仮面ライダーX全話解説

第8話 怪?大地球・中地球・小地球

脚本:長坂秀佳
監督:折田至
鉄腕アトラス登場

 第8話にして『仮面ライダーX』は一つのターニングポイントを迎える。
 結論を先に書いてしまうと、水城涼子・霧子が殉職・降板し、次話からレギュラーとなる大幹部・アポロガイストがその姿だけ見せる。
 通常、TV番組は13話を1クールと数え、一つの区切りとしているため、第13話、第26話、第39話でシリーズが変わることが多い。だが、この『仮面ライダーX』にはそのセオリー(?)が当てはまらない。
 そこは前作、前々作を受け継ぎつつも、様々な差別化を図りたい制作陣の一心と見られる。

 ともあれ、冒頭はとある山中で始まった。
 黒峰山と呼ばれる山中で作業服を着た男達がGODの改造人間によって次々と殺害された。アトラスが人を殺めるのに使ったのは運動会で使う大玉転がしクラスの大玉で、球状でありながら大の男が二人掛かりでも動かせない程の重量物だった。
 アトラスはそれを軽々と持ち上げると作業員達にぶつけて殺害していった。勿論、そんな重量物をぶつけられては生身の人間は一溜りもなく、犠牲者数は七人に及んだ。

 犠牲者達は黒峰山に眠る新エネルギー調査団の団員達で、それがGODの手に渡ることを懸念した霧子は、敬介に調査団に加わって欲しいと告げにCOLにやって来たのだが、敬介が何処に居るのか藤兵衛にも分からないらしく、調査には藤兵衛が参加することになり、霧子も臨時隊員として加わることになった。
 しかし、前話まで敬介達の前にすら必要最低限しか姿を見せなかった霧子がそんな調査団とコネクションを持っていたとは急過ぎる変貌である(苦笑)。

 翌日、藤兵衛、霧子、他三名の男性が黒峰山に踏み入った。後から分かるのだが、調査団員である三名の男性はリーダーにして大学教授である中条教授(北原義郎)、その助手・倉田(清水幹生)、そして教授の息子・中条健吾(岩本幸雄)だったのだが、この健吾、中学生になるかならないかの少年で、過去作「X-worldは博士がいっぱい」でも述べているが、既に七名もの犠牲者が出ている山中に年端も行かない息子を同行させていた中条教授には大いに疑問を抱いたものだった。

 そりゃあ、年端がいかない少年でも、優秀な父の側で育つことで年齢に見合わぬ高スキルを身につけていて、役に立つと判断されて同行すると云うことは考えられないでもない。しかし、健吾は季節外れのカブト虫(←アトラスの手先)を見て大喜びで近付き、父親が止めるのも聞かず山道を外れようとして、そこにいた戦闘工作員を見て慌てて逃げ出すようなガキだった………。
 七人も殺されている惨事の起きている山中で、そんな軽はずみは無いだろうに………。

 ともあれ、これで資源調査団員達の殺害がGODによるものだと云うことが一行にも明らかになった。だが、そんなことを論じる間もなく戦闘工作員達は襲い掛かって来た。勿論藤兵衛はそれなりに抵抗し、倉田もそこそこ抵抗していたが、中条教授と霧子は健吾を庇うので精一杯だった………悪いが、やはり健吾は足手まといと断じざるを得なかった。

 幸い、敬介が駆け付け、足場の悪い山道を物ともしない普段以上の殺陣を展開して戦闘工作員達を蹴散らした。役柄、主人公を演じた俳優達が高技量な殺陣を求められるのは必然だが、この時の殺陣は有望な柔道選手だった速水亮氏の前歴を彷彿とさせるものだった。
 無事戦闘工作員達を蹴散らした直後の敬介と藤兵衛の会話から、顔を合わせてもいない敬介に「遅かったじゃないか!」と云っていたのが変に映ったが、まあ置手紙を見たと思えば考えられんでもないか………。
 ともあれ、敬介が頼りになる味方と云うのは調査団一行に伝わっていたようで、健吾は初対面の敬介に対して嬉しそうに握手を求めていた。結構ミーハーだな、こいつ。

 だが、今回のGODは甘くなかった。
 GOD総司令はソクラテスの胸像を媒体に炭焼き小屋の親父(打越正八)に扮していたアトラスに敬介を護衛に調査団が入山したことを告げ、全員の抹殺を命じた。そしてそのアトラスは殺意の塊であることを示すかのように通りすがった登山客の男女二人を、地球を模した鎖分銅=アトラス小地球でもって殺害したのだった…………しかし、鈍器による撲殺で生身の人間が爆発するのは無理があると制作陣は思わなかったのだろうか(苦笑)
 まあそれはさて置き、直接的な殺害を命じたのだから、アトラスはギリシャ神話で天そのものを支えた巨人の如く膂力を期待された豪の者であることが伺えた。

 直後、早速一行は襲撃された。
 と云っても、数本のダーツが飛んできただけで、その威力は敬介のヘルメットで弾かれる程度だった。敬介がダーツの飛んできた方向を見ればそこには涼子がいたのだったが、それを追わんとした敬介を霧子が止めた。
 道々、霧子は涼子が敵ではなく、今でも敬介のフィアンセであると告げ、自分達は互いに連絡を取り合い、霧子が敬介に協力していたこと自体が涼子の要請によるものであることを告げた。
 しかし、肝心なことをはぐらかし続け、様々な敵対行為を取って来た敬介はそうは云われても信用するのは難しい状態だった。そんな一行の様子をカブト虫型の通信機が追尾していたのだが、同時に白マントを纏って太陽を模した兜を被った怪人物―アポロガイストが見張っていたのだった………(ちなみに第8話の段階では姿のみで、台詞も名前も無し)。

 その後、調査は尚も続いたが、霧子が健吾のリュックに張り付いていたカブト虫に気付いた。訝しがる霧子だったが、健吾はそれを掴むと敬介に、「こんなに大きいカブト虫。」と嬉しそう…………ついさっき、カブト虫を追って戦闘工作員に襲われたのを忘れたのか、この危機感皆無のガキは………と思っていたら、最前のダーツが襲ってきた!
 一射目は何とか躱したが、健吾の避難を藤兵衛に促す敬介の側面から二射目が襲い掛かり、ダーツはそれを庇わんとした霧子の左胸に命中したのだった!
 主題歌「セタップ!仮面ライダーX」が超スローでのトランペット演奏で流れるのをBGMに、断末魔の悲鳴を上げながらスローモーションで小川に突っ伏す水城霧子。すぐさまそれを助け起こした敬介だったが、霧子は僅かに呻くと今際の言葉もなく事切れたのだった…………。
 一射目直後に涼子の姿を認めていた敬介には、ダーツは涼子が放ったようにしか見えず、姉である涼子が妹である霧子を殺したと捉えた敬介は深い悲しみと怒りに打ちひしがれた。だが、そんな感傷に浸る間さえも許されないようにアトラスと戦闘工作員が現れ、敬介は藤兵衛と倉田に霧子の遺体を託すと仮面ライダーXにセタップした。

 怒りに燃えるXライダーはライドルホイップを引き抜いて次々と戦闘工作員達をX斬りで立て続けに三人斬り倒す程凄まじい戦意を見せていたが、アトラスは調査員達を撲殺した大玉状の「中地球」、分銅鎖状の「小地球」に続いて、倒立状態で地球そのものを揺るがして地震攻めにする「大地球」を敢行。阿呆みたいな技だが、地味に見えてスケールの大きさは極大で、これにはXライダーも立っていられず、よろめいたところに「中地球」を用いての地球投げを食らわされ、もんどりうって崖下に転落したのだった。
 少なくとも第8話までを見る限り、アトラスはそれまで登場した神話怪人の中で最強と断言出来る強さだった。

 Bパートに入ると、場面はCOLで、敬介が気絶から目覚めたところだった。
 藤兵衛から自分が崖下で気絶していたこと、霧子が殺されたことで調査が一時中止になったこと、それでも二、三日の内には再調査に出ることを聞かされた敬介は次こそ勝負と意気込んで中条教授を訪ねた。
 中条教授から健吾と倉田が食糧の買い出しに行っていることを聞いた敬介は二人がアトラスに襲われることを懸念。案の定、二人が襲われていたところに駆け付けたXライダーはライドルロープアトラスの腕に絡ませ、抵抗すれば電気を流して攻撃する、と告げてライドルロープの片端をベルトに差し込んだ。
 一瞬は戸惑いを見せたアトラスだったが、次の瞬間にはそんな脅しを意に介さなかったかのように反撃に出て、相変わらず3タイプの「地球」を駆使して激しく抵抗してきた。だが、中地球を頭上にかざして対峙していたところにXライダーの背後から放たれた拳銃の弾丸がアトラスの左肩をかすめると、それまでの豪勇が嘘のように情けない悲鳴を上げると撤収したのだった(さすがにこれにはXライダーも訝しんでいた)。

 ともあれ、アトラス撤収を見届けたXライダーは健吾に大丈夫かを訪ねると、健吾は平気であると返し、これぐらいで怯んでいては調査団に加えてもらえないから、としていたのだが………………はっきり云って、怯んで欲しかった(嘆息)

 結局、霧子がいない以外には先日と変わり映えしない面子と装備で調査が再開したのだが、初めから不穏だった。既に道が地図と異なる状態で、倉田が側に居た炭焼き小屋の老人に尋ねてみよう、と云うと散々危ない目に遭っている筈の健吾が「おじいさーん!」と叫んで近寄る始末……………駄目だ、危機感無さ過ぎるぞこの調査団………7名の仲間が殺され、何度も襲撃され、霧子まで殺され、道が地図と異なっている状態でそこにいる炭焼き老人に何の警戒もせず近寄っていくのだから、危機感だけじゃなく、学習能力も無さ過ぎる…………勿論こんな危険な山中に息子を連れてきた中条にも危機感は皆無である。

 そしてそんな危なさを立証するかのようにダーツが飛んできた。近くの茂みに涼子の姿を認めた中条は敬介に涼子を追うよう促した。だが、涼子を信用しておらずとも、ダーツの飛んできた方角と涼子のいる位置が全く違うと見た敬介は追撃を躊躇。すると中条は、「健吾が殺される所だったんだぞ。昔の恋人だったとはいえ、君は殺人犯を庇う気か?!」と難詰………………いやね、息子を殺されかけて怒り心頭な教授の気持ちは分からんでもないよ。しかし再三触れている様にそんな危険地帯に息子を連れてきたアンタも、無警戒に何にでも近づく愚息も大概だとは思わんのだろうか…………。

 ともあれ、中条の促しが有っても無くても、手掛かりを求めて敬介は涼子を追うこととなった。だが、しばらく逃げ続け、誰もいないところで立ち止まり、敬介に振り返った涼子の顔には涙が流れていた。
 ここで神親子を裏切って以来初めて涼子は「敬介さん。」とその名を口にし、今は何も聞かないで欲しいと懇願した。時が来ればこんなことがあったのも笑って話せる日が来ると……………霧子の死は笑って話せんと思うけどな
 勿論これだけですべてが納得出来る訳ではなかったが、そこに地震が起こり、アトラスが迫っていることを察知した涼子は拳銃を敬介に突き付けつつ、立ち去るよう促した。

 敬介が去り、直後に駆け付けたアトラスは涼子が泣いていたことを詰問。勿論涼子はそれを否定したが、アトラスは涼子が霧子の存在を伏せていたことを持ち出して疑いの念を向けた。
 涼子は「失礼な発言は許しませんよ。」と云って、自分がGODに忠誠を誓った女であると述べ、その場を去った。だが、そんな一言で疑念が解ければこの世はお人好しだらけで、アトラスは前々から涼子を怪しいと思っていたことを呟いた。だがそんな呟きは離れた場所にいる人物に気付くことで中断。アトラスと戦闘工作員達が合掌する様にして敬意を示した視線の先にいたのはアポロガイストだった。
 第9話以降のアポロガイストと神話怪人達との関係を知る身としては、この時のアトラスの敬意は変に映るが、まあ、設定がまだ固まっていなかったのだろう(苦笑)。

 ともあれ、調査は続行されたのだが、一同は道に迷ったのでは?と思っているところで炭焼き翁が通せんぼしているのに気付いた。さすがに大人達は彼が先回りしていることを訝しがったが、健吾には相変わらず危機感の「き」の字も無く、彼に道を聞こうと近付いていき、あっさり捕らえられた(呆)。中条教授よ、教授なら息子の学習能力ぐらい考えてから同行させろよ。北原氏は好きな俳優の一人だから、余り悪く云いたくないんだよな(苦笑)。ま、役どころの話だから、役者個人は関係ないけど。

 ここで翁はアトラスの正体を現し、例のダーツを放って来たことで、霧子を殺したのがアトラスであることがはっきりした。怒り心頭の敬介は戦意を燃やし、「俺が相手だ!」とアトラスに突っかかるや、アトラスも健吾を放っぽり出して応戦(←捕らえた意味なし)。
 慌てて健吾を助けに行こうとする中条だったが、彼等にも戦闘工作員が襲い掛かって来た。
 霧子を殺されたことへの怒りが尋常じゃなかった故か、強敵アトラスにも敬介は変身前の姿でそこそこ善戦。しばらくしてからXライダーにセタップした。
 腕力に優れるアトラスに対して、Xライダーは回し蹴りやトラースキック、飛び蹴り、と足技を駆使してやや優勢に勝負を運んだ。やがてライドルホイップで腹を刺されたアトラスは、大ダメージを追ったようには見えなかったものの、不利を悟ったようで、戦闘のどさくさで再度取り押さえた健吾を殺して撤収することを宣言した。
 敬介達が知る由もなかったことだが、アトラスの任務はGODが黒峰山の新エネルギー資源を独占する為に同山に立ち入る者を抹殺することにあったから、健吾は勿論いずれは関係者全員を抹殺する殺意の塊的な存在だった訳だが、状況的にはどうしても苦し紛れと腹いせに子供の命を敢えて奪う鬼畜漢にしか見えなかった………。

 小地球で健吾を束縛したアトラスは霧子を殺したダーツで健吾を殺そうしたが、これを身を挺して救ったのは涼子だった!慌てて駆け寄ったXはダーツを抜き、健吾を解放した。
 健吾は父親の元に駆け戻り、Xライダーは涼子を別の場所に連れ去ったのだが…………アカン………過去作でも触れたが、このシーンのXライダー、完全に美山さんの胸を触っている…………。本当に、こんな悲哀且つシリアスなシーンを見て、道場主は何を考えているのやら………。

 ゴホン!ゴホン!本題に戻ろう。恐らく、涼子の今際の姿を他の人達に見せたくなかったのだろう。誰もいない谷間に涼子を連れて来た時、Xライダーは敬介の姿に戻っていた。
 涼子を介抱せんとする敬介は彼女が国際秘密警察(←ICPOやFBIと関係しているのだろうか?)の身分証明バッヂを持っていることに気付き、彼女がGODについていたのが潜入で、自分達父子を裏切っていなかったことを悟った。皮肉にも最期の最後で神敬介と水城涼子は恋人同士に戻ったのだった………。

 涼子は尻拭いばかりさせる形になった霧子への罪悪感と、アトラスの急所が左の肩にあることを告げた。敬介は霧子が理解してくれている筈だと返し、涼子にそれ以上喋らないように促した。
 だが、GODはそんな甘い組織ではなかった。
 涼子の腹部から小さな光が点滅し、妙な発信音が聞こえて来た。涼子は敬介に自分から離れるよう命じた。
 GODは組織に忠誠を誓った者が裏切ることが無いよう、或いは裏切った際の対抗策として、その者に改造手術を施し、自爆装置を埋め込むと云う措置を取っていた。勿論涼子も例外ではなく、彼女の裂けた二の腕からは鉄骨が露出していた………。
 涼子曰く、自爆装置のスイッチはGOD総司令が握っており、それは裏切りを察知したと同時に押されることになっていた。つまり健吾をアトラスから庇った時点で涼子の裏切りはGODの知るところとなった訳で、涼子にしてみればいつ自分が自爆させられるか分からず、敬介を巻き込むことを何より懸念していた。
 そして涼子は最後の力を振り絞って敬介を振り払うように山陰に姿を隠すと爆発四散したのだった…………。

 一連のシーン、敬介は第1話同様に涼子をさん付けで呼ぶ一方で、慌てた時や感情が昂った時は呼び捨てで呼んだりしていた。昭和中期の時代的な傾向もあったとは思うが、正直、結婚まで誓った女性を敬称付けで呼ぶのは違和感があった(後年、城茂は岬ユリ子を、沖一也は草波ハルミを終始下の名で呼び捨てにしていた)が、一連のシーンにおける使い分けを見ると、これはこれでよかった気がする。
 涼子の名を絶叫し、肩を落とした敬介だったが、背後から来た藤兵衛がそっと肩に手を置くと決意を新たにした様に涼子の最期の言葉を無駄にしない、としてアトラスの急所を口にするのだった。

 敬介の怒りを反映したものか、直後のクルーザー疾走シーンは普段よりも爆走しているように見えた(恐らく多少はフィルムを早回ししていたのだろう)。
 勿論調査関係者皆殺しを任とするアトラスは黒峰山を去っておらず、Xライダーを狙撃する様に中地球を投げ付けて来たが、Xライダーはクルーザー大回転からの勢いで中地球を弾き返し、アトラスは崖上から叩き落された。
 最前同様に、しばしXライダーの脚力VSアトラスの腕力で殺陣が展開されたが、やがてXライダーはライドルスティックを抜き、腕力差をリーチと速さで埋めた。
 それに負けじ、と大地球で大地を揺るがし、空中回転を中地球やダーツで妨害せんと多彩な攻撃を繰り出すアトラスは間違いなくここまで登場したGOD怪人の中では一番の強敵だったが、Xライダーはライドルを視点にした横回転からの両足蹴りで中地球をアトラスにぶつけ返すとその怯んだ隙にXキックへのムーブに入った。
 いつもの大車輪からキックを放つ一連の動きには、アトラスの急所を告げる涼子の今際の言葉が重ねられ、Xキックが左肩に命中した。さしもの強敵アトラスも拳銃一発にダメージを受ける急所にXライダーの必殺技を受けては耐え切れず、無念の声を残して爆死。それを見届けたXライダーは悲しみを振り払うようにクルーザーを疾走させた。そのラストシーンに中江真司氏による重いナレーションが重ねられた。

 「「父の死」、「霧子の死」、そしてまた新しい一員に「恋人涼子の死」が加えられた。
 しかし神敬介の日記に「悲しい」という文字は許されない。敬介は戦わなければならない。
 巨大な敵GOD機関の陰謀と、そして姿を見せぬGODの総司令、そして怪しい第三の怪人は何者なのか?」


 ここに第8話は終結し、水城姉妹は退場し、新たなる強敵アポロガイスト登場への繋ぎが為された訳だが、少し不満を漏らすと、アポロガイストへの絡みは良いとして、これ以降最終回の僅かな回想シーンを除いて、水城姉妹は名前すら登場しない。
 後々の作品にも云えることだが、第一期のライダーシリーズは第1話で犠牲になった人はともかく、途中で命を落とした仲間の存在感が極端に薄い。水城姉妹の存在が後年触れられるには『仮面ライダーSPIRITS』にて、ICPOのデストロンハンター、アンリエッタ・バーキンが、姉妹の上司であったことを敬介の告げるシーンまで待たなければならなかった(←内容的には原作をかなり忠実に踏襲している同漫画だが、勿論正式な続編ではない)。
 もう少し、レギュラーだったキャラクターを大切にしてね…………。


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令和五(2023)年六月一四日 最終更新