第3頁 結託部族の特徴と構成員−ヨロイ一族

File3.ヨロイ一族
族長ヨロイ元帥
活動拠点モンゴル→日本
登場期間第41話〜第52話
宗教無し(正確には不明)
構成員ガルマジロン、カタツブラー、カマクビガメ、サイタンク、シーラカンスキッド、オニヒトデ、吸血カメレオン、ザリガーナ
戦歴
1940年代 後にヨロイ元帥となる男性、モンゴルの砂漠にて秘密親帝国を建設。
1970年前後 この頃、当時ショッカーを編成していたデストロン首領の招聘を受けたと思われる。
1973年11月17日 ヨロイ元帥ツバサ大僧正の後釜として第4代日本支部幹部就任がほぼ内定。
1973年11月24日 風見志郎の親友・高木裕介を改造したガルマジロンを差し向け、風見の勧誘or暗殺を謀るも失敗。
1973年12月1日 カタツブラーを派してデストロンの手下を大量に確保せんとするも失敗。
1973年12月8日 最高幹部会議の決定として科学者グループリーダー・結城丈二(山口暁)を処刑せんとして、科学者グループの反乱及びライダーマンの誕生を誘発してしまう。
1973年12月15日 復讐に来たライダーマン・結城丈二を抹殺すべく、カマクビガメに迎撃させ、卑劣な人質作戦も画策したが失敗。
1973年12月22日 デストロン幹部候補生養成の為、サイタンクに子供達を大量に誘拐させる。またサイタンクをして結城を焚き付けせしめ、仮面ライダーV3を生き埋めにする。
1973年12月29日 取引を反故にして結城を殺さんとするも、脱出したV3によって子供達も結城も解放され、サイタンクも戦死。
1973年1月5日 少年仮面ライダー隊本部の住所に結城丈二宛の年賀状(←住所記載)を送付。デストロン・ライダーマンに化けたシーラカンスキッドに風見を不意打ちさせ、東京都民皆殺しの罪を結城に被せる作戦に取り組んだが、V3に露見し、企画倒れに。
1973年1月12日 V3ライダーマンを空気の無い密室に閉じ込め、その間にオニヒトデによる東京襲撃を図るも、脱出したV3ライダーマンに阻止される。
1973年1月19日 結城を狙撃せんとしてこれを庇った風見にバダル弾を撃ち込む。それを利用してカメレオンが風見抹殺を図るも、結城の手術を受けて復活したV3に敗れる。
1973年1月26日 カメレオン吸血カメレオンに再改造。「新改造人間製造計画」の一端として孤児院を沿うもV3ライダーマンに阻止され、失敗。
1973年2月2日 プルトンロケットによる東京壊滅を図るも、ライダーマンの捨身の行動で破壊される。
1973年2月9日 V3を特殊金属の粉末の中に落とし込み、その隙に最終計画D作戦を敢行するも脱出したV3に阻止され、ザリガーナヨロイ元帥、瀕死の重傷を負ってアジトに逃走。首領に助けを求めるも爆殺され、ヨロイ一族滅亡(直後にデストロンも滅ぼされた)。


対仮面ライダーV3戦線
 まあヨロイ元帥が陰湿な奴なので陰謀満載である。トップバッターのガルマジロンは素体となった高木裕介が風見と旧知だったこともあり、いきなり風見を懐柔するという意外な展開で始まった。
 勿論風見は応じず、逆にデストロンの理想を「裕福になれるのは一部の権力者だけだ。」と高木を説得。高木は応じかけたが、裏切り者へのえげつない虐殺を仄めかすヨロイ元帥の恫喝に高木は不本意ながらガルマジロンとして戦い、かかる暗闘が対仮面ライダーV3戦において続いた。
 そう、ヨロイ一族の強弱よりも、ヨロイ元帥が命じる強襲、暗殺が数々の戦いを陰惨なものとしたのである。

 また「結果がすべて」として過程を一切認めないヨロイ元帥の指揮下において生きていただけでもヨロイ一族はそれなりの猛者となり得たようで、カマクビガメサイタンクは初陣のライダーマンを圧倒しただけでなく、V3をも苦戦させ、特に強敵ツバサ一族を打倒したハリケーンラストダッシュやV3マッハキックを正面から打ち破ったサイタンクデストロン最強と云っても差し支えない程の剛の者だった。

 他方、第47話以降はV3ライダーマンが和解し、徐々にライダーマンが戦い慣れ、アタッチメントを有効活用し出し、V3とのコンビネーションが整うに連れてヨロイ一族の奮闘はぱっとしなくなり出した。
 同時に戦術も武器も「ヨロイ」の価値も品質低下している様に思われる。シーラカンスキッドは風船爆弾と偽物作戦に走り、オニヒトデは分裂能力を封じられると手も足も出ず、吸血カメレオンは飛び道具(バダル弾)に頼り、再改造を経て、子供達を操るという姑息な手を使っても大して善戦出来なかった。ザリガーナの甲羅崩しに至っては失笑するしかない (失笑)。

 潜在能力や、手段を選ばない手練手管から推測すれば、仮面ライダーV3一人ならヨロイ一族が打倒出来た可能性は低いものではない。勿論ストーリー的にV3に敗れることが決まっていた訳だが、そのことを理解して尚、可能性を感じさせる。
 偏に、族長であるヨロイ元帥の猜疑心が要らざる抵抗勢力を生み、見事に一族の首を絞めたと云えよう。


特徴
 部族名の「ヨロイ」が示す様に、甲殻(カタツムリ、ザリガニ)・鱗(アルマジロ)・甲羅(亀)・硬質な皮膚(サイ、ヒトデ、カメレオン)を持つ生物の改造人間で構成されている。
 『仮面ライダーV3』以外の番組でも、アルマジロ系、亀系の改造人間はその体の頑丈さで仮面ライダー達を苦戦させた(例:アルマジロングカメストーンカメバズーガナイフアルマジロ奇っ械人アルマジロ、etc)
 勿論ヨロイ一族の名の通り、体の頑丈さが強みで、当初はその能力でもって仮面ライダーV3を苦戦させていた。また頑丈さに比例した自信家も多く、前半は肉弾攻撃合が多かったが、後半はその様な傾向は影を潜めた。頑丈さもさほどの物ではなくなり、謀略や飛び道具や他の武器・特殊能力(その多くは補助的なものの域を出なかった)を駆使して尚、強さを感じさせない者達ばかりとなった。

 理由ははっきりしている。ライダーマンの登場である。

 ヨロイ一族が登場してはや3週目にして、同じ組織の仲間すら貶めるヨロイ元帥の性悪さが後に仮面ライダー4号となるライダーマンを生み出し、彼が復讐の鬼からV3との対立・苦悩・共闘を経て復讐より大いなる人類愛を取る大いなるドラマが展開された、とあっては、ヨロイ一族の影が脇に追いやられる形になったのもある意味必然だった。

 またヨロイ一族がキバ一族やツバサ一族とは「宗教色が無い」、「政治色が強い」」という意味で一線を画している。族長のヨロイ元帥からして何かを信じる玉に見えず、首領すらも下手に干渉出来ない最高幹部会議を主催しており、結託部族でありながら、生粋のデストロンといっても通るほど初期軍団に近いと云えなくもない。
 同時に、ヨロイ元帥は政治力や残忍性を買われていて最高幹部にいたと思われる。つまりは絶対の忠誠心を持っていたとは云い難く、プルトンロケット発射計画を告げる首領の言を静聴していたときのヨロイ元帥の表情は首領を睨みつけているようですらあった。

 結託部族でありながら、生粋のデストロン軍団のカラーを持ち、族長の謀略家振りの影響を受けるなど、様々な側面を持ちながら、ライダーマンの陰に隠れた、何とも勿体ない魅力を持つのがヨロイ一族と云えるかも知れない。


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令和三(2021)年六月一〇日 最終更新