第13頁 球好き怪獣ガラキング………キング級の打たれ強さ?

怪獣名ガラキング
肩書球好き怪獣
出身地宇宙
初登場『ウルトラマンタロウ』第50話「怪獣サインはV」
キング度4
キング要素頑丈さ


概要 恐らく本作の様な「キング」の名前に特化した作品か、『ウルトラマンタロウ』の登場全怪獣に触れる作品でもなければ、この球好き怪獣ガラキングが採り上げられることはなかったのであるまいか。
 騒音が嫌いで、東京国際空港に現れるや、次々と飛行機を襲って破壊し、飛行機が次々と炎上したことで周囲の建物にも被害は及び、現場は惨憺たる有様となった。と思いきや、突如ガスタンクを手毬代わりに遊び出し、駆け付けたZATのミサイル攻撃には平然としていたものの、レーザー光線は聞いたようで、球体状になるとその場から遁走した。

 肩書の通り、異常にボール状の物が好きで、老人ホームにて老人と子供達が興じていたバレーボールのボールが空中に上がったのをキャッチする様に現れ、それを手毬代わりに遊び出すなど、その様相は丸でおもちゃを見つけた子供で、スチュワーデスを目指す少女・服部ユキ(坂口良子)にボールを返すよう求められるとそのままバレー勝負に入るなど、なかなかに怪獣離れ(?)した行動を見せた。
 結局何十回ボールを打ち込んでもユキには次々とレシーブされ、逆にユキのサーブ受け切れないとなると、敗北に逆ギレした様に暴れ出した。
 再度ZATのレーザー攻撃を受けると体を球体状に丸め、動きを封じたかに思われたが、全身から発する火花でZAT機を炎上・脱出に追いやった。

 南原忠男隊員(木村豊幸)が踏み殺されそうになったのを見た東光太郎(篠田三郎)がウルトラマンタロウに変身したことで戦闘となり、格闘では明らかにタロウに劣っていた。ストリウム光線に一度は耐えたものの、その後の格闘でグロッキーに追いやられ、とどめのストリウム光線が放たれようとした刹那、ユキが「殺さないで!」と懇願したため、タロウのレシーブで宇宙空間に放擲されたのだった。勿論その後の生死及び消息は不明である。


怪獣としての立場 生態や行動パターンで云えば、世の害物である。
 騒音が嫌いなのは勝手だが、だからと云って飛行機を何機も襲うとあっては完全な駆除対象と云えよう。自動車騒音が鬱陶しいからと云って道行く自動車を次々に襲えばどういうことになるか?と問えば充分だろう。個人的な話だが、道場主は飛行機事故で身内を失ったことがあるので、飛行機を襲う怪獣は絶対に許せない。

 とは云え、それを除けば決して好戦的でも残忍でもない、遊び好きな怪獣で、何とも掴み難い性格をしている。現実の猛獣と呼ばれる動物の中にも遊び好きなものもいるので、これは普通の生態なのかもしれない(ホオジロザメにすら、遊び好きの個体はいるのである)。
 一方で、老人ホーム手前で、女・子供・老人を襲うことに対して恥ずかしくないのか?!とユキに詰られ、動きを止めたりもしていた。人間の言葉が通じるとも思えないので、恐らくは好奇心が極めて旺盛なのだろう。
 人間同様、現実の動物にも性格の相違はあるし、よくよく観察すれば個性も見受けられる。それに照らして見れば、火花を吐くという特殊能力を除けばデカくなり過ぎた動物と云えよう。


注目の「キング」要素 ストーリー自体が、サブタイトルにもある『サインはV』を意識したもので、同番組で主演を務めた坂口良子さんが服部ユキ役で客演したことから、焦点はどうしてもユキに当てられ、間違ってもガラキングがメインとなることはなかった(苦笑)。

 加えて、幾ばくかの特殊能力と個性を除けばその生態は動物の域を出ない。つまりは「キング」と云える程の威厳も強さも存在感も知名度もない。何か、「ガラキングに恨みでもあるのか?」と云われかねない文章を綴ったが(苦笑)、採り上げた以上はガラキングが何をもって「キング」と云えるのかを論じたい。

 特筆すべきはその頑丈さだろう。中世代白亜紀に生息したアンキロサウルスを思わせる背面部、アルマジロの如く体を丸めた形態は見るからに頑丈そうで、装甲を抜きにしても顔面に放たれたストリウム光線に耐えた。
 まあ、このストリウム光線は頭頂部から垂れ下がり気味に生えた角で受けた様にも見えるので、部位的に致命傷になりにくかっただけかも知れない。
 ただ、やはり目を見張るべきは、タロウのサーブで宇宙空間に放擲されて尚生きていたことだろう。実際に宇宙空間に追い出されたガラキングのその後は不明なのだが、ユキの懇願を受けて二発目のストリウム光線を放たなかったタロウに殺意が無かったのは明らかである。しかし、2万9千tの重さに引力を振り切って宇宙空間に送り出す程のパワーを打ち込まれればそれだけで普通は致命傷を負う(苦笑)。これに耐えたのは本当に大したものである。難を云えば、作品としての見せ場が坂口氏に集中し、御自慢の生命力も、翌週に不死身怪獣リンドンなんかが出てきてしまったことで薄らいでしまったのがガラキングの不幸と云えようか?




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令和八(2026)年三月二四日 最終更新