キカイダー01全話解説

第2話 ハカイダー四段攻撃とは何か!?

脚本:長坂秀佳
監督:畠山豊彦


 冒頭、猟犬を連れた二人のハンターが何者かを追っていた。ハンター達はアンドロボット達を化け物と見て猟銃をぶっ放し………一応、二足歩行をしているのだから、普通の人間である可能性を考慮しなかったのだろうか?、この人達(苦笑)。
 ともあれ、銃弾はアンドロボット達には全く効かなかった。これを見れば雑兵とはいえ、アンドロボット達は常人より遥かに恐ろしい存在であることが伺える訳だが、まあ、これも最初期だけだろうな(苦笑)。
 結局、猟師達はシルバーハカイダーレッドハカイダーに襲われ、殺された。何とも残酷なシーンだが、直後、これを目撃した百地頑太が死んだ振りをして地面に横たわるのを踏んづけても何ら反応を示さず歩き去った鈍感ぶりを見ていると、「何だかなぁ…。」である(苦笑)。
 目撃者を始末し、崖上に立ったハカイダー四人衆ハカイダーはアキラの捕獲と、前話で01に破壊されたハカイダー基地の再建を命じた。ということは、ハカイダー部隊はアジトを一つしかもっていなかったことになる。世界各国を相手に武器密売を展開していたダークよりも明らかに格下な組織力と云わざるを得まい(苦笑)。

 その頃、イチローはリエコの手掛かりを求めて東都病院にやって来ていた。
 言及は無かったが、前話で彼女を病院に運ぶよう頑太に託していたから、頑太から収容先を聞いたのだろう。だが病室にリエコの姿は無く、待っていたのはレッドハカイダーによる狙撃攻撃だった。
 レッドハカイダーの放つクロスボウ(ミサイルボウガンと云うらしい)は、窓ガラスを破って、厚手の花瓶の首を貫通し、病院の壁に突き刺さっていたのだから、威力は確かに大きいものだった。ただ、特撮・アニメにおいてこの手の飛び道具が命中することはまずない(笑)。特に連射中は(苦笑)。

 とはいえ、アキラと看護師を庇わなければならないイチローにして見れば充分に厄介な攻撃だった。そしてそんな最中に殆ど表情を変えないアキラを見て、看護師はアキラの記憶喪失は催眠術によって封じ込められたものではないか?と推測していた。
 一体何者がこんな年端も行かない子供にこんな仕打ちをするのかと憤るイチローはアキラを連れて林を抜け、西武園なる遊園地に逃げ込んだが、ブルーハカイダーシルバーハカイダー、アンドロボット達が次々と執拗に襲って来た。

 イチローはアキラをジェットコースターに潜ませ、これを始動させると自らは01に変身してハカイダー三人衆及びアンドロボット達と対峙した。
 ハカイダー三人衆の戦闘能力は明らかに01に劣っていた。白兵戦では三人掛かりでも優位に立てず、得物を取っても、ブルーハカイダーの電磁鞭が10万ボルトの電力で少し01を苦しめたぐらいで、その鞭もあっさり叩き切られてはそれ以上の用を為せなかった(苦笑)。
 結局01の撤退を許し、それならばとアキラの潜むジェットコースターに駆け付けるも、中に残っていたのは身代わりのぬいぐるみだった。
 少年の頃に、同作品を見たことがあり、ハカイダー三人衆が比較的早期に全滅したのは覚えていたが、第1話、第2話は見ただけでも、成程01を苦しめる存在には見えんな(苦笑)。

 そしてBパートに入るとハカイダー三人衆ハカイダーの鉄拳制裁を受けていた。制裁に対し、「何しやがる!」と暴言論調で抗議したり、シルバーハカイダーが殴り返そうとしたりしていたのを見ると、ハカイダーハカイダー三人衆の主従関係は然程強固なものではないのが伺えて興味深い。
 ハカイダー三人衆は自分達が01に負けた訳ではないとして抗議の声を挙げていたが、ハカイダーは三人掛かりで01一人を倒せないハカイダー三人衆に大口を叩く権利は無い、として、以後の彼等の勝手な行動を禁じた(←と云うことはそれまではある程度の裁量を認めていたということである)。

 尚も不服の色を隠せないハカイダー三人衆だったが、ハカイダーは次に01と戦うときは四段攻撃を敢行するとし、アキラに対して、服に発信機が取り付けてあるので、基地内のマジックレーダーでいつでもその位置を把握出来ると告げた……………発信機を取り付ける間があったら、そのまま攫えたんじゃないのか??(苦笑) まあ、飛び道具で取付けた可能性もあるか………。

 その頃、看護師に連れられたアキラは風車小屋の前で佇んでいた。相変わらず無表情のアキラはイチローのことを嘘吐き呼ばわりしたり、空腹を何度も訴えたり、とキーパーソンであることや記憶を封じ込められるほどの特殊体験を考慮に入れず見れば、我儘なクソガキにしか見えない。
 そんなアキラに看護師がほとほと困っているところにイチローがやって来た。看護師はイチローにアキラを託し、自身はその場を立ち去った。そんなイチローを前に、イチローをイチローじゃないというアキラも変なら、アキラを託す際に「幸せにしてね。」と意味深な台詞を口にしていた看護師も変だったが、その理由はすぐには判明した。

 詰まる所、看護師はリエコの変装で、変装を解いたリエコはさっき別れた筈のイチローと遭遇した。イチローにアキラとの関係や、アキラがハカイダーに狙われる理由を尋ねられ、狼狽えつつもだんまりを決め込んでいたリエコだったが、イチローにアキラの行方を聞かれ、最前別れた筈のイチローが云う台詞としてはおかしいことから、最前のイチローと眼前のイチローが異なる存在であることに気付いた。

 果せるかな、アキラの前に現れたイチローはシルバーハカイダーの化けたもので、嫌がるアキラを無理矢理連行しようとしたが、その途中トランペットの吹奏に遭遇した。ハカイダーも現れ、一同が何処だ何処だと周囲を見渡す中、前話同様ハカイダーが崖上のイチローに気付いた。
 いい加減、高所から現れることに気付こうよ、ハカイダー部隊………(苦笑)。

 前話同様の啖呵を切ったイチローは01にチェンジするとアキラを逃がし、忽ち白兵戦が展開された。だが、程なく日没が迫り、01は不利を悟った。
 このようなサイトを閲覧されるような方々に説明不要だとは思うが、一応第2話の解説という意味でも言及するが(苦笑)、太陽電池で動くキカイダー01は太陽光が供給出来ない状態では戦闘能力が10分の1に低下する。
 01はエネルギーのある内にハカイダー基地を破壊するべきと考え、ゼロワンドライバーで一行を蹴散らすとそのままハカイダー基地に飛び込んだ。

 設定上、太陽電池が作動する状況ではキカイダーよりも強力とされる01は、1対1ではハカイダーに対しても優位に立ち、ハカイダーの妨害を物ともせず、ハカイダー基地の破壊に成功した。
 当初の目的を果たした01だったが、その間に日は完全に没し、01は追撃して来たハカイダー三人衆によってあっさり捕えられ、バイクに引きずられた。電磁鞭による攻撃をかわすべく、最後の力を振り絞ってエアクラフトを駆使して上空に逃れた01だったが、そこにはハカイダーが待ち受けていた。
 ハカイダーはマジックレーダー付き基地を破壊された恨みを述べると、ハカイダー四段攻撃の敢行を宣告した。ハカイダー四人衆は上空に飛ぶと、

 まずブルーハカイダーが「燕返し!」と称して01を鞭打ち(←佐々木小次郎じゃないって!)、

 次いでレッドハカイダーが「オウム返し!」(←意味ちゃうぞ!(苦笑))と称して01を投げ、

 更にシルバーハカイダーが「孔雀返し!」と称してロッドからの大車輪でXキックを食らわし、

 最後にハカイダーが「コンドル縛り!」(←何故最後だけ「縛り」??)と称して、ハカイダー三人衆が張った結界の様な所に01を叩き込むと、01の体は結界(?)上にて何度もバウンドされることで大ダメージを受け、大地に叩き付けられた時には両脚が動けなくなっていた。

 投げ飛ばされたことでハカイダー達との距離が出来たが、当然ハカイダー達は追跡して来た。01は自分の元に駆け寄るアキラを巻き込むまいとして来るなと叫んだが、アキラは聞かない。云うこと聞かない我儘振りを批判したくもなるが、01に抱き着いて泣いている姿を見ると、年端も行かない身で散々怖い眼を見て、他に頼るべき存在も見当たらないことを思えば、確かに同情に値する。

 かくして01はアキラを小脇に抱え、両足を引きずりながら岩間に身を隠し続けた。第2話で早くも大ピンチ!大丈夫か!?



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 最終更新 令和四(2022)年一〇月二一日