キカイダー01全話解説

第7話 落雷!機能低下のゼロワン直撃

脚本:長坂秀佳
監督:永野靖忠
ブラックドラゴン、ガッタイダー登場


 冒頭、とある食堂にて曇天の中、客もいないので店じまいしようかと二人の女性が話していたところに突如水道が止まり、逆に炎が噴き出すという信じ難い現象が起きた。
 炎の中からは「地獄の王者」を自称するブラックドラゴンが現れ、この店を占拠すると宣言するや、恐怖の余り二人の女性は揃って失神した。

 夕暮れ時、その店の前にやって来たイチローは、店内から殺気が漂ってくるのを察知したが、それに挑むには時間が悪かった。もしハカイダー部隊が待ち受けていたら10分の1の能力で戦うこととなり、アキラの身も危険に曝すことになる。
 だが、空気を読まないアキラが(苦笑)空腹に耐えかねてダブルマシンから飛び降りて食堂に駆け込んでしまった。こうなると不安を抱えつつもイチローも同行しない訳にはいかない。案の定、入店するやアンドロボット達が襲い掛かり、蹴散らしたイチローが店を出ようと促すも、ポルターガイスト現象が二人を襲い、無数の食器が二人を襲い、偶然入店して来た頑太が顔面に二杯のラーメンを食らった。「一つでいいのに……。」と呟いて気絶する頑太………って、文句云うところ、そこかい!?(苦笑)。

 そして何とか外に出ようとドアノブを掴むイチローの腕にはドアノブが竜の頭となって食らいついた。アキラに逃げるよう促し、竜の頭を殴打して逃れたイチローだったが、そこにブラックドラゴンがその姿を現した。
 これまでのストーリー展開や、前話のラストや、声からもブラックドラゴンハカイダーの変身体であるのは丸分かりなのだが(笑)、いずれにせよイチローは懸念した様に変身出来ない。

 この後、三者は個々に危機に見舞われた。
 這う這うの体で屋外に出た頑太は、店を出たところで不気味な老婆(無智豊子)に「レバニラ炒めと、餃子と、ニンニク食べてんやけど、あの店、やってんべか?なぁ?」と問い掛けられたところで気絶。
 アキラはアンドロボット達に追われ、車でやって来たリエコに乗せられて虎口を脱した。  そしてイチローは変身出来ないところをブラックドラゴンとアンドロボット達のいたぶる様な攻撃を受けていたが、そこに例のギターの音色が鳴り響いた。
 高所から降り立ったジローは既にキカイダーにチェンジ済みで、イチローにアキラの保護を促し、自身は単身ブラックドラゴン達に立ち向かった。だが、ブラックドラゴンは「俺の相手は貴様ではない!」と云い放つやその姿を消した。

 程なく夜が明け、公園にアキラを緊急避難させたリエコは間もなくイチローが迎えに来るとして姿を消し、アキラもそれに首肯したが、一人になったアキラには既にアンドロボット達の目が光っていた。だが、様子をうかがっていたアンドロボット達が(ハカイダー達による折檻を恐れ)意を決してアキラを襲わんとしたときには既にアキラは遁走に掛かっていた。
 一方、ダブルマシンの飛行能力を駆使して上空からアキラの行方を追っていた01にはブラックドラゴンが襲い掛かった。火炎ドラゴンなる技を駆使して炎を吐いて01を攻め立てるブラックドラゴンだったが、01はアキラ救出を優先して勝負を避けた。

 一方、そのアキラは公園の橋の下の川に身を潜めていたが、くしゃみをするというベタな要因で居場所がばれそうになった。しかしいまだアキラを見つけていないことに業を煮やしたシルバーハカイダーにアンドロボットが抹殺されたことで九死に一生を得た。仮面ライダーシリーズじゃないが、戦闘員の悲劇、ここに極まれり、だな(苦笑)

 直後に川の中に叩き落されたアンドロボットがアキラに気付いたのだが、言葉が言葉にならず、続いてやって来たブルーハカイダーに処刑された(苦笑)。
 シルバーハカイダーブルーハカイダー、そして最後にやって来たレッドハカイダーはアキラが見つからないことでハカイダーの怒りを買うことを恐れ、業を煮やしてアンドロボット達を「役立たず」として抹殺したことを口にしていた。焦りの程は分からないでもないが、「人探し」を第一優先とするなら、人海戦術の方が有利なのにな(苦笑)

 だが、根本的なアキラの危機は勿論去っていない。
 アキラは他のアンドロボット達に追跡され、頼みの綱の01にもブラックドラゴンが執拗に追い縋っていた。
 そしてそれとは別途にアキラを追うシルバーハカイダーブルーハカイダーレッドハカイダー達はなかなかアキラが見つからぬことに辟易するとともに、任務にも嫌気が差していた。
 三人は何故アキラを捕えなければいけないかが分かっていなかった。正確にはアキラが重大な秘密を握っている故に捕らえなければいけないのを知りつつ、その秘密をボスであるハカイダーしか知らないことに苛立っていた。
 殊にブルーハカイダーはその機密を知りさえすれば、ボスに反旗を翻すことも可能、として息巻いていたが、結局その秘密を知る為には任務通りアキラを捕えるしかなかった(笑)。

 そしてそのアキラの秘密だが、その一端は背中に在った。濡れた服をベンチに掛けて乾かすことで上半身裸になったアキラの背中に太陽光が射すと、そこには設計図と思しき図面が現れていた。
 それを目撃したブルーハカイダーシルバーハカイダーレッドハカイダーは三方からアキラに襲い掛からんとした。しかしそこにそれまで(余りストーリーと関連しないので割愛していたが(苦笑))何かと頑太と絡んでいた老婆が現れ、アキラを連れ去った。
 老婆による連行はアキラの意志を無視した強引なもので、アキラは「放せ、放せ。」と特撮子役ワンパタ台詞を連呼していた(笑)。だが程なくシルバーハカイダーが追い付き、老婆の正体がリエコの変装と看破していた彼はリエコの変装を剥ぎ、その隙に逃げんとしたアキラもブルーハカイダーレッドハカイダーに取り押さえられた。

 自分はどうなってもアキラは渡さない、と宣するリエコにならば死ねとにじり寄る三人だったが、そこにトランペットの音色が鳴り響いた。
 いつもの口上を述べ、大地に降り立ったイチローは01にチェンジすると雑魚であるアンドロボット達にゼロワンカッターゼロワンドライバーを駆使する程戦意を燃やしてアキラを助けに掛かった。そして程なくアキラを保護することに成功したイチローだったが、その時にはリエコはまたも姿を消していた。

 だが、安堵出来たのも束の間で、前作でのサブローを彷彿とさせる口笛を響かせ、ハカイダーその人が現れると、サンダーダークなる暗雲を召喚し、太陽光を遮断するとブラックドラゴンに変身して襲い掛かって来た。
 勿論、01へのチェンジも叶わないイチローはアキラを庇って逃げ惑うしかなかった。加えてブラックドラゴンは前述の火炎ドラゴンのみならず、竜型の右手からは百連銃なる銃撃を発し、更には落雷まで召喚してイチローの体を撃ったのだった!
 だが、離れたところでこれを見ていたジローはサンダーダークの絡繰りを知っていたらしく、キカイダーにチェンジして上空に昇ると暗雲発生装置を破壊し、イチローは01へのチェンジが可能となった。

 かくしてキカイダー01とブラックドラゴンとの一騎打ちとなったのだが、満を持して現れたにしては、ブラックドラゴンは強くなかった。
 百連銃は01には全く効かず、殴り合いこそ互角だったが、01がゼロワンカッター2連発、ゼロワンドライバーを放つとすっかりグロッキーとなり、ブラストエンドを食らうやもんどり打って崖下に転落した。
 爆破炎上したかに見えたハカイダーは辛うじて生きていたが、見るからにかなりの重傷だった。だがそれでも戦意は衰えておらず、心配して駆け付けて来たブルーハカイダーシルバーハカイダーレッドハカイダーを殴りつけて、自分達にはまだ死神ミサイル原爆砲なる、聞くからに物騒な名前の武器があることを口にして息巻いていた。

 ともあれ、一段落を得たイチローとジローは握手を交わしつつ、ハカイダーがこのまま引き下がるとは思えないことを懸念したり、それでもアキラを両親の元に届けなくては、といったことを話したりした後に別れたのだが、ジローの懸念が的中したかのようにハカイダーが三人の部下と共にスクラムを組んで回転して変身したガッタイダーがイチローとアキラを襲った。

 ダブルマシンごと二人に死神ミサイルを投下して高笑いするガッタイダー。二人の運命や如何に?



次話へ進む
前話に戻る
『キカイダー01全話解説」冒頭へ戻る
特撮房『全話解説』の間へ戻る
特撮房へ戻る

 最終更新 令和四(2022)年一〇月二一日