仮面ライダーX全話解説

第34話 恐怖の武器が三人ライダーを狙う!!

脚本:鈴木生朗
監督:内田一作
タイガーネロ登場

 冒頭、舞台は香港から始まった………でも、これ字幕で「香港」と示されただけで、絶対日本で撮影したよな(苦笑)。
 ともあれ、その香港のとあるホテルと思しき一室で、雨宮博士(城所守)なる人物がGOD悪人軍団の一人であるタイガーネロの襲撃を受けた。

 襲われた雨宮博士の安否がはっきりしないまま場面はCOLに替わり、そこでは藤兵衛がその雨宮博士が香港経由で日本に帰ってくることを一文字から暗号電報で知らされたと敬介に告げていた。
 雨宮博士はRS装置設計図の、最後の1枚である9枚目を持っているとのことで、勿論敬介はこれを迎えに行くことになったのだが、相手が雨宮博士であることを判別する為の目印は「赤いアタッシュケース」だった……………同じ物を何人もの人間が持っていることを想定しないのだろうか?(苦笑)

 場面は替わって羽田空港。
 その玄関口で赤いアタッシュケースを持つ男を確認した敬介は、雨宮博士であることを確認したが、その雨宮は浮かない顔をしていた。理由を尋ねると、「誰かに見張られている気がする。」とのことで、云われてみれば周囲には何人もの人間が遠巻きにこっちを窺っている様で、誰もが怪しく見えた。
 敬介は「急ぎましょう。」と云って、雨宮をジープに伴ったが、この間敬介は全く自分の名前を名乗らず(苦笑)。視聴者的には雨宮が本物でないことは容易に予想がつくのだが、卑しくも悪の組織に狙われている人物と待ち合わせるのに身分を証明もせず、名前も名乗らずは無いと思うな(苦笑)。

 ともあれ、敬介が雨宮を連れて空港から離れると、視線を向けていた3名も弾かれるように1台の車に搭乗し、敬介の後を追った。明らかに備考と分かる追跡で、敬介もしっかりミラーでそれを見ていたが、やがて前方の空き地から飛び出したトラックが行く手を遮ると頭に月桂冠を、体に古代ローマ風の装束を纏った戦闘工作員達が荷台から飛び出して来た。
 雨宮を庇いながら戦闘工作員達と立ち回る敬介だったが、雨宮からアタッシュケースを受け取り、逃げるように促したところで、その雨宮が背後から敬介の首を絞めに掛かって来たのだった!

 雨宮を振りほどくとその体に憑依していたタイガーネロが姿を現し、それまで潜んでいた雨宮をもう用は無いとばかりにグラディウスで刺殺してしまった。
 名乗りを上げたタイガーネロは敬介にアタッシュケースを渡せと要求するも、敬介は今のタイガーネロ相手をしている暇はないと云って、撤収せんと…………タイガーネロとの戦いを一時的に避けるのが悪いとは云わんが、自分とGODの設計図争奪戦に巻き込まれて命を落とした雨宮博士の死体をそのまま放置して立ち去るのはヒーローとして大いに問題あると思うのはシルバータイタンだけだろうか?
 だが、立ち去ろうとする敬介に他ならぬタイガーネロが待ったを掛けた。手にしているアタッシュケースに本当に設計図が入っていると思うのか?と問われては敬介ならずとも中身を確かめずにはいられないだろう。何せ、アタッシュケースは空港に着くまで雨宮博士が持っていたとはいえ、その雨宮はタイガーネロに憑依されていたのである。アタッシュケースから設計図が抜き取られていてもおかしな話ではない。

 結局、アタッシュケース自体が偽物とすり替えられており、本物はタイガーネロの手元にあった。敬介が中を改めんとして明けた偽物からは青灰色の毒ガスが噴き出し、これを吸った敬介はあっさり無力化し、戦闘工作員に取り押さえられて囚われの身となる体たらくだった。せめてタイガーネロの挑発に乗らず、その場を脱してから中を見るべきだった、と云っては酷だろうか?
 いずれにせよ、タイガーネロは、そしてGODは神敬介の完全な生け捕りに成功した(これまでも一時的な拘束はあったが、その場限りのものばかりだった)。これにはキングダークも「さすがは悪人軍団の切り札」と云って褒めそやしていた。
 本物の雨宮が持っていた設計図もアタッシュケースの中にあったのを入手し、これでGODは2枚の設計図を抑えたこととなった。既に後の7枚を敬介が入手していることをGODも把握しており、後はそれを如何にして入手するかだったが、囚われの敬介は設計図を1枚も所持しておらず、キングダークは何としても残る7枚を敬介陣営から入手することを命じた。

 場面は替わってCOL。そこでは雨宮博士を迎えに行ったきり戻らない敬介の身を藤兵衛・チコ・マコが案じていた。すると突如店内が暗転し、また明るくなったかと思うと店のTVにタイガーネロが映っていて、藤兵衛に呼び掛けた。
 何者かと問われ、「GODの悪人軍団のエース」と自分で云っていたところに小物感が拭えないタイガーネロだったが(苦笑)、突き付けてきた内容は抗い難い脅迫だった。
 映像の中では目隠しされた敬介がとある鉄塔上で今にも絞首刑に掛けられんとしていた。そしてその敬介を助けたければ7枚の設計図を寄越せとタイガーネロは要求していた。「設計図など知らん!」と惚けようとした藤兵衛だったが、当然タイガーネロはこれを信用せず、藤兵衛に1分間だけのシンキングタイムを与えるとして、返事が無ければ1分後には敬介を吊るすと宣言して通信を切った。

 この大ピンチにどうするのか?と藤兵衛に問うチコとマコの表情は声に出さずとも、明らかに敬介を助けてくれと訴えていた。それに即答しない藤兵衛ではあったが、腹はとっくに決まっていた。勿論設計図を渡すことで敬介を助けんとの決断である。
 藤兵衛は、例え設計図を奪われても敬介が生きていれば、また奪い返すことが出来るとし、一方で、例え設計図をGODに渡さずとも敬介を失えば意味はないとしていた。隠し場所から設計図を取り出した藤兵衛は丸で語りかける様にまた取り戻すと宣言し…………………………このRS装置の設計図を巡る争奪戦に対して、敬介とGODの双方に一言ツッコミたい…………「「コピーを取る」。という発想は無かったのか?」と(苦笑)
 ともあれ、設計図を取り出すとそこにはタイガーネロ直属の戦闘工作員が待っていて、設計図を持って自分達に同行するよう藤兵衛に命じたのだった。

 場面は替わって敬介が吊るされようとしている鉄塔。
 設計図を持って来たか?と問うタイガーネロと持って来たことを告げる藤兵衛との会話から状況を察した敬介は「何故余計なことを?」と叫んだが、藤兵衛の答えは「お前の命には替えられん!」で、設計図譲渡が敬介と引き換えである筈だとして、先に敬介を解放するよう要求した。

 フィクションでも、現実でも、人質を介した金銭・物品の譲渡に対するやり取りはここが難しい。一般に命という掛け替えの無いものを抑えている分、やり取りが有利なのは人質を取っている方である。「先に渡さなければ殺すまでだ!」と脅すのは簡単だが、脅しが過ぎれば、相手が「どうせ人質を返しやしない。」と決め付け、欲する物を処分してしまうこともあり得ない話ではない。「殺す」と脅しても、本当に物を手に入れるまでは殺せないのもまた事実で、「解放が先だ!」を 譲らない相手も少なくないだろう。
 だが、このシーンではタイガーネロ・GODが1枚上手だった。タイガーネロは藤兵衛の要求に応じ、敬介の首に掛けていた縄を外させたが、それを見た藤兵衛が安堵した隙を突き、傍らにいた戦闘工作員が藤兵衛の手から設計図を奪い、もう一人の戦闘工作員が驚く藤兵衛を取り押さえた。
 この間に設計図を受け取ったタイガーネロは奪った設計図が本物であることを確認すると、「分かったら敬介を返せ。」という藤兵衛を嘲笑うように拒否し、「神敬介はGODの最大の敵だ。予定通り処刑する!」と宣言した。
 勿論、藤兵衛はその反故を詰ったが、タイガーネロから返って来たのは、「GODに約束などないわい!」だった。

 ここでチョット私見をば。
 このタイガーネロの台詞、実に悪の組織らしくて、分かり易くて良い。過去に死神博士が「約束を守るショッカーだと思うか!」と反故を当然視力するシーンがいの一番に浮かぶのだが、あくまでフィクションだけにすべきであろう。たとえ善なる組織であっても、悪の組織であっても。
 この世に組織が自分の所属する組織しかないか、あってもすべての組織を滅ぼす気でいるならそれも良いかも知れない。また、食うか食われるかの戦いの中でやむなく約束を反故にするケースは古今東西様々な王朝・軍閥・組織で観られたことである。同時に守りたくても事情の変化で守れなかったケースもあるだろう。
 だが、善であれ、悪であれ、大組織を運営し、それを持続することを目指すのであれば様々な組織と交流を持たざるを得ない。そんな交流の中、「この組織は約束を簡単に反故にする。」、「この組織と約束を結んでも意味はない。」と思われるのは致命的である。
 そう思われることで約束しても信用されなかったり、約束そのものをしてもらえないことになりかねなかったりする。それだけ「反故」がもたらす悪果は深刻である。
 余りかかるサイトで政治的な問題に踏み込みたくないからこの程度に留めるが、現実の組織は善悪に関係なく、約束を結ぶことの重みを無視して欲しくなく、反故を笑えるのはフィクションだけに留めて欲しいと願われてならない。


 閑話休題。
 すべての設計図を手に入れたタイガーネロはもう用は無いとばかりに敬介の絞首刑執行を鉄塔上の戦闘工作員に命じた。だがその執行は突如飛んできた石礫のようなものによって阻止された。
 投げたのは風見志郎であった。恒例の手放し運転変身を遂げた風見は(笑)、仮面ライダーV3となると藤兵衛を取り押さえていた戦闘工作員達を蹴散らし、タイガーネロに迎撃しつつ、藤兵衛に敬介救出を託した。この時、具体的な言葉を全く交わさず、「おやっさん!早く!」だけで伝わるのはさすがである。

 敬介の元に駆け寄った藤兵衛は首に巻かれた縄と、目隠しを外したが、敬介の両腕を縛っていた鎖は特殊合金製で、藤兵衛の力では解けなかった。結局、V3が駆け付け、引き千切ったことでようやく敬介は自由を取り戻したのだったが、その頃には今度はタイガーネロ一味の方がもう用は無いとばかりに撤収に移っていた。
 そうはさせじ、と敬介はXライダーに大変身。V3との挟撃にて逃走を阻止し、設計図を取り返さんとしたが、タイガーネロはタイガー竜巻地獄なる黒い竜巻を発し、それに紛れて逃げ果せてしまい、RS装置の設計図はそのすべてがGODに奪われてしまったのだった……………。

 場面は替わってGOD基地。タイガーネロからすべての設計図が手に入ったことを告げられたキングダークの第一声は、「嘘ではあるまいな?」だった(苦笑)。まあ、散々偽物を掴まされたり、「中に設計図がある」とされた物が空っぽだったりしたから、気持ちは分かる(笑)。
 だが、設計図が揃ったのは事実で、既に1枚の設計図に復元されたのを見たキングダークは喜びの余り立ち上がり、タイガーネロを手放しで褒め、設計図に描かれたRS装置が完成した暁には「GOD最高幹部に推薦しよう!」と云い放った。

 ここでGODの、組織としての在り様について。
 ただでさえ悪の組織には(主に首領の正体など)謎のままにされている事柄多い。しかもこのGODの場合、第20話を最後にそれまで散々声を聞かせていたGOD総司令が全く声を聞かせなくなり、名前も出て来なくなり、キングダークがその巨体を誇示しながら絶対者の如く振舞っていたことから、後にその体内にいた人物がGOD総司令ではないか?と唱えられることが多かった。
 だが、上述した様に、キングダークは設計図をすべて集めることに成功したタイガーネロに、「最高幹部に推薦しよう」としていたので、この台詞からは少なくとも組織内にキングダークより上位の存在があることが伺える。
 結論を先に行ってしまえば、この第34話の翌週に『仮面ライダーX』は最終回を迎え、GODの首領は(GOD総司令がそうなのか?も含めて)謎のままとされ、同番組は終わった。
 僅かに約1年後に『仮面ライダーストロンガー』の最終回にて、GODのまたショッカーから続く歴代悪の組織の一つであったと言及されていたが、声の違いもあって(苦笑)、これも謎のままと云えば謎のままだった。
 第1話で語られたように、本当に東西両大国の首脳が日本壊滅を狙って作った組織と云うなら、永遠に謎のままだとは思うがね(苦笑)。

 閑話休題。
 事ここに至って、敬介陣営もGODの行動を急ぐこととなった。GOD側では一刻も早く目的であるRS装置を完成させることが急務となり、一方敬介達にとってはRS装置が出来てしまってはすべてが終わりで、その前に奪還することが焦眉の急となった。
 自分罠に嵌ったことですべての設計図が奪われたことを力なく詫びる敬介だったが、毒ガスで気絶させられた際に、こっそりと戦闘工作員の一人に小型発信機を取り付けていたことを藤兵衛と風見に告げた。
 これには風見も、転んでもただでは起きなかったことを褒めた。実際、GODアジト内でRS装置製造に従事する一人の戦闘工作員の腰にて発信機は作動していた。

 XライダーとV3はこれを頼りにクルーザーとハリケーンにてGODアジトに急行。だが、発信機とはその存在がバレるのがお約束で(苦笑)、この時も例外ではなかった。まあでもこれは止むを得ない。遠くにいる味方に存在を知らせるのが発信機なのだから、遠隔地でその存在を掴めるのであれば、潜伏地内ではもっと容易に発信を掴めることとなる。冷徹に云えば、発信に気付かない方が間抜けなのである。
 結局、後は心臓部を取り付けるだけ、となった段階で発信機の存在はGODに露見し、怒ったタイガーネロは発信機を取り付けられた戦闘工作員を殺害し、発信機も壊されてしまった。

 当然、発信途絶はXライダーの知るところだったが、これまでの追跡から方角とおおよその位置を把握していたXライダーはV3と共に先を急がんとした。だが、その途中眼前にはタイガーネロと、遂にGODの最強兵器として完成してしまったRS装置―正式名・極分子復元装置が現れた………。
 タイガーネロはRS装置の完成により、あらゆる破壊がGODには可能になったと告げ、試し打ちに二人の仮面ライダーを抹殺すると宣言し、その始動を傍らにいた戦闘工作員に命じた。

 RS装置の持ち得る破壊力を思えば、改造人間である自分達であっても一溜りもないとするV3に、Xライダーは設計図を奪われた責任から「後は頼む。」と云って、自らの命に替えてもこれを破壊せんとの意志を示した。
 だが、V3は「その役目は先輩である俺だ。」と云い張り、結局ともに譲らなかった両者は二人してRS装置を破壊せんとして突撃を敢行した。
 突撃する二人の仮面ライダーより早く発動したRS装置だったが、XとV3が我を張っている間に戦闘工作員の一人が何かを仕掛けていて、彼は発動直前にジャンプしてその場を離れた。そして次の瞬間、完成したばかりのRS装置は大破。爆風を受けて転倒したタイガーネロが、何事が起きたのか?と周囲に対して詰問の声を上げると貨車の上で一人の戦闘工作員が笑っていた。

 タイガーネロから正体を問われた戦闘工作員が覆面を取るとその下から現れたのは一文字隼人!一文字の潜入はV3も知らなかったことで、「どうしてここへ?」と問う一文字は、万一に備えてGOD内に潜入していたこと、RS装置にとって一番大切な心臓部の設計図は自分が持っていることを告げた。
 これを受けて怒り心頭のタイガーネロは戦闘工作員に一文字攻撃を命じたが、勿論戦闘工作員達は簡単に蹴散らされた。ひと暴れした一文字は、「私の変身をお目に掛けよう!」と『仮面ライダー』にて初登場時に発した台詞を発し、仮面ライダー2号に変身した。

 かくして「ライダーアクション」をBGMに仮面ライダーX&仮面ライダー2号&仮面ライダーV3VSタイガーネロの最終決戦が展開された。さて、このタイガーネロだが、この時の戦いをアクション的に見る限りでは特に強さを感じない。だが、それは互いに攻撃のヒットが少ないからで、それは先の戦いでも同様だった。逆を云えば、3人の仮面ライダーを同時に相手にしてそこそこ互角に戦っていたことを思えば、キングダークが「切り札」として有望視していたのも頷ける戦闘力を持っていたと云えよう。
 ただ、戦力分析としては最終回手前に出たことや、謀略を駆使してとは云え一度はRS装置の全設計図を手に入れたことや、3人ライダーを相手に互角に立ち合ったことを見れば悪人軍団の中で最強クラスにカウント出来ると充分に見られるのだが、番組的には相手が悪かった(苦笑)。
 3人も一度に相手するには慎重な対処が必須だから、戦い方は間違えていなかったが、演出的には地味になるし、視聴者の注目も2号やV3の方に行ってしまう方が多かったことだろう。

 そんな展開の中、逆転を期してか、それとも戦線離脱を狙ったか、タイガーネロはタイガー竜巻地獄を発動したが、何ら成果を上げるでもなく、3人ライダーの姿を見失う始末だった。
 狼狽するにタイガーネロ対して、自分ならここにいるとばかりにXライダーが攻撃を仕掛け、何故か戦闘後半2号とV3は画面に姿を見せず、戦いはXライダーとタイガーネロの一騎打ちとなった。
 最後の最後にちゃんと主人公優遇を意図したものだったかは分からないが(笑)、「ライダーアクション」もフルコーラスが3番入ったところでXライダーの目が赤く光り、背後に一条の爆煙が上がると真空地獄車が発動。切り札で、自称エース(笑)で、最高幹部候補だったタイガーネロもこの技の前には一溜りもなく戦死したのだった。

 勝利を収めたXライダーの前に2号とV3が姿を現すとXライダーは恐るべきR装置が破壊で来たことに安堵の声を出し、二人の先輩ライダーも頷いた。しかし、結局RS装置が人類や一組織の手に余るとんでもない破壊兵器という存在に定義づけられたことを考えると、敬介や藤兵衛は南原博士から設計図の1枚を託された段階でそれを燃やしていれば、最悪の破壊兵器が生まれる可能性はその時点で除去された気がする。
 勿論そんなことをすれば争奪戦が起き得なくなるし、当初RS装置は善用することが南原博士の遺志であったとされていたから、掛かる展開になったことは分からんでもないが、単純に度合いの大き過ぎる破壊兵器でしかなくなっていたのには異を唱えたい。一説で囁かれていたキングダークに最大の力を発揮させるものとしての設定もこの時点では着せ失せていたのも加えて。

 ともあれ、勝利と安堵を噛みしめる3人の仮面ライダー達だったが、そこに高笑いと共にキングダークが姿を見せ、土壇場で2号ライダーに奪われた1枚も必ず手にすると宣言して姿を消した。
 第32話、キングダークはその巨体を見せつつも、戦意や設計図奪取への意欲を示すぐらいで巨躯を利した恫喝すらなく、視聴者としては些か不満だったが、まあこの時姿を見せたのは恐らくホログラフなのだろう。戦闘の場は横浜のレンガ街っぽい港町で、そんな場に大巨人が万人に目撃されることなく現れるのは不可能だろうから、消え方からしても当の本人(?)は来てなかったと思われる。

 ともあれ、『仮面ライダーV3』第34話以来、トリプルライダーが戦った第34話は終結したのだった。次週いよいよ最終回!


第34話終了時点の設計図所在
仮面ライダーX陣営:1枚
悪人軍団陣営:8枚



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令和五(2023)年六月一四日 最終更新