キカイダー01全話解説
放映データ
- 製作/NET、東映
- 全46話
- 1973年5月12日〜1974年3月30日
スタッフ
- プロデューサー/平山亨、吉川進
- 監督/北村秀敏、永野靖忠、今村農夫也
- 脚本/伊上勝、長坂秀佳、曽田博久、島田真之
キャスト
イチロー/キカイダー01(池田駿介)、マリ/ビジンダー(志穂美悦子、声:江川菜子)、リエコ(隅田和世)、ミサオ(松木聖)、百地頑太(九里みのる)、アキラ(五島義秀)、ヒロシ(石井聖孝)、ビッグシャドウ(八名信夫)、ジロー/キカイダー(伴大介)、ハカイダー(声:飯塚昭三)、レッドハカイダー (声:大宮悌二)、ブルーハカイダー (声:和久井節緒)、シルバーハカイダー (声:上田耕一)、シャドウナイト (声:今西正男、清川元夢、渡部猛)、ビッグシャドウ (声:緑川稔)、ザダム(声:鈴木泰明、細井雅男)、ワルダー(声:渡部猛)、ナレーター(岡部政明)
主題歌 オープニング エンディング 作詞 石森章太郎 八手三郎 作曲 渡辺宙明 渡辺宙明 編曲 渡辺宙明 渡辺宙明 歌 秀夕木、コロムビアゆりかご会 秀夕木、コロムビアゆりかご会
キカイダー01について
光明寺博士が開発した正義のアンドロイド・キカイダーがダークを壊滅させてから3年。プロフェッサー・ギルとダーク最高の科学者の脳を移植して蘇ったハカイダーが、ハカイダー部隊を結成して世界征服に乗り出した。そして、その目的実現のために謎の少年アキラが持つ秘密を手に入れようとアキラを執拗に狙う。だが、仁王像に封印されていたキカイダー01の回路が悪の活動を感知し、長い眠りから復活した。ここに01とハカイダー部隊による戦いの日々が始まった。
『キカイダー01』主な登場人物
イチロー/キカイダー01(池田駿介)
本作の主人公。光明寺博士によってキカイダー = ジローより先に製作された人造人間。
キカイダーとは異なって、ギルの悪魔の笛の音を全く受け付けず、弱者を抑圧するものに対して迷いなく戦うことから、キカイダーの様な「不完全な良心回路」ではなく、「完全な良心回路」を持っていると推測される(良心回路に関する作中での明言はない)。
光明寺博士によって、日本をとりまく悪のエネルギーが増大した時に眠りから醒めるようにセットされた上で仁王像の中に3年間封印されていたところに、ハカイダー部隊の破壊活動に反応して活動を開始した。
移動・戦闘に乗用する専用の特殊サイドカーはダブルマシン。
動力源として頭部にある太陽電池により発生するエネルギーで活動する。太陽電池の力は、常時太陽光が得られる場所ではキカイダーよりも強力だが、日没後や海底など太陽が届かない場所では出力が10分の1になってしまう。
外観は、太陽エネルギーを取り入れやすくするため内部機械の露出部位が多く、キカイダーとはカラーリングが逆で右半身が赤く、左半身が青い。
得意技はゼロワンカット、ゼロワンドライバー。必殺技はブラストエンド。
人間体のイチローが何者をモデルにしたものなのか一切不明。ジーンズルックに赤いジャケットを着用、01マークが入った青いヘルメットをかぶり背中に白いトランペットを背負うといった派手ないでたちがトレードマーク。
弟同様、トランペットで独特のメロディーを吹きながら高所より登場。その際に「悪のある所必ず現れ、悪の行われる所必ずゆく、正義の戦士キカイダー01!」と啖呵きりするのが通例。
マリ/ビジンダー(志穂美悦子)
第30話から登場。大犯罪組織シャドウが、女子供に弱い01の性格を分析して作り上げた悪の人造人間で、華奢な見た目から想像できぬほど頑強であり、ゼロワンドライバーを受けても軽傷で済んだ。
01と互角に渡り合えるほど、シャドウの人造人間の中では群を抜いた強さを持つ。イチローによって「せめてジローと同等の心を持って欲しい。」という思いから、イチローの作った不完全な良心回路を備え、その後は01と共にシャドウに立ち向かっていった。
背中に背負った小型のハープを弓矢のようにして使う。必殺技は、胸から放つビジンダーレザー。他にも、ハカイダーを跳ね飛ばす威力があるビジンダーキック、空中回転からキックを決めるビジンダーシュートという技もある。
ビジンダーレザーのエネルギーを使用することで飛行も可能。エネルギーの殆どを使用することで、心臓停止した人間へのショック療法も可能。
01とエネルギーを合わせることでブラストレザーという強力な破壊光線を発することが可能。キカイダーを加えた3人で放つ超必殺技キカイダー・トリプル・サークラインの威力は絶大。
人間形態はマリと名乗る女性。01を罠に嵌める為にマリとしての人格はビジンダーとはやや異なって作られており、良心回路を搭載する以前から女性らしい慈愛の心を持つ。それゆえ人間とロボットの間で苦悩することも多い。
寒さに弱く、上着なしで寒い冬に一晩さらされるとエネルギー転換装置が耐えられず、停止してしまう。その胸には小型水爆が内蔵されており、ブラウスの第3ボタンを外すと起爆装置が作動する。勿論迂闊に水爆を外すと命に関わるので、誤爆防止の安全装置も内蔵され、シャドウ基地から遠隔操作出来るようになっている(後にワルダーによって外された)。
ジロー / キカイダー(伴大介)
前作の主人公で、イチローの弟として、光明寺博士に製造された人造人間。
01のピンチには度々登場し、キカイダー兄弟として活躍。
前作同様、ギターを持って颯爽と現れる。
リエコ(隅田和世)
アキラを影から守る女性。ダークではアキラの教育係をしていたが、ギルのようになることを恐れ、彼と共に基地から脱出した。変装の名人。イチローに好意を寄せるが、第24話で、自分が乳母代わりの人造人間であることを明かして爆死した。
ミサオ (松木聖)
第15話から登場。ダークにてヒロシの教育係として働いていた女性。
ダーク壊滅後はスリで生計を立て、ヒロシとともに彷徨っていた。「金持ちか悪人からしかスラない」というポリシーの持ち主で、リエコほどではないが変装も得意。リエコの死後は、アキラの世話もするようになる。
百地頑太(久里みのる)
甲賀流忍者・百地三太夫の子孫を自称するフリーカメラマン。
特ダネをものにしようとカメラを持ち歩いているが、いつも失敗しているドジな男。「やってみるもんねー」が口癖。イチローやアキラからは「ガンモ」と呼ばれ、そう呼ばれると怒る。
前作『人造人間キカイダー』に登場した服部半平の、ギャグメーカーとしての後継キャラクターだったが、半平ほどの活躍・立ち位置を得られず、第19話を最後に理由なく姿を消した。
アキラ(五島義秀)
ハカイダー部隊に狙われる少年。その身元は前作で壊滅したダークの首領プロフェッサー・ギルの次男。
催眠術によって記憶を失っている。巨大ロボット・ジャイアントデビルの心臓部の設計図が特殊インク(水に反射させた光を当てることで現れる)によって、背中に刷り込まれている。
ヒロシ(石井聖孝)
第15話から登場。前作で壊滅したダークの首領プロフェッサー・ギルの長男で、アキラにとって2歳上の兄。弟同様、ジャイアントデビルのボディ部分の設計図を背中に隠し持つ。イチローを「アニキ」と呼ぶ。
ビッグシャドウ(八名信夫)
第10話から登場。大犯罪組織シャドウの大首領。コンピューター・ブラックサタンによる1000万人殺人計画などの冷酷な作戦を実行する。当初はシルエットのみの登場だったが、第20話で本体を現した。黒い仮面とマントをまとった怪人だが、その正体は不明。最終話で基地と運命を共にした。
ハカイダー(声:飯塚昭三)
前作にてダークによって製造された人造人間。ダーク滅亡から3年後、ダーク首領プロフェッサー・ギルの脳を組み込んで出現した。
ダークの最高科学者3人の脳を埋め込み生まれたレッド、ブルー、シルバーの3体のハカイダーを従え、ハカイダー部隊を結成した。
設定によると、前作に登場したハカイダーとは全くの別人とのことで、人間体・サブローになることはなく、変身能力を駆使して他の人間に度々変身した。
クールでニヒルだった前作とは異なり、傲岸で残忍。強力なライバルキャラとしての描写もなくなり、言動や行動も粗野なものとなる。
世界征服とキカイダー兄弟の抹殺が目的。怪物ロボットブラックドラゴンに変身し、通常時の10倍の能力を発揮。
部下3人と合体してガッタイダーとなった際は40倍の能力を発揮。他にもハカイダーショット、破壊剣、鞭、催眠術、ギルの悪魔笛等を武器として使用。
ハカイダー部隊壊滅後、シャドウによって救出され、以後、シャドウの一員として行動するが、完全に服従はしなかった。
シャドウの幹部になって後、女性市民を次々と通り魔的に殺害したり、石油ショックでパニック状態になったスーパーマーケットでトイレットペーパーが備蓄している倉庫を暴いたり、買い占めたミカンを倉庫に置いて混乱を引き起こして笑ったり、果ては犬が苦手なワルダーを憂慮したビッグシャドゥに命じられ、野犬の駆除をする羽目になったり(さすがの彼もこの時は不満を漏らしていた)…など一転してコミカルな描写が増えてしまう。
レッドハカイダー(声:大宮悌二)
ハカイダー部隊の幹部。胸当てが赤色で「R」のマークがある。得物は連射式のミサイルボウガン。第9話で戦死。怪物ロボット朱ムカデに変身。
ブルーハカイダー(声:和久井節緒)
ハカイダー部隊の幹部だが、ボスの座を狙う野心家でもある。胸当てが青色で「B」のマークがある。得物は電磁ムチ。第9話でレッドハカイダーとともに戦死。怪物ロボット青ワニに変身。
シルバーハカイダー(声:上田耕一)
ハカイダー部隊の幹部。胸当てが銀白色で「S」のマークがある。得物は伸縮自在のシルバー電子棒。第10話で戦死し、これをもってハカイダー部隊は壊滅した。怪物ロボット銀エビに変身。
シャドウナイト (声:今西正男、清川元夢、渡部猛)
第8話から登場。シャドウの初代大幹部。
西洋風の甲冑と巨大な単眼が特徴。巨大な眼から放つ眼力殺人光線、複数の剣を投げつける攻撃、剣先から発射する破壊光弾デッドインパルスで01を苦しめる。第27話で01に敗れ爆死。
声の担当が度々変わっており、第8〜16話は今西正男、第17〜19話は清川元夢、第20〜第22話は再度今西が、第23話以降は渡部猛が当てた。
ザダム(声:鈴木泰明、細井雅男)
第24話から登場。ビッグシャドゥが月世界基地から呼び寄せた最高幹部。
2体の悪魔型ロボットが横並びで合体したような姿をしている。武器は両手に持つ破壊弾を発射する三叉槍。地面に陥没を起こしたり、相手の片腕を外して本人を襲わせたりするなど、ロボットでありながらハカイダーを手懐けてしまう程の強力な念力を持つ。
最終話にて「ザダム分離術」で2体に分離してキカイダー兄弟と対峙。普段は二つの声を重ねて話すが、分離時は別々に話す。
ワルダー (声:渡部猛)
37話から登場。01を破壊するためにビッグシャドゥが雇った謎の殺し屋ロボット。
頭部に闘争回路を持つ剣術の達人だが、自分が納得しなければ行動することはない。善悪の判断が出来ないため、「悪い奴に吠え、泥棒に噛み付き、善悪の判別をするもの」として犬に苦手意識を持つ。また、一時ビジンダーに恋をして文通したこともある。
武器は機関銃や分銅杖にもなり、刀も仕込まれている超槍銃。敵を一刀両断するワルダーつばめ返しが必殺技。専用マシンとしてワルダーマシンを持つ。また、横笛を愛用。
ビジンダーに助けられた01に最後の勝負を挑み爆死した。
敵対した組織・ハカイダー部隊、シャドウ
ハカイダー部隊とは
ダーク壊滅から3年後に現れたサイボーグロボット軍団。4体のハカイダーで構成されている。ダークのアンドロイドマンを思わせるアンドロボットを率いる。
「ハイル・ハカイダー!」という宣誓を合言葉とし、世界征服に必要なジャイアントデビルの設計図の入手・完成を目指すが、キカイダー兄弟の奮戦によって第10話で壊滅する。
世界大犯罪組織シャドウとは ハカイダー部隊末期より暗躍していた謎の組織。その正体は謎の怪人ビッグシャドゥが率いるアンドロイドの犯罪組織。
世界征服を目論んでおり、目的達成のためには手段を選ばない。シャドウ殺人部隊と呼ばれるロボット軍団を主戦力としており、月面基地まで持ち、前組織のダーク破壊部隊、ハカイダー部隊を遥かに凌ぐ巨大組織。
放映リスト及び解説
話数 サブタイトル ON AIR メインの対戦・決着アンドロイド 第1話 無敵!! 人造人間ゼロワン誕生!! 1973/05/12 − 第2話 ハカイダー四段攻撃とは何か!? 1973/05/19 − 第3話 帰って来たジロー キカイダー 1973/05/26 − 第4話 怪奇!幽霊ロボット消滅!? 1973/06/02 銀エビ 第5話 恐怖!青ワニ島で卵が笑う!! 1973/06/09 青ワニ、朱ムカデ 第6話 魔術師対ゼロワンの秘密能力!! 1973/06/16 朱ムカデ 第7話 落雷!機能低下のゼロワン直撃 1973/06/23 ブラックドラゴン、ガッタイダー 第8話 イチロー危機!四人衆合体!! 1973/06/30 ガッタイダー 第9話 大犯罪組織シャドウ出現の怪!! 1973/07/07 赤面ガメ 第10話 大首領ビッグシャドウの怪奇!? 1973/07/14 − 第11話 怪談 地下秘密基地の幽霊女 1973/07/21 赤面ガメ、幽霊女 第12話 怪談 墓場の化猫呪いの生首 1973/07/28 化猫ロボット 第13話 怪談 妖怪ロクロ首の挑戦!! 1973/08/04 シャドゥロクロ 第14話 怪談 ギルの亡霊が地獄で呪う 1973/08/11 お岩フクロウ 第15話 爆発 ジャイアントデビルの秘密 1973/08/18 死神ロボット 第16話 恐怖!ミイラ男のニトロ爆弾 1973/08/25 シャドゥミイラ、シャドゥゴーレム 第17話 大巨篇!! 恐怖の巨人(ジャイアント)デビル始動 1973/09/08 コムソウドクロ 第18話 史上空前絶後!! 人造人間大爆発 1973/09/15 ジャアントデビル 第19話 キングインデアン必殺の呪文!! 1973/09/22 キングインデアン 第20話 大狂乱 シャドウ首領の正体判明 1973/09/29 − 第21話 吸血の館 美人女子寮の恐怖!! 1973/10/06 吸血コウモリ16号、17号、18号 第22話 本日の特別授業は殺人訓練?! 1973/10/13 サソリストロング 第23話 悪魔のヒトデ女 人類絶滅寸前!! 1973/10/20 シャドゥ鬼ヒトデ1号、シャドゥ鬼ヒトデ2号、秘密工作員 第24話 悪魔の業!? 地球ブタの惑星計画 1973/10/27 マッドピッグ104、マッドピッグ105、ピッグマン 第25話 悪魔の子ザダム 月世界基地発進 1973/11/03 − 第26話 南紀の死斗!! ザダム超能力発揮 1973/11/10 テングムササビ、地獄河童 第27話 秘境の激戦!! ザダムの地獄の罠 1973/11/17 地獄河童、水爆河童 第28話 狂った町 恐怖の人魚姫大逆襲 1973/11/24 人魚ロボット 第29話 赤鬼 青鬼 恐怖の100億V!! 1973/12/01 ライジーン・プラス、ライジーン・マイナス 第30話 悪魔?天使?ビジンダー出現!! 1973/12/08 公害ナマズ 第31話 哀れ人造人間ビジンダー爆死 1973/12/15 − 第32話 地獄に呼ばれるビジンダー 1973/12/22 インクスミイカ 第33話 非情 子連れゴリラの涙・涙 1973/12/29 ビッグゴリラ、ミニゴリラ、ビッグゴリラ2世 第34話 呪いの大時計 ビジンダー危機 1974/01/05 キチガイバト 第35話 振袖娘ビジンダー地獄絵巻 1974/01/12 キモノドクガ 第36話 四次元の怪 恐怖のタイム旅行 1974/01/19 シャドウ忍者部隊 第37話 剣豪 霧の中から来たワルダー 1974/01/26 − 第38話 必殺の仕掛 血闘三つ巴! 1974/02/02 − 第39話 強敵宇宙人は空飛ぶ円盤で来る 1974/02/09 宇宙人ロボット 第40話 脱出!! 冷凍ビジンダー危機一髪 1974/02/16 − 第41話 天下無敵 空中戦艦爆破!! 1974/02/23 サタン、ビジンダー影、、ワルダー影 第42話 同志討ち 火を噴く影法師銃 1974/03/02 影法師ロボット、ゼロワン影 第43話 ビジンダーに恋した若者 1974/03/09 アクアラングマン 第44話 ビジンダーの美しく悲しき別れ 1974/03/16 − 第45話 サムライワルダー暁に死す 1974/03/23 浪人武士ロボット 第46話 よいこの友達 人造人間万才! 1974/03/30 −
第1話へ進む
特撮房『全話解説』の間へ戻る
特撮房へ戻る
最終更新 令和六(2023)年二月二日