第6頁 軍団?たった一匹?

再生怪人軍団File.6
登場作品『仮面ライダーストロンガー』第26話
構成メンバー奇っ械人ハゲタカン、奇っ械人ブブンガー、クワガタ奇っ械人、コウモリ奇っ械人、奇っ械人電気エイ
指揮官不明
再生手段不明
手強さ
作中行動 『仮面ライダーストロンガー』のブラックサタン編最終回とも云える第26話にチョットだけ出て来たのがこの再生怪人軍団である。
 ただ、こいつ等、再生過程・手段も不明なら、何をしたかったのかも全くの不明である。

 再生怪人軍団が登場したのはとある洞窟の中だった。既に仮面ライダーストロンガーは前話である第25話で大首領(声:納谷悟朗)に接触する為の重要アイテム・サタンのペンダントを最高幹部デッドライオン(声:辻村真人)より奪取していた。加えて邪険に遇した雇われ幹部ジェネラル・シャドゥ(声:柴田秀勝)の反逆まで招いており、ブラックサタンは組織として完全に末期の状態にあった。
 ペンダントの重要性をシャドゥから聞いた城茂(荒木茂)は手掛かりを求めて自分達が前話で囚われ、処刑されかけたブラックサタンのアジトに向かった。そんな行軍中に入った洞窟に再生怪人軍団は横たわっていた。

 奇っ械人の姿に驚く立花藤兵衛だったが、茂はこれを死体と見て、洞窟が「奇っ械人の墓場」であるとして、藤兵衛を安堵させた。もっとも、横たわっていたのが死体出ないのはお約束で(笑)、そもそも死体だったなら本作は生まれていない(笑)。
 奇っ械人が遺体であるのを確かめるように一部持ち上げては、「かつては強い奴等だったのに…。」と幾ばくかの憐憫を見せた藤兵衛だったが、打ち捨てて茂に追随しようとした途端、再生怪人達はむっくり起き上がった。
 5体もの改造人間が動き出せば忍者や諜報員ならずともその気配には気付く。振り返る藤兵衛だったが、再生怪人軍団は再度横たわる(笑)。怪訝な表情をしつつ藤兵衛が前進すると再度再生怪人軍団は立ち上がり……………もはや、「達磨さんが転んだ」or「志村!後ろ後ろ!」状態である(笑)

 勿論こんな間抜けなやり取りが長く続く訳なく、程なく死体が再生怪人軍団であったことが茂と藤兵衛の知るところとなった。狼狽する藤兵衛と再生怪人軍団を見て茂は即座に仮面ライダーストロンガーに変身。次の瞬間舞台は洞窟外の原っぱに移り、大立回りが展開された。
 岬ユリ子(岡田京子)も電波人間タックルに変身して加勢したが、戦いは殆んど、否、完全にストロンガーVS再生怪人軍団と化していた。
 数を頼みにストロンガーに襲い掛かる再生怪人軍団だったが、やっていたのは殆んど取っ組み合いで、武器や特殊能力を駆使することもなく、有利とも不利とも云えない殺陣が展開されたが、やがて全員頭を交えるように一か所に突っ伏すとその姿は真っ二つに割れた一匹のサタン虫となったのだった。

 再生怪人軍団が爆死するでもなく、消え失せるでもなく、溶けてなくなるでもなく、人間に戻るでもなく、たった一匹の虫の死骸となったのは前代未聞で、且つ不可解でもあった。結局再生怪人軍団が死んだのか?そもそもストロンガーと干戈を交えたのは本当に再生した奇っ械人達だったのか今も全くの不明である。



生前比較 比較のしようがない………(苦笑)。何せ出番が短かった上に、仮面ストロンガーと少し殺陣を展開しただけだったから、どれほどの能力を持っていたのか検証材料が少な過ぎるのである。加えて上述した退場状況から本当に再生した奇っ械人達だったのかもはっきりしないのである。

 一応画面上で確認する限りでは特殊能力の発揮は一切なく、台詞を発することも無かった。下衆の勘繰りで物申せば、城茂一行を大首領の元に行かせない為の時間稼ぎとして戦闘員辺りが残骸を纏っていただけだったとしても考えられない話ではないのである。
 最後が一匹の虫の死骸となったことから、再生怪人軍団が幻影だったことも考えられなくはなく、そうなると生前との比較もへったくれもないのである(苦笑)。

 また推測だが、再生怪人軍団が姿を消した直後に駆け付けたデッドライオンが特に驚きも悔しそうな様子も見せいていなかったことから、ストロンガー達の行軍途中で待ち受ける再生怪人軍団にデッドライオンが何か大きな期待を掛けていたとは思えなかった。
 生前との比較が厳密には行えない再生怪人軍団だが、個々に生前を上回る活躍を期待されていなかったことは間違いなかろう(苦笑)。



対ライダー戦 殆んど上述しているが、数を頼みに次々と仮面ライダーストロンガーに組み付くも次々と振り解かれ、有効打を与えることも無かったが、ストロンガーの必殺技を食らうこともなく、しばしの殺陣の後に一匹の虫の死骸となった。

 これだけなのである(苦笑)。

 ただ、思うにそもそもブラックサタンが組織として再生怪人をライダー打倒の為に活用する意思があったかが疑わしい。死んだ奇っ械人が作中に再登場した例は4回あるが、この第26話を除けば全くストロンガーと戦っていない(最終回では他のライダーとは戦った)。
 最初の登場は第13話だが、これは完全な死体だった(苦笑)。次に出てきたのは第14話で、前話で敗れた一つ目タイタンの葬儀に参列しただけだった。第24話は幻影での登場で現実に登場したものですらなかった。最後は最終回での登場だが、この詳細は次頁に譲りたい。
 とにかく、ブラックサタンが死んだ奇っ械人を甦らせて何がしたかったか詳らかではないのである。加えて扱いもいい加減だった。タイタンの葬儀には何故かGODのアリカポネが参列しており、最終回では容姿や名前が生前と異なる者もいた(詳細は次頁で)。
 そもそもブラックサタンという組織、大首領の性格もあってか奇っ械人への冷遇が酷い。まあ部下に温かい悪の組織も殆ど無いのだが(苦笑)、大首領がタイタンを極力死なせまいとしたり、直属大幹部に対して雇われ幹部であるジェネラル・シャドゥに負けるなと叱咤したりしていたのに対し、奇っ械人に対しては作戦上捨て石にすることも厭わず、質問すら許さなかった。

 まあこれではさすがに身も蓋も無さ過ぎるので、少しだけこの再生怪人軍団及びブラックサタン奇っ械人に同情的な文章を付け加えたい。
 まずは立花藤兵衛のコメントである。
 当初横たわる再生怪人軍団を死体と思っていた藤兵衛は上述した様に生前の奇っ械人を「強い奴等」と述べていた。まあ、総合的な戦闘能力が劣る者でも独特の特殊能力を持てばそれなりに格上の相手を一時的に苦戦させることは可能である。また、脳改造に伴う大幅な強化改造手術を受けていなかった電波人間タックルが奇っ械人に抗し得なかった(サメ奇っ械人をグロッキーに追いやったのが唯一の対奇っ械人戦果)ことを思えば、そもそも論として奇っ械人は一般ピープルには充分に恐ろしい存在だったという事である。

 そしてストロンガーと再生怪人軍団の殺陣が展開されていた時、藤兵衛はタックルに「今までの怪人が全部甦ったら大変なことになるぞ!」と述べていた。このときストロンガーは別に苦戦していた訳でもなかったが、かといって一人の奇っ械人に対しても有効打を与えたり、倒したりにも至っていなかった。
 対仮面ライダーとしては頼りない再生怪人軍団だが、本来なら一般ピープルにとっては脅威の軍団であることを認識出来るものとして覚えておきたい一コマである。


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令和六(2024)年五月九日 最終更新