第6頁 古代超獣カメレキング………文明破壊の大実績
怪獣名 カメレキング 肩書 古代超獣 出身地 異次元 初登場 『ウルトラマンA』第2話「大超獣を越えてゆけ!」 キング度 3 キング要素 古代国家の大破壊
概要 『仮面ライダースーパー1』第5話「跳べ一也!悪魔のマシーンレース」に登場したドグマ怪人で……………って、そのカメレキングやない!
ウケない一人惚け一人ツッコミはさておき、異次元人ヤプールによって生み出された超獣の一体で、古代カメレオンの卵と宇宙翼竜の卵を合成させて生み出した超獣である。
卵の時点で人間を捕食する恐ろしい存在で、その卵殻はミサイル攻撃をものともしなかった。擬態しで姿を消すことも可能で、北斗星司(高峰圭二)はこの能力で撃墜に成功したものと思い込まされた。
登場当初は金と銀の卵に分かれており、TACがそれらの接触阻止を図るものの失敗した後、2つの卵が東京にて合体した金銀斑の卵から誕生した。武器は羽ばたかせた翼から出す風速70メートルの突風と口から放射する白いガス。勿論飛行にも優れ、腹部のカッターも武器となる。
だが、ウルトラマンAとの戦いは一戦目にして左右の翼をもぎ取られ、メタリウム光線で撃破された。
超獣としての立場 周知の通り、『ウルトラマンA』に登場する怪物は「怪獣を超えた存在」という意味で、「超獣」と呼ばれる。まあ、それも『ウルトラマンタロウ』で「超獣より強い怪獣」が設定されたことで定着せず、現在では「超獣=ヤプールの手先」というイメージが強い。
勿論例外もあり、第23話でヤプールが倒れて(というか一時退場状態となって)からは単に同番組に出る巨大生物を指す用語と化した感があったか、後年『ウルトラマンメビウス』で過去の怪獣達が次々再登場する中、GUYSの過去アーカイブの記録からも再度怪獣とは異なる存在としての超獣がクローズアップされた。
そんな超獣達故、従来の怪獣には無かった要素が所々で盛り込まれた。その一つに宇宙怪獣と地球生物との合成獣、つまりキメラとしての要素があり、上述した様にカメレキングは古代カメレオンと宇宙翼竜とのキメラである。前話である第1話に登場したミサイル超獣ベロクロンが宇宙怪獣と珊瑚のキメラであった様に、カメレキングにはベロクロンと共に「超獣とは何ぞや?」を確立する役割が振られたと見られる。
作中ではキメラとしてのベロクロンには触れられていなかったので、ある意味、このカメレキングが(少なくともリアルタイムでは)初めてそのことを述べられた存在と云える。また生態面でも超獣が怪獣と一線を画す存在であることを示していた。
ベロクロンがミサイル怪獣の二つ名が示す様に、体内にミサイル(←発射装置付き)を内蔵していたことで改造怪獣としての超獣を示したのとは異なり、カメレキングは二つの卵が合体して孵化するという、それまでにない生態を示すことで超獣の特異性を示したと云える。
航空機を襲い、200名という甚大な被害をもたらしたカメレキングだったが、第2話ということもあってか、ベロクロンや超獣としての格を見せた蛾超獣ドラゴリーや数々のウルトラ兄弟と対峙した殺し屋超獣バラバ程には高名でもない。200名もの命が失われた惨事も、「北斗のミス。」、「TAC内で信用されない北斗。」のイメージを確立した要素の方が強い(苦笑)。
詳細に見れば、カメレキングが「超獣」のイメージ・立場・生態の確立に貢献した度合いは決して小さくないのだが、その後の再登場が見られないこともあって、多少過小評価気味なのは何とも惜しまれる。
注目の「キング」要素 まだ第2話目とあってか、数ある超獣の中にあってカメレキングは強い方ではない。ただ、インパクトはある。地球防衛軍を全滅させたベロクロンには一歩譲るかも知れないが、2つの卵が一体化して新たな超獣として生まれるというプロセスは後々の合体怪獣である最強超獣ジャンボキングや暴君怪獣タイラントには及ばないが、先駆け的な存在としてもっと注目されても良いと思っている。
そしてシルバータイタン的に推したいのは、このカメレキングには他の超獣達と比して特異な点が一つあるということである。それは古文書に載っているという事である。
これは稀有である。というのも、超獣の多くはヤプールがその場の目的に応じて製造したものが多く、大半が「作中で生まれた存在」である故に、『ウルトラマン』の青色発泡怪獣アボラス・赤色火焔怪獣バニラや、『帰ってきたウルトラマン』のグドン・ツインテールの様に、古文書に記載されることはまずない。
実際、このカメレキング自身、作中にて卵から生まれた訳だから、古文書に載っていたのは同種族の別個体だろう。ただでさえ特撮に登場する悪は一度敗れた種に対して極端に冷淡で、再登用を検討しない傾向が強い(苦笑)。もし、二つ名の通りカメレキングが古代において活躍し、ヤプールがそれを讃えて現代に甦らせたとするなら、ヤプールの性格から云っても極めて稀有である。
古文書によると紀元前13世紀に出現し、ジブラルタル外洋に謎の大陸・古代アトランティスを沈めて滅ぼしたと語られる。現存しないことを良いことに様々な滅亡が語られるアトランティスだが(苦笑)、これを史実と捉えるなら、カメレキングの業績は超獣の「キング」に位置付けてもおかしくない、何せ他の超獣達はウルトラマンAの前に悉く敗れて行跡らしい業績を上げていない(苦笑)。
超獣達には、カメレキングを「キング」として崇め奉れとまでは云わないが、文明破壊実績を持つ先達者として敬意を払うことはお勧めしたい(笑)。
惜しむらくは、同番組にて数々試みられた「初めて」の前に存在感共々実績を薄れさせてしまっていることと云えようか。
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令和七(2025)年一一月一七日 最終更新