凄絶!島原の乱

本作の骨子
 拙サイト・戦国房にアップしている作品の大半は、「作品のタイトルに当てはまる人物」をピックアップし、その人物を解説することで人間の側面、歴史の側面を検証している。

 タイトルを構成するキーワードは英雄、名誉挽回、天然痘、暗殺疑惑、師弟、ジェノサイド、反故、隠棲、子息、ストッパー、生存伝説、嫡男、鎌倉時代、流浪、怪僧、切腹、長女、兄弟、親、君側の奸、と実に様々だが、開房当初は長篠の戦い朝鮮出兵本能寺の変大坂の陣三毛別羆害事件、と戦争や事件を題材としたものの方が多かった。

 そこで本作では一〇年振り以上になるが、出来事をテーマとした。
その対象は表題にある通り、島原の乱という「江戸初期最初で最後の大内乱」である。従来通り「人」も重視しつつも、事件の様々な側面のクローズアップを図ることでいつもとは違った作品を制作してみたい。


 さて、薩摩守が島原の乱を取り上げる=数ある歴史上の事件の中でもこの乱に注目しているのには当然理由がある。
 それは、


 等に関心を抱きつつも、余り調査出来ていなかったからである(苦笑)。偏に、長らく「概念」と「人」で歴史を見て来たからで、事件はそれについて来るものだったからだろう。
 だが一六万人以上が戦い、内四万五〇〇〇人が命を落としたこの痛ましき戦い(しかも一揆側は全員討ち死に!)に学ぶことは多い筈で、一度は徹底追跡をしてみたかった。

 勿論、「島原の乱」を詳細に解説すれば、それだけで一つのサイトになるので、注目すべき点は薩摩守の独断と偏見になるのだが(苦笑)、当登場の原則に則り、「片手落ち」は避けて綴りたいと思う次第である。

 制作にあたり、仏教徒ではあるが、信仰の為に戦い、散った者達、それと戦って散った者達、乱の前後を巡る政治的な動きの中で犠牲になった者達、すべての御冥福をお祈りしたい。唯一人、松倉勝家を除いて…………。
第壱章 島原の乱、その経過…乱前の背景
第弐章 島原の乱、その経過…乱中双方の死闘
第参章 島原の乱、その経過…乱後の処置
第肆章 謎多き天草四郎
第伍章 多彩極める一揆構成員
第陸章 認められぬ殉教者達
第漆章 唯一切腹を許されなかった大名・松倉勝家
第捌章 その後の宗教政策と現代への教訓


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平成二七(2015)年八月一五日 最終更新