仮面ライダーアマゾン全話解説

第14話 十面鬼死す!そして新しい敵!?

監督:塚田正煕
脚本:伊上勝
獣人ヘビトンボ(成虫)登場
 第13話と第14話は完全な前後編なので、冒頭は第13話のおさらいから始まった。と云っても場面的には完全に第13話ラストの続きからで、十面鬼の下敷きにされて苦しむアマゾンライダーを9つの顔が嘲る中、第13話のラスト部分が簡単にナレーションにて紹介していただけだった。

 やがてアマゾンライダーは力尽き、それを見届けた十面鬼は巨岩を上昇させたのだが、これは「死んだふり。」というべたな逃れ方(苦笑)。巨岩が上昇するやアマゾンライダーは即座に体を地面に転がして虎口を脱した。
 こんなベタな手に引っ掛かったのに加えて、岩下から逃げられただけで、「逃がしたか」と云ってあっさり引き上げる十面鬼……………やっぱ、歴代首領の中にあってコイツの頭は断トツに悪い(苦笑)。
 ともあれ、十面鬼撤収を見届けたアマゾンは、崖下にあった獣人ヘビトンボの蛹に向かった。

 その蛹から異様な煙が噴き出し、近付きかねていたアマゾンだったが、そこに黒いジューシャが次々と現れた。彼等は「男性」・「覆面」・「赤ではなく黒」以外は赤ジューシャとほぼ変わらない装束で、アマゾンに対して攻撃を仕掛けて来た。
 勿論雑兵が何人いたところで後れを取るアマゾンではないが、黒ジューシャ達は遠巻きにヒット&アウェー的な攻撃を数度繰り返すとすぐに撤収。結局これは陽動で、アマゾンが引き返した時には蛹は消え失せていたのだった。
 状況的に黒ジューシャ達が持ち去ったのはすぐにアマゾンには断じられ、その行方が案じられたのだが、蛹の行方はゲドンアジトでも案じられていた。

 アマゾンと黒ジューシャ達の一悶着の後、どうやら赤ジューシャ達が蛹回収に向かった様で、当然彼女達が到着した時には蛹は持ち去られた後だった。十面鬼は蛹が猛毒で守られていることからアマゾンによって殺害されたとの懸念はしていなかったが、当然部下の行方不明はのほほんとしていられず、赤ジューシャ達に捜索を命じた。そう、黒ジューシャ達はゲドンの手の者では無かったのである。

 場面は替わって聖アンナ医科大学病院。
 ここには前話で負傷したマサヒコが入院していた。レギュラーメンバーが入院するほどの重傷を負うのは珍しいのだが、マサヒコは至って元気で、後二、三日で退院出来る状態だった。
 窓から病室に入って来たアマゾンに対して、相変わらずと苦笑するりつ子や、蛹の行方に関するアマゾン・マサヒコ・りつ子の会話から、アマゾンがマサヒコを見舞ったのはこれが最初ではないのだろう。そんなアマゾンを笑顔で迎えるりつ子は明らかに前と変わった。
 勿論以前から必要以上に悪意的だった訳ではなく、あくまでマサヒコの身を案じていただけだったが、実際にゲドンとの戦いに巻き込まれて弟が負傷しているのだから、以前のりつ子ならマサヒコの負傷を見舞うアマゾンを笑顔で迎えたりしなかっただろう(しみじみ)。

 ともあれ、蛹の行方は今も藤兵衛とモグラ獣人が追っており、アマゾンも簡単な見舞いを済ませると捜索を続行すべく退室しようとした。それに際し、相変わらず窓から出ようとするアマゾンに「泥棒と間違えられるわよ。」と云って、りつ子は入り口に案内すべく共に病室から出たのだが、ここで室内に残ったマサヒコ、同室の少女ユミ(林野奈子)との会話から状況が急展開し始めた。

 マサヒコと同じ部屋に入院していたユミはマサヒコからアマゾンの存在を聞き、興味を持ちつつも、話自体は信じていなかった。勿論当の本人も目の前にした以上はそれを信じ、マサヒコを通じてトモダチになれるであろうことを喜んでいたのだが、ユミは友情の証としてマサヒコにある秘密を教えるとした。
 それは病院内のとある一室に隠された獣人ヘビトンボの蛹だった。それがアマゾン達の探している蛹とまでは察知し得ないユミは、日に日に色が変わっており、今に何かが出て来るであろうことを推測していた。

 程なく、マサヒコはこれが件の蛹かも知れないと思い、アマゾンに知らせる同意をユミから得ると即座にアマゾンを探しに掛かった。直後、マサヒコは病室から消えていた彼を探していたりつ子と遭遇し、蛹の件を通報。
 りつ子はユミに病室に戻るよう促すと自身はマサヒコと共にアマゾンを探しに屋外に出たが、アマゾンは見つからず、モグラ獣人と遭遇した。話を聞いたモグラ獣人は自分が病院に同道すると申し出た。彼で大丈夫かとの不安の拭えない姉弟は(苦笑)、一先ずマサヒコとモグラ獣人が病院に向かうこととし、りつ子は引き続きアマゾンを探すこととした。

 その後すぐにアマゾン・藤兵衛と遭遇したりつ子は状況を説明し、三人揃って病院員に向かったのだが、病院では既に事件が展開していた。
 場面は替わって病院地下室。蛹を前にしたモグラ獣人は眼前のそれが獣人ヘビトンボのもので、それも羽化前であると断じた。そこへ何者かが近づいてくる音を察知したモグラ獣人はマサヒコとユミに隠れるよう促し、自分も物陰に隠れた。
 果して、地下室に入って来たのは2名の医師らしき男と黒ジューシャ達で、彼等は蛹を担架に乗せて白布を掛けるとこれを持ち去らんとした。驚いたマサヒコが物音を立ててしまったことでユミ共々拉致されたのだが、この時別の場所に隠れていたモグラ獣人はマサヒコの助けを求める声にも全くの無反応で、二人が連れ去られるの傍観していただけだった。

 獣人が一緒にいた訳でもない、戦闘員に過ぎないジューシャ達しかいない状態にもかかわらず傍観していたモグラ獣人の在り様は誠に不可解で、見殺しへの怒りもあってかなり昔シルバータイタンは過去作・「懲りずに菜根版 怪獣VOW」にて声を荒げてモグラ獣人を非難した(レンタルビデオでこのシーンを見た道場主の妹も納得しかねていた)。
 後々を思えば、モグラ獣人には黒ジューシャの所属するガランダー帝国に対する潜在的な恐怖心があって手を出しかねたと見れなくはないのだが、拉致直後の「攫われちまった……。」という彼のぼやきは何処か他人事で、黒ジューシャに対して、「ゲドンに男のジューシャなんかいたかな………。」との疑問を浮かべていたことからも、現れた一同をゲドンと見ていた節もあり、そうなると助けなかったことが増々不可解である。
 確かにモグラ獣人は「裏切者」としてゲドンにその命を狙われている身だし、十面鬼のことを心底怖がり、他の獣人達に対しても積極的には戦おうとしないことからも、ゲドンに対しても恐怖心が拭えないことは考えられる。だが、だからと云ってジューシャにすら手出し出来ないとも思えない………。

 そんな疑問の尽きないシーンだったが、直後、りつ子に案内されたアマゾンと藤兵衛がやって来たことでストーリーは展開し続けた。地下室に来た三人は当然マサヒコも蛹も見当たらないことを怪訝に思うのだが、程なくアマゾンが隠れていたモグラ獣人に気付き、彼の口から地下室で起きた一部始終を知った。
 マサヒコが攫われたと聞いてその身を案じるりつ子の横で、藤兵衛は黙って見ていたモグラ獣人の鼻面を掴んでその傍観を詰った。詰られたモグラ獣人は、どうせ自分は役立たずだと不貞腐れてその場を立ち去った。ゲドンにも戻れず、さりとて人間社会にも溶け込めないモグラ獣人の心中はなかなかに複雑である。

 いずれにしても当面の問題はモグラ獣人への詰問より、マサヒコとユミの行方である。アマゾンは室内にインカの毒・ヒラリンヤの匂いがあるのを嗅ぎ取り(←藤兵衛・りつ子には嗅ぎ取れない)、それは蛹を覆っていたものと同じであることを知るアマゾンは匂いを頼りにマサヒコ・ユミを追うと宣した。

 場面は替わってとある組織のアジト。
 そこには獣人ヘビトンボの蛹と、一緒に拉致されてきたマサヒコ・ユミが横たわり、それを黒ジューシャ達が取り囲んで松明灯りの下で凝視してた。
 程なく、蛹が羽化し、中から獣人ヘビトンボ (成虫)が現れた。てっきりそこがゲドンアジト、十面鬼の面前と思っていた獣人ヘビトンボは生まれ変わったこと高らかに宣言し、十面鬼への挨拶をせんとしたのだが、様子が全然違うことに驚き、たじろいだ。
 十面鬼の姿はなく、自分を見慣れない黒い男のジューシャ達が取り囲んでいるのだから当然であろう。そしてそこへ獣人ヘビトンボに云い聞かせる様に、ここはゲドンではないとする声が響いてきた。

 声の主は、ゲドンの組織は十面鬼から自分に着いたとし、何者であるかを誰何する獣人ヘビトンボに、「ゴルゴスを倒してガランダー帝国を指揮するゼロ大帝。」と告げながらその姿を現した。
 ゼロ大帝(中田博久)は、既にゲドンに力はなく、自分がこれに替わって世界征服を行うと宣し、獣人ヘビトンボ十面鬼を倒してガガの腕輪を奪うよう(一方的に)命じた。

 いきなり現れた怪人物から主君を裏切れと云われて「はい、承りました。」と即答するやつがいたらお目に掛かりたいもので(笑)、当然獣人ヘビトンボも(状況の急展開に対する戸惑いもあると思うが)躊躇いを見せた。
 だが、躊躇いを示した台詞が、「俺がゴルゴスを………とても出来ない!」だったのだから、十面鬼も人望が無さ過ぎる(苦笑)。
 そんな獣人ヘビトンボに対し、ゼロ大帝十面鬼がまだガランダー帝国の躍動を知らず、獣人ヘビトンボのこともまだ部下と信じているので付け入るべき隙があると云う「勝算」と、成功の暁には獣人ヘビトンボをガランダー帝国の指揮官とすると云う「好餌」でもって誘惑し、結果、獣人ヘビトンボ十面鬼を裏切り、ガランダー帝国につくことを承諾したのだった。

 Bパートに入り、匂いを追っていたアマゾンはついにマサヒコとユミを連れていた獣人ヘビトンボ(←十面鬼への手土産としてゼロ大帝から託された)を目撃した。勿論二人を奪い返さんとしてアマゾンは即座に立ちふさがり、これに対して獣人ヘビトンボは奪われてなるものかと応戦した(←このとき、獣人ヘビトンボはマサヒコとユミを「ゴルゴスへの大事な手土産」と呼び捨てにしていたことに注目)。
 幼虫期同様、変身前のアマゾンに対して互角以上に渡り合う獣人ヘビトンボ。加えて口吻からはコンクリートをも溶かす青緑の毒液を噴出し、これを見たアマゾンは仮面ライダーアマゾンに変身した。

 こうなると形勢は忽ち逆転。空中からの攻撃を多用するアマゾンライダーの前に忽ち劣勢に追い込まれた獣人ヘビトンボは停戦を求め、二人を返す代わりに自分に協力しろと持ち掛けた。突然な申し出に「私が手を貸すと思うか?」と返すアマゾンライダー……………「私」という一人称、めっちゃ違和感ありまくり(苦笑)
 ともあれ、応じないアマゾンに、自分の相手が十面鬼ゴルゴスであることを告げる獣人ヘビトンボ。曲がりなりにも主君である十面鬼を倒さんとの意を露わにする獣人ヘビトンボに「何故だ?」と問うアマゾンライダーだったが、それに対する獣人ヘビトンボの回答は、「訳はいい!」………………こいつ、死ぬほど交渉が下手だ(苦笑)。個人的な想いだが、理由を求めた際に「いいから!」としか云わずに自分の要求を通そうする奴は物凄くムカつくから、シルバータイタンがアマゾンライダーだったら、交渉に応じず獣人ヘビトンボへの攻撃を再開したと思われる。
 恐らくアマゾンライダーも釈然としない一方的な申し出に内心、多少どころか大いに疑念はあったと思われるが、結局は「倒す相手が十面鬼なら、今度だけは手を貸そう。」と応じ、交渉及び一時停戦は成立。一先ずマサヒコとユミは解放されたのだった。まあ、あのまま戦い続けてもアマゾンライダーが勝利して二人は救われたとは思うが(笑)。

 ただ、交渉が下手でも、獣人ヘビトンボの思惑は分からないでもないし、理に適ってもいる。あのまま戦い続けてもアマゾンライダー相手に勝ち目があったとは考え難く、それならアマゾンライダーも抱き込んだ方が十面鬼の首を取れる確率も上がる(実際そうなった)。物陰から様子を見ていた黒ジューシャも妥当な展開と見ていたことだろう。
 そして次のシーンでようやくマサヒコはりつ子・藤兵衛と再会出来た。アマゾンを労う藤兵衛に彼は獣人ヘビトンボとの対十面鬼共闘を口にした。

 その頃、ゲドンアジトでも再会が喜ばれていた。
 成虫となって帰還した獣人ヘビトンボに対して十面鬼はその無事を手放しで喜んでおり、そこには任務に失敗して帰って来た獣人達をバンバン処刑していた鬼首領の面影は微塵も無かった。
 というのも、顔の一つ曰く、「ゲドンの獣人の中で頼りになるのはお前だけになってしまった。」とのことで、追い込まれた故に弱気化が伺える訳だが、こうなると僅か2話前の第12話のラストでアマゾンライダーを前に獣人やアジトをまだまだたくさん擁していることを自慢げに語っていたのが完全なハッタリだったことがここで明らかになった(笑)

 ともあれ、改めてアマゾン抹殺を獣人ヘビトンボに命じる十面鬼だったが、これに対して獣人ヘビトンボは既にアマゾンを剣崎に捕らえてあると返し、これを聞いた十面鬼は上記気となり自分(達)も剣崎に向かうと述べ、獣人ヘビトンボは案内を申し出た。
 勿論、これは獣人ヘビトンボ十面鬼に対する罠なのだが、その頃藤兵衛もまた獣人ヘビトンボの罠を懸念していた。ただでさえ悪の組織との約束など反故にされる可能性が高いのに、相手に云っていることは「共に首領を倒そう。」なのである。
 それが真実なら嬉しい話だが、旨過ぎる話は却って怪しい。しかもろくに訳を話さないし(苦笑)。勿論アマゾンも獣人ヘビトンボを警戒していない訳ではなかった。恐らくは罠でも十面鬼に接近出来るなら利用せんとの腹積もりなのだろう。

 そして場面は替わって剣崎。
 獣人ヘビトンボの先導でやって来た十面鬼は早速アマゾンが何処に居るのかを尋ねたのだが、丘の上に捕らえられている筈のアマゾンライダーが無事な姿及び臨戦態勢で現れた。そしてその際の台詞が、「私はここだ!」だったのだが……………やっぱ、「一人称・私」の違和感、強烈過ぎ(苦笑)
 ただ、視聴者は違和感で済むが(笑)、十面鬼にしてみればそうはいかない(苦笑)。

 ゴルゴスを初め、顔達の声は明らかに狼狽えており、話が違うことへの理由を述べるよう獣人ヘビトンボを詰問したが、アマゾンライダーの側に立った獣人ヘビトンボから帰って来た回答は、「罠に落ちたのは十面鬼、お前だ!」という、完全な裏切り告白だった。

 当然十面鬼は裏切りを詰ったが、それで問題が解決する筈もなく、獣人ヘビトンボは「お前にはもうゲドンの指揮権は無いのだ!」と返し、元々無慈悲を絵に描いた様な奴である十面鬼は忽ち怒り心頭となった。
 即座に巨岩口腔部から銃撃した十面鬼だったが、勿論功を奏する筈もなく、爆縁を縫って現れたアマゾンライダーは大切断を二閃し、二つの顔が殺された(残る顔は7つ)。痛手を被った十面鬼(「七面鬼」と呼ぶべきか?)は空中に浮かび上がると銃撃を連射し、「ブラック・オン・ゴールド!」と唱えて周囲を暗化させた。
 そした組み付いてきたアマゾンライダーと獣人ヘビトンボをまとめて巨岩の下敷きにして圧殺せんとしたが、アマゾンライダーは巨岩を持ち上げてこれを投げ捨て、驚いた十面鬼が闇を説いた次の瞬間、顔に次々と大切断が叩き込まれ、ゴルゴスを除く6つの顔がすべて命を落としたのだった。

 こうなると十面鬼の最期は時間の問題だった。だが、最後となったのは十面鬼だけではなかった。とどめを刺すべくゴルゴスに組み付いたアマゾンライダーの背後から獣人ヘビトンボが襲撃。そう、両者の共闘関係も終わったのである。
 獣人ヘビトンボにしてみれば、もはや青息吐息の十面鬼は敵ではなく、そうなるとアマゾンライダーもはや敵でしかなく、これを殺してギギの腕輪を奪うのみだった。
 両者は十面鬼そっちのけで(笑)最終決戦を展開。獣人ヘビトンボは共闘の終わりを宣言する様にアマゾンとゴルゴスの双方から腕輪を奪うと宣言。これに対して一応は「思った通り卑怯な奴だったな。」と詰るアマゾンライダーだったが、まあ既定路線だな、色々な意味で(笑)。

 だが、獣人ヘビトンボの立場に立つなら、この共闘終了は時期尚早だった。何度も書いたように、基本獣人の戦闘能力ではアマゾンライダーの敵ではない。アマゾンライダーと十面鬼を相戦わせ、充分な疲弊を狙ってからでないと獣人ヘビトンボに勝ち目は無い。
 その点、十面鬼は充分に消耗させ得たが、アマゾンライダーは全然余力を残していた。まあ、瀕死の十面鬼にあれ以上アマゾンライダーを消耗させられたか否かは疑問だが、十面鬼が完全にくたばるまでは利用すべきだったと思われる。
 ともあれ、やはり獣人ヘビトンボはアマゾンライダーに抗し得ず、初めて技名が正式に叫ばれた大切断を受け、断頭されて絶命したのだった。

 返す刀で十面鬼の右腕にも大切断を炸裂させたアマゾンライダー。アマゾンがギギの腕輪を失えば同時に命を失うのと同様、ガガの腕輪を失えば十面鬼も生きていることは出来ず、これが致命傷となった。
 ただ、ガガの腕輪は傍近くに潜んでいた黒ジューシャに持ち去られ、それを見たアマゾンは新しい敵の出現を認識する中、遂に十面鬼ゴルゴスに最期の時が来た。

 全身から白煙を上げながら「アマゾンライダー、これが俺の最期だ!」と告げた十面鬼は上空高く舞い上がるとその体は爆発四散し、巨大なキノコ雲が空を覆ったのだった……………これも過去作で触れているが、核爆発並みの爆発力を体に秘めているのなら、その破壊力でアマゾンライダーを道連れにする考えは無かったのだろうか?(苦笑)

 ともあれ、十面鬼ゴルゴスは最期を遂げ、ゲドンは壊滅した。暗雲晴れた後の海岸で雄叫びを上げるアマゾンだったが、それは勝利宣言の咆哮だったのか、それとも新たな敵への戦意を燃やしたものだったのかは分からない。ただその表情を見る限りは、ゲドンを倒し、バゴー・高坂教授・山村教授等の仇を打てた喜びよりは、まだまだ殺し合う日々が続くことへの悲しみと憤りの方が大きい様にシルバータイタンには見えたのだった。
 そしてアジトでは、新たな敵となるガランダー帝国のゼロ大帝がガガの腕輪を手にしてアマゾンへの戦意を漲らせながら不気味に笑っていたのだった。


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令和六(2024)年二月三日 最終更新