第8頁 河童超獣キングカッパー………擬態能力ならキング

怪獣名キングカッパー
肩書河童超獣
出身地異次元
初登場『ウルトラマンA』第19話「河童屋敷の謎」 
キング度4
キング要素斬新過ぎる擬態能力


概要 河童超獣キングカッパーは名前の通り河童の超獣である。頭部が巨大ジオラマで、河童で云う皿に当たる部分がプールとなっており、頭部以下の体を地中に潜ませることで春山と名乗る富豪(正体は異次元人エージェントアンドロイド)の豪邸にあるプールとして擬態していた。
 その目的はプールに遊びに来た子供達からへそを奪い、カッパ人間にすることだった。

 次々とプールを訪れた子供達がおかしくなることから調査に来た北斗星司をプール内に取り込めたことで地中から全身を表し、暴れ出した。指から放つミサイルや、口から吐く白色ガスを煙幕に暴れていたが、TACアローに乗っていた南夕子(星光子)がミサイルを受けて脱出することでプールに飛び込み、ウルトラタッチを敢行したことでウルトラマンAになって逃げられてしまった。
 格闘自体は強くも弱くもなく、本物の河童宜しく、頭部の水を失うことで弱体化するため、水を再度吸い上げる能力も持っていたが、Aのエースバキュームでプール=皿の水を残らず吸い取られて弱体化し、アロー光線で行動不能に陥らされ、最期はヴァーチカル・ギロチンで縦真っ二つにされて倒されたのだった。


怪獣としての立場 数いる超獣の中で、このキングカッパーが特異なのはその素体と、形態である。基本、ヤプールは地球にいる動植物と宇宙生物を合成することで超獣を生み出す訳だが、何と云っても、素体が「河童」である。一応、生物学上、河童はUMAであり、令和7(2025)年11月23日現在、実在の生物とは認められていない。まあ、フィクションに対してUMAの実在云々を論じても仕方ないか………『仮面ライダー』にも雪男の改造人間スノーマンや、ユニコルン(ユニコーン)の改造人間ユルニコルノスなんていたことだし(笑)。

 ともあれ、超獣はある意味改造怪獣なので、極端な云い方をすればどんな容姿をしたものがいてもおかしくない。実際、超獣の中には半ば機械化したものもいて、怪獣がショッカー怪人なら、超獣にはゲルショッカー怪人と云えるものも、デストロン怪人と云えるものもいる。
 ただ、それを考慮に入れても、体の一部=頭部を建造物に完全に擬態したキングカッパーのデザイン及び発想は秀逸にして奇抜であった。地中に隠れた怪獣の体の一部が地上に出ていたことで岩や山と誤認された例は幾つもあるが、完全に建造物として擬態した例は極めて稀有である。
 惜しむらくは、目的の不透明さである。プールに招き入れられた子供達を次々に河童人間にしていたのは明らかだったが、大量の河童人間を生み出して何がしたかったのかは語られず終いだった。
 加えて、「キングカッパー大作戦」と銘打った作戦も、その遂行をどこまで真剣に考えていたか疑問である。何せ北斗を監禁状態にした途端暴れ出し、河童人間にする筈だった子供達が簡単に逃げ出していたのだから、北斗を捕えただけでAを倒したものと思い込み、調子に乗って暴れていただけにしか見えなかった。

 調査に来た北斗に余裕で応対していた割にはエージェントアンドロイドも竜隊長(瑳川哲郎)、今野隊員(山中正明)、北斗、夕子によって簡単に射殺されていた(その際に夕子を負傷させていたのは一応の健闘だったが)。

 斬新で、奇抜で、効果的な擬態能力を持っていた割には、何がしたかったのかも、立ち居振る舞いにも不可解さの残る超獣だった。


注目の「キング」要素 まあ、頭部をプールに擬態し、子供達を喜んで遊びに来させていてもそれが超獣と気付かせなかった様を為した、デザインの奇抜さを争えば、間違いなく「キング」と云えよう(笑)。
 数いる超獣の中ではマイナーな存在だが、このキングカッパーの奇抜さと、第15話における北斗星司の子供への接し方はもっと注目されて欲しいと思っている。

 キングカッパーの体自体は序盤で早々に現れている。これを目撃した安夫少年(野島千照)は普段の虚言壁が祟って超獣が現れたことを周囲に(母や姉にも)信用してもらえなかった。何十メートルもある体躯の超獣が真昼間の地上に現れてたった一人にしか目撃されないとは考え難く、仮面ライダーシリーズならともかく、毎週のように巨大な怪獣・超獣・宇宙人が現れるウルトラマンシリーズで子供の目撃が信用されないケースが多いのには納得し難いものがあるのだが、この安夫少年に至っては普段の虚言壁に加えて、案内した瞬間に巧みにキングカッパーが姿を隠したこともあり、一時は北斗すら「嘘は男の恥」と云い放つ始末だった。
 だが、北斗は他のTAC隊員の呆れ顔を振り切る様に安夫を信じ、調べ続けた。プールを調べに行くのを夕子に「罠に嵌りに行くようなもの。」と云われても、「あの子は危険を冒して本当のことを云い続けて来たんだ。その安夫君を裏切るなんて出来るか。俺は約束したんだ。」として、自身が少年期に山中で遭難した際に三日三晩猛吹雪の中北斗達を助けんとして彷徨った先輩の話を挙げて、「約束」を何としても守らんとする姿勢を示した。
 同話で北斗は普段温厚で中立的な意見の吉村(佐野光洋)にまで「だいたい子供に甘過ぎる。」と云われていたが、ある意味、子供に甘いぐらいに優しい、相手が子供だからと云って侮らずに真面目に相対する北斗星司の原点が語られた作品でもあった。

 逆を云えば、北斗の原点に話の格を奪われたことでキングカッパーはマイナー超獣の域を出られなかったのかも知れない。皮肉な話ではあるが。


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令和七(2025)年一一月二三日 最終更新