キカイダー01全話解説

第8話 イチロー危機!四人衆合体!!

脚本:長坂秀佳
監督:畠山豊彦
ガッタイダー登場


 話は当然前話の続きから始まった。
 ハカイダーシルバーハカイダーブルーハカイダーレッドハカイダーが合体して生まれたガッタイダー(四人の頭脳と色が混じった様な容姿だが、デストロンの吸血カメレオンみたいで、はっきり云って格好悪い(苦笑))が上空から死神ミサイル弾なる爆撃を繰り返して襲っていた。
 この手の攻撃にしては珍しく、実際に死神ミサイル弾はダブルマシンを直撃し、合体を解いた四人は木の枝に引っ掛かったアキラを捕えんとしたが、そこに二人の身を案じて戻って来たイチローが現れてアキラを連れて逃げた。
 ハカイダー達は再びガッタイダーとなって今度はキカイダーを襲撃した。だが何故かガッタイダーは程なく合体を解き、必ずアキラを手に入れることを告げて姿を消した。四人合体には長時間出来ない無理でもあるのだろうか?

 一先ずアキラを下関市のホテルに匿ったジローだったが、イチローの行方は不明のままで、当然アキラは気が気でない。ジローは、兄があれしきの攻撃でやられる筈はない、と楽観意見を述べ、アキラの保護を優先していたが、既にリエコと怪しいマスク姿の男の視線が彼等に注がれていた。
 程なく入浴中のアキラをガッタイダーが襲ったが、これには当然の様にジロー=キカイダーが立ちはだかった。だがガッタイダーは途中で姿を消し、逃げたアキラを追跡した。
 キカイダーが追いすがるアンドロボット達に手こずっている合間に攫われようとしたアキラだったが、今度はそこに爆撃から辛うじて戻って来たイチローがトランペットを吹き鳴らして立ちはだかった。

 高所から降り立ったイチローはそのままの姿で結構長時間大立ち回りを演じた果てに01にチェンジし、ゼロワンドライバーを駆使しつつ戦い続けていたのだったが、そろそろ01VSガッタイダーの決戦に及ぶかと思われたその刹那、第三者が戦いに割って入った。
 第三者はホテルのロビーでジローとアキラを注視していたシルクハットにサングラスにマスクをした白衣の怪しい男だったのが、戦いに割って入るや即座にアンドロボット達を蹴散らし始め、ガッタイダーは01との勝負よりも怪しい男を何とかせんとした。

 直後駆け付けたジローと共に何とかアキラを救い、寝かしつけたイチローだったが、一時の安堵を得たとはいえ、例の怪しい男の事が気に掛かっていた。
 現時点ではキカイダー兄弟に敵対的な行動を取っていないとはいえ、勿論油断は出来ない。ジローは自分がマスク男を追うと申し出、イチローもこれを了承してアキラ保護に努めた。

 ジローが外出した直後、リエコが現れて扉を開けたのだが、勿論それに気付かないイチローではない。屋上で会話を交わす二人だったが、開口一番リエコは今後アキラのことを自分に任せて欲しいと申し出た。
 リエコは、これまで何度も肝心なところで姿を隠した理由を、自分がアキラと一緒にいるとアキラに危険が及ぶと考えての事だったと語り、今ではイチローやジローと一緒の方がアキラにとって危険と考えて、自分にアキラを任せて欲しいとした。
 一理なくはない申し出だが、ハカイダー部隊の狙いがアキラである以上、誰に預けてもアキラの危険に変わりはないと思う(苦笑)。まして、安心して預けるには(敵でないとしても)リエコの素性は謎過ぎた。

 案の定、イチローはリエコの申し出に対する回答を保留し、何故にアキラが執拗にハカイダー部隊に狙われるかの秘密を知っている筈だと詰問した。「知らないとは云わせない!」とのイチローの難詰に、リエコは秘密を知っていることを認めた上で「云えません。」とした。
 ただ、昨今のドラマによく見らえるようなつっけんどんな拒絶や、鬱陶しいダンマリではなく、知ればアキラが傷つくとの理由であることを述べていた。そして改めてアキラを任せて欲しいと申し出るリエコだったが、さしものイチローも隠し事が多い以上、「全面的に君を信用する訳にはいかない。」とした(←正論である)。
 だが、二人の交渉(?)はアキラの助けを求める声で中断された。

 イチローとリエコが慌てて部屋に戻ると今まさにアキラが例のマスク男にさらわれんとしていた。だが、意外にもマスク男は見つかったのを悟るや、アキラの身柄を投げて返した。
 何者かを誰何されたマスク男は、「自己紹介がまだだったね。」と惚けた口調で切り出し、自らを、「世界大犯罪組織シャドゥ大幹部、影の騎士シャドゥナイト!」と名乗ると一つ目タイタンが西洋風の甲冑を纏ったような姿を露わにした。そして即座に姿を消したシャドゥナイト。果たしてその正体と、彼の所属する世界大犯罪組織シャドゥとは?

 Bパートに入り、場面は秋芳洞に移った。アキラを安全と思われる場所に置いたイチローは単身アンドロボット達との戦に身を投じた。
 その間、リエコがアキラに接触し、イチローと一緒じゃなきゃ嫌だと涙するアキラに男として独力で強く生きることを説いていた。その後何故か単身秋芳洞内を彷徨っていたアキラ(←ちなみにアキラが「その場を動くな。」とのイチローの指示に従った試しはない(苦笑))だったが、そこにはハカイダーの魔手が迫りつつあった。

 逃げ惑うアキラを助けんとしてリエコとイチローが割って入り、ハカイダー達は即座にガッタイダーになると、太陽光の射さない鍾乳洞内にイチローを誘き寄せたことを自らの作戦勝ちとして、三人に襲い掛かからんとした。
 三人ともそこで死ぬか?それとも一騎打ちに応じるか?と挑発するガッタイダーに、イチローは自分が時間を稼ぐからアキラを連れて逃げて欲しいとリエコに託した。リエコは太陽電池が動かない状態でガッタイダーと対峙しても勝負にならないとしてこれを止めたが、イチローは「善良な市民を守る…それがキカイダー01の使命なのだ。」との台詞を残してガッタイダーに立ち向かった。

 例えどんな難敵であろうと勝負を捨てない心意気を示すイチローに、自分は合体することで普段の四倍の力を得ているのに、太陽電池の使えないイチローが10分の1の力に低下しているという二重の絶望要因を突き付けるガッタイダー
 が、しかし、この緊迫感はイチローの頭上に在った大岩をキカイダーが持ちあげて取り除いたことで太陽光が射し込むという、ベタ過ぎる程ベタな終わり方をした(笑)。
 鍾乳洞の外に飛び出したときには既にチェンジを終えた01は握手を交わしてキカイダーに礼を述べ、二人はガッタイダー率いるアンドロボット達と対峙した。

 よくある戦闘風景なのだが、ガッタイダーは二人を取り囲むアンドロボット達を通常とは異なると告げた。キカイダー兄弟抹殺の為、爆弾ロボットと化しているとのことで、キカイダーはそのアンドロボット達を自分が引き受けるとし、01はガッタイダーとの決戦に臨んだ。
 ちなみに特製らしきアンドロボット達は、格闘能力は従来のアンドロボット達と何ら変わらず(笑)、自爆装置も投げ飛ばされては何の役にも立たなかった(笑)。
 そして01VSガッタイダーの一騎打ちだが、殴り合いでは01が優勢だった(←4体分の頭が如何にもバランス悪そうだった(苦笑))。これに対しガッタイダーはロッド、鞭、ボウガン、破壊銃と云った個々の得物を駆使することで互角に持ち込んではいたが、結局ブラストエンドを食らうと空中で大爆発を起こして敗れた。

 大爆発を起こしたハカイダーシルバーハカイダーブルーハカイダーレッドハカイダー達は、辛うじて死んでなかったが、合体回路が見事に破壊され、もうガッタイダーにはなれないことが判明した。このままでは済まさないと戦意を燃やすハカイダーだったが、これまでの様な具体的な次善策への言及はもう無かった………。

 一方、アキラを助けに秋芳洞に向かったイチローとジローだったが、アキラと再会し、彼を保護しようとしたところで例のマスク男・シャドゥナイトが突如現れ、アキラを拉致し、逃走した。
 勿論イチローとジローは追撃に掛かり、話は次話に続いた。アキラの謎が解けないままに更に現れた世界大犯罪組織シャドゥ……作中の謎は深まるばかりだった………。



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 最終更新 令和四(2022)年一〇月二一日