3.連続ライダーパンチ…(仮面ライダー2号VSエイドクガー)

番組『仮面ライダー』
サブタイトル最終話「ゲルショッカー全滅! 首領の最期!!」
技名ライダーパンチ(の連打) ※技名呼称無し
使い手仮面ライダー2号
被験者エイドクガー(ゲルショッカー所属)
実践結果決着(エイドクガー死亡)
ストーリー概要 前週の第97話にて、0.5秒の隙を突かれて変身ベルトを瞬間凍結された本郷猛(藤岡弘)は仮面ライダー1号でも本郷猛でもない状態で変身はおろか行動自体が不能状態に陥っていた。
 行動を封じられた本郷の、事前に捕えられていた立花藤兵衛(小林昭二)、滝和也、ヨッコ(中田喜子)、チョコ(ミミー)、ミツル(山田芳一)、ナオキ(矢崎知紀)等の眼前で、ゲルショッカー怪人・ヒルカメレオンによってユリ(沖わか子)の生き血が吸い取られようとしていた。  普通に考えるなら誰がどう見ても絶体絶命だったが、何の脈絡もなく突如乱入した仮面ライダー2号によってあっさり大ピンチは回避された(笑)

 凍結装置から脱出した本郷1号ライダーに変身し、2号ライダーと供にアジトの爆破を回避し、ヒルカメレオンを捕獲した。その刹那、アジト内にはゲルショッカー大幹部ブラック将軍(丹羽又三郎)の声が響き、実験用囚人とヒルカメレオンとの人質交換を申し出、1号ライダーは了承した。

 翌早朝、本郷一文字は指定場所であるパルパル遊園地の怪人展示場にヒルカメレオンを連行した。怪人展示場に立つゲルショッカー怪人が本物であることは云うまでもない(笑)。
 約束の時間にヒルカメレオンを連れて来た事を告げる本郷の声に電光掲示板にて象られたブラック将軍の影が歓迎の意を伝えるや「よく出来た造り物(一文字隼人談)」である筈の怪人達が示威行動を起こし、その隙に二人の押さえ込みから逃れたヒルカメレオン=ブラック将軍の正体を露わした。
 だが罠に嵌められたと見られたのはショッカーゲルショッカーの歴代大幹部が改造人間であることを先刻承知していた本郷一文字ブラック将軍の正体を現しやすくする為に作ったシチュエーションであることが告げられた。
 裏をかかれた事に舌打ちしたブラック将軍は配下に撤収を命じた。再生改造人間を追おうとした二人だったが、駆け付けた滝が再生軍団追跡を申し出、二人にはブラック将軍追跡を促した。

 すっかり夜が明けた遊園地内を逃げるヒルカメレオンゲルショッカー戦闘員が迎撃に出、二人はライダー1号ライダー2号に変身した。当たり前のように戦闘員を蹴散らしたWライダーヒルカメレオンを追い詰め、海岸沿いに逃げ、断崖に擬態したのを見逃さず、ダブルライダーチョップ(呼称無し)にて致命傷を負わせた。
 断末魔に呻きながらヒルカメレオンブラック将軍の姿に戻り、自らの死がゲルショッカーの作戦に対する覚悟の上だった事を告げ、最終勝利者がゲルショッカーであることとゲルショッカー首領(声:納谷悟朗)への賛美を叫んで壮絶に散った。その散り様に1号ライダーは敵ながらも歴代幹部が個々に勇敢だった事を認めずにはいられなかった。

 残すは首領のみであることを悟った本郷一文字は滝に用心して追跡することを無線で促した。だが急停車したトラックの中を調べようとした滝は荷台の中にて待ち伏せした再生怪人軍団に捕えられ、本部に戻っていた藤兵衛以下のライダーガールズ、少年ライダー隊員も再生怪人軍団の別働隊に捕えられた。

 コンピューターで合成された偽の滝の声に導かれた本郷一文字は浜名湖畔に駆け付け、ライダー最後の日と日本への総攻撃を宣言するゲルショッカー首領の命令一下、再生怪人(イノカブトンムカデタイガーハエトリバチエイドクガーサボテンバット)が襲いかかった。
 その昔、拙サイト菜根版戦闘員VOWでも触れたが、ゲルショッカー首領最後の盾である再生怪人達にそこそこの前線を期待した俺が馬鹿だった(苦笑)。
 戦闘開始直後にはハエトリバチがダウンしていたが、1号ライダーに投げ飛ばされ、更には2号ライダーの追加投げを喰らったサボテンバットがあっさり戦死し、イノカブトン1号ライダーライダーキックを喰らって爆死した。
 ダウンからいつの間にか息を吹き返していたハエトリバチ1号ライダーによって浜名湖に投げ飛ばされてそのまま浮いて来ず、エイドクガー2号ライダーによるライダーパンチの連打(技の呼称無し)後に堤防下に叩き落とされて爆死した。
 最後まで残ったムカデタイガーも炎を吐いて1号ライダー相手に善戦したが、2号ライダーが駆け付けるや為す術もなく袋叩きにされた後に投げ飛ばされて爆死した。

 遂に残るはゲルショッカー首領のみとなったが、K●K団の衣装を赤くしたような姿の幻影を湖上に見せたゲルショッカー首領は湖岸に人質にしていた滝・藤兵衛達を連れ出し、Wライダーに救出を促した。これが罠であることを知る仲間達は自分達の元へ来ないよう叫ぶが、それを放っておくWライダーではない。そこにゲルショッカー首領の怪光線が襲い、Wライダーは仲間達の膝元に倒れ伏した。

 最大の難敵を屠ったと思って湖底内のアジトに戻ったゲルショッカー首領だったが、直後にWライダー何事もなかったかのように迫って来た1号ライダーは世界征服の野望を捨てることを要求し、2号ライダーが被り物を剥ぎ取った。
 被り物の下から現れたのはメデューサの如く蛇に覆われた顔が毒ガスを発して抵抗したが、すぐに白面単眼の顔が現れ、ゲルショッカー首領は自らの自爆とWライダーの道連れを宣言して倒れ伏した。

 浜名湖面の大爆発にWライダーの安否を気遣った藤兵衛達だったが、程なくサイクロン郷に乗った二人に雄姿に無事が確認された。
 かくしてゲルショッカー全滅により、日本での任務を終えたFBI特命捜査官滝和也は本郷猛一文字隼人・立花藤兵衛以下少年ライダー隊の面々に惜しまれ、見送られながら日本を去るシーンで『仮面ライダー』は終焉した(「ゲルショッカーは全滅した、そして恐るべき首領は死んだ、仮面ライダー本郷猛一文字隼人にとっての長い苦悩の日々は終わったのである。今や平和が甦ったのである。−ラストナレーションより)。


炸裂と決着 いやあ〜最終回に対する描写ということもあって、つい力が入ってしまった(苦笑)。本作の本題であるライダーパンチについてだが、前述したようにゲルショッカー首領の最後の盾である再生怪人軍団との決戦において、仮面ライダー2号からエイドクガーに振るわれた。

 アクションだけで云えば何の変哲もない、技の呼称もないパンチの連打を食らい、エイドクガーは土手下に転落後爆死した。パンチはスタンディング状態で両拳から繰り出されたフックで、ジャンピングもランニングもフライングもなく、ある意味肉弾戦の基本中の基本技の連打により勝負は決着したのであった。

 何?それだけかって?スマンのう……アクションだけで云えば本当にそれだけなんだから……どーコメントせーっちゅーねん!!


ライダーパンチのレゾンデートル 周知のように仮面ライダー2号は藤岡弘氏が撮影中における事故にて全治半年の重傷を負ったことで仮面ライダー1号復帰までの代理主人公として主役を張った訳で、第14話から第52話までを担った。
 その後、2号ライダーは南米より3回帰国し、5話に客演し、モスキラスシオマネキングショッカーライダーNo1No6エイドクガーナメクジキノコヒルカメレオン、再生怪人軍団、ゲルショッカー首領と戦った。その渦中において2号ライダーは単独でゲルショッカー怪人を倒したのが2回あるのだが、2回ともそれがエイドクガーというのが因縁である(ちなみにショッカーライダー編の時はライダーきりもみシュートで屠った)。

 戦績面から悪い見方をすれば2号ライダーは脇役に回ったと云える。本来、仮面ライダー2号は藤岡氏の事故による入院時におけるピンチヒッターとしての存在であった。その2号ライダー仮面ライダー1号と供に Wライダーを結成したのは文字通り『怪我の功名』となった訳だが、これは結果論で、南米に去った2号ライダーは主役の座を仮面ライダー1号に返上した訳で、別の見方をすれば『元の鞘に収まった。』とも云える。
 そんな時間の流れの中で、ライダーダブルキックライダー車輪や投げ技を主体としたツープラトンといった1号ライダーとの連携技が2号ライダーの活躍のメインとなる中、対エイドクガー戦は仮面ライダー2号の単独活躍を飾る貴重な場面で、最後の単独勝利を飾ったこの戦いで連打されたライダーパンチは対狼男戦で土壌が作られた仮面ライダー2号「力の2号の象徴的必殺技としてのステータスを秘かに固めたという重大な意義を為した訳である。


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令和三(2021)年五月二〇日 最終更新