5.超電急降下パンチ…(仮面ライダーストロンガーVS隊長ブランク)

番組『仮面ライダーストロンガー』
サブタイトル第34話「ヘビ女の吸血地獄」
技名超電急降下パンチ
使い手仮面ライダーストロンガー
被験者隊長ブランク(デルザー軍団所属)
実践結果ほぼ決着(隊長ブランク埋没&致命傷)
ストーリー概要 リーダーの地位を巡ってデルザー軍団の改造魔人軍団魔人達が就任条件である仮面ライダーストロンガーの首を挙げる事を巡ってここに暗躍する中、ジェネラル・シャドゥ(声:柴田秀勝)は改造魔人達の手柄争いを裏で糸引いていたが、本腰入れてストロンガーを打倒する為、故郷である遠い魔の国から自らの右腕とも恃むヘビ女(声:瀬能礼子)を日本に召喚した。

 とある村を通りすがった城茂(荒木茂)と立花藤兵衛の前に一人の少女が立ちはだかり、母親への助けを請うた。急病に陥った母親を病院に運ぶべく民家に立ち寄ったに母子が襲いかかった。母親はの血を吸えば助かるとして吸血を請い、その面体は蛇の鱗に覆われていた。
 勿論罪なき母子を攻撃できるではない。が、障子越しにヘビ女の影を見るや母子を振り払って屋外に出た所に隊長ブランク(声:辻村真人)の戦闘員が短剣を射出するライフルで襲い掛かって来た。
 即座にストロンガーに変身し、隊長ブランク一味との戦闘に突入した。当初は改造魔人達にかなりの苦戦を強いられていたストロンガーだったが、超電子ダイナモ移植手術の賜物か、戦い慣れたことによるものか、チャージアップするとことなく撃退に成功し、岩石男爵(声:沢りつ夫)と並ぶ言語不明瞭・筋肉バカ系である隊長ブランク (笑)は大岩(←当たり前だが、キレンジャーではない)を投げ付けて、その隙に逃亡した。

 母子の下に戻ったは母子の額についた赤い鱗に気付いてこれを剥がすと母子の体は元に戻った。抱き合って喜ぶ母子の姿に安堵して民家を去ろうとしたは愛車カブトローが無い事に気付く。
 一方で藤兵衛はカブトローがぽつねんと放置されている事を訝しがり、川原で写生している子供達にの行方を尋ねていると、妙な壺が数個現れ、壺の中から飛び出した蛇達は戦闘員に変身した。
 突然の出来事に狼狽する子供達を宥める藤兵衛の眼前のコンクリート壁が赤く光るとヘビ女が現れた。
 「イ〜ヒッヒッヒッヒッヒッヒッ!お前だね?城茂の仲間の立花藤兵衛というのは?」と不気味に笑いながら笑いかけるヘビ女に、「そうだ!俺が立ち花藤兵衛だ!それがどうした!?」と啖呵着る藤兵衛。好きだな、こういうの(笑)。  電波人間タックル岬ユリ子(岡田京子)の死に前後して往年の戦う親父振りを発揮し、デルザー軍団の戦闘員とも頻繁に戦うようになった藤兵衛は子供達を庇いながら何人かの戦闘員を蹴散らしたが、流石に改造魔人であるヘビ女には抗し得ず、子供達ともども拉致された。

 カブトローを探して河原まで来たは子供達が襲われた後に残った画材道具と足跡を頼りに洞窟を見つけ、ストロンガーに変身して洞内に入るや牢獄に閉じ込められた藤兵衛達を見つけた。藤兵衛達も先の母子同様ヘビ人間にされていたが、これまた先と同様赤い鱗を剥がして事無きを得た。
 洞窟から出たストロンガーヘビ女追跡に掛ったが、ヘビ女は川に飛び込むと一匹の蛇と化して泳いで逃げた。彼女の逃走を見送るストロンガーに崖の上から隊長ブランクが襲撃した。

 「ストロンガー…お前…殺す…。」と相変わらず単語しか話さない奴だが、傍らの巨岩を持ち挙げるや崖上からストロンガーに投げつけ、さしものストロンガーもまともにこれを喰らってはグロッキーに陥らざるを得なかった。
 そんなストロンガーに殴る蹴るの暴行を加えて勝負を有利に展開する隊長ブランクだったが、何とかこれを投げ飛ばして間を取ったストロンガーは超電子ダイナモを発動し、チャージアップするとジャンプ一番隊長ブランクの頭上に飛ぶや超電急降下パンチを三発脳天に喰らわせた。
 キ●肉マンマリ■ーサの偽マッスル・リ▲ンジャーを喰らったロ×ンマスクの如く首まで大地に埋まった隊長ブランクストロンガーはこれをぶっこ抜くように首投げで投げ飛ばすと、大地に激突した隊長ブランクは爆死した。

 戦いが終わり、アジトに戻ったヘビ女ジェネラル・シャドゥに首尾を尋ねられる。「ほんの小手調べ」とのたまうヘビ女に近々日本で大きな出来事が起こることをトランプ占いで知った事をシャドゥは告げ、来るべき決戦への勝利を誓って乾杯を交わした。
 同じ頃、こちらは何の根拠もないながら、城茂もまた大戦を予感していた所でこの第34話は終わるのだが、死語に何も顧みられなかった隊長ブランクに合掌。


炸裂と決着 この戦いも決着そのものは短時間で着いた。そもそも素体からして人間ではない改造魔人の戦闘力に改造電気人間としての力では抗し得ないと考えていた仮面ライダーストロンガー城茂偶然知り合った、ブラックサタンの逃亡者にして超電子の研究者である正木洋一郎博士(小笠原弘)の手で超電子ダイナモを埋め込まれ、チャージアップによって一分間だけ改造超電子人間として改造人間の百倍の力を発揮できるようになった。
 勿論百倍もの力の発揮は体に恐ろしい負担を掛ける。正木はに一分間しか使えず、一秒でもタイムリミットをオーバーしたら自爆することになる、と告げていた。その為、この第34話に限らず、超電子技による改造魔人との決着は文字通り秒殺となった。

 例えて云うならウルトラマンレオが変身していきなりレオキックを放つようなものである。えっ?分かり辛い?じゃあウルトラマンメビウスがバーニングブレイブになって即座にメビュームバーストを放つようなもの、と云った方が良いかな?
 ともあれ、この対隊長ブランク決着戦でもストロンガーはチャージアップ直後に超電急降下パンチを炸裂させた。最終的には首投げで空中に放擲し、地面に激突後に爆死しているが、展開からして超電急降下パンチが致命傷となっていのは疑いがないだろう。

 ただここで特撮ファンとしては隊長ブランクの供養の為にも(苦笑)、彼が即死していないことを挙げたい。超電子技の発動はこれが四例目だったが、最初に超電子ドリルキックを喰らったドクロ少佐(声:山下啓介)は一撃で断頭されて即死。岩石男爵はこれに加えて超電三段キックまでボディに喰らっていたが、如何なデルザー改造魔人でも首チョンパの時点で死亡または戦闘不能と考えるべきで、彼も瞬殺されたことに疑いは無い。
 その翌週にオオカミ長官(声:峰恵研&安原義人)が超電スクリューキックに耐えたが、これは満月エネルギーに寄るプラズマパワーの賜物で、満月が雲間に隠れるや超電稲妻キックの前に敗死している。
 それに比較すると超電子変身体のストロンガーと2回戦い、巨体が大地にめり込むほどの上空からの拳撃に即死しなかった隊長ブランクの頑丈さを称えるのは褒め過ぎだろうか?


ライダーパンチのレゾンデートル 今更だが、仮面ライダーストロンガーは仮面ライダーの一人にして、改造電気人間である。故に勝負時の決まり技はストロンガー電キック及びそこから派生するキック技か電気技が主体となる。そんな中、超電子の技とはいえ、パンチ技が決まり手となるのは極めて稀有である。
 ベアナックルで相手を殴りつけるのは人類が自らの体を武器とて攻撃する際の基本中の基本であり、それゆえに余程の技や場面でないと特別視される事は無い。ましてやライダーキックが代表的必殺技となる事の多い仮面ライダーシリーズでは尚更である。
 それゆえにシルバータイタンはこの超電急降下パンチに対して、@超電子系唯一のパンチ系必殺技であること、A上空からの落下速度を加えた破壊力、B超電三段キックと並ぶ連続性、C相手の体を地面にめり込ます特異性等からももっと人口に膾炙して欲しいと思うのであった。


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令和三(2021)年五月二〇日 最終更新