイタンは『ウルトラマンA』放映時より35年の時を経ても尚、エースの名台詞がわざわざ語られなければならない現状に寂しいものを覚えた。この台詞が再度語られる必要性がある事に対して。
だが、散々自分を逆恨みして暴行・罵声を浴びせ、命惜しさとはいえミライに銃口を向け、発砲した挙句、命を救われた恩を恩とも思わず、悪びれもせずに正体暴露の意を示すヒルカワにさえ、礼儀正しく接し(←その様は底意地悪さでは悪役キャラ屈指のヤプールが呆れるほどである)、どこまでも地球人を愛そうとするミライの笑顔を見れば、北斗とミライの意は現在の子供達に通じ、今現在外交問題を誤ろうとしている一部の日本人達にも過去の記憶を呼び起こすと信じたい。
惜しむべき点 ズバリ夕子の出番が短過ぎ、の一言に尽きる(笑)。またこれは郷秀樹にも云えることだが、北斗には広島県福山市に普通の地球人として生まれた過去があり、35年に渡ってM78星雲やその他の星々で戦ってきたウルトラマンエースの戦歴は、同時に北斗に地球人であることを忘れさせる日々でもある(少々語弊があるが)。
何が云いたいのかと云うと、地球人とウルトラマンが一体化し、それによって地球人としての生涯が奪われることにこれといった説明が抱かれていないことへの不満である。
劇場版に従うならエースは20年前にヤプールを封じ込める為にエネルギーを使い果たして変身不能に陥って、神戸にてホテルのレストランのオーナー兼コック長としての日々があっただろうから、その間に隣の隣の県である広島に帰省しているであろう事は充分考えられるから、目くじらを立てることもないとも云えるのだが。一体化が地球人としての人生を奪う一面に対してはいつの日か納得のいく正式な説明が欲しいものである。
また前述したように、夕子の出番の短さは仲間達の元(恐らくは避難先である冥王星)に帰った彼女の後日譚が殆ど語られることなく、再会を飾るのに少々物足りないものを残した感は否めない。
統括 この第44話を皮切りにエース、ジャック、セブン、マンとウルトラ兄弟達は若い順に客演を果たすことになります。
つまりエースと北斗の客演にはその重要なスタート地点を担う役割があった訳ですが、単純に兄として弟に加勢するだけではなく、加勢すべきタイミング、その方法にも充分な考察が為されている事が覗えます。
『ウルトラマンメビウス』のDVDを所持している、または放映を録画していると云う方はそのことを踏まえた上で、彼等が何を持って出陣のタイミングとしたかに注目して、再度観てみるとまた違った味わいを持てると思います。
また全編を通じた見方をするなら、離れ離れになっても仲間の勝利を信じて供に戦うことの大切さをこの第44話でミライ説いていたのと同様に、再度最終回おいてマリナに北斗が同じ旨を語っていたことも見逃せないでしょう。
参考までに南夕子の表も下記に示しておきます。
地球人名 | 南夕子 |
出演 | 星光子 |
客演日 | 2007年2月17日 |
客演時サブタイトル | 第44話「エースの願い」 |
現れた場所 | 地球某所 |
使用した技 | − |
来星目的 | 北斗星司との再会 |
変身シーン | 無 |
戦った相手 | − |
スタイル | 月星人重鎮? |
テレパシーを送った相手 | 北斗星司 |
顔を合わせたGUYSメンバー | 無 |
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令和三(2021)年六月一〇日 最終更新